人類が知っていることすべての短い歴史(上) (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (452ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102186213

感想・レビュー・書評

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  • 相対性理論や量子力学が世に出てからまだ約一世紀で、そもそも我々がいる地球の年齢が46億年だとかその銀河系は137億年だと推定されてからまだそう長く経っていない。(それもあくまで仮説で覆るかもしれないが)プレートテクトニクス理論なんて若輩者もいいところだ。そうした人類の驚くべき発見や叡智を堪能できる本だ。こうした科学史の主役は物理学や天文学が多いが、上巻は地質学や化学が相応の位置を占めておりなかなか興味深い。

  • 宝くじで一等当選する確率と、地球が滅亡する確率はどちらが高いだろう。
    両方ともに遭遇せずに死ぬ確率の方がよっぽど高いことは間違いない。
    氷河期、地軸反転、火山爆発、彗星衝突。過去46億年の中で、人類が滅亡するほどの自然現象に何度も見舞われてきたのが地球だが、偶然にもここ1万年ほどは安定しているようだ。
    本書は地球滅亡陰謀論でもディザスター・ムービーの原著でもないが、どれも人が明らかにしてきた地球の歴史を語る上で無視できない事象だ。

    宇宙創生、宇宙の大きさ、星の寿命、地球の大きさ、地球の年齢、恐竜の発見、元素の発見、大陸移動、彗星衝突、地軸反転、超巨大火山爆発。
    語られるのは科学的詳細というよりはそれらの発見と人の物語であり、知ってる人から見れば新しい話でもないし、知らない人が読むには、話題の多さからか丁寧さに欠ける。
    しかし、本書の全てを知っているような人も稀だろう。
    "人類知識"の外観を眺めることで、次に読むべき一冊を見つけられるようになるかもしれない。

  • 疾走感あふれる痛快科学史の本。上巻は主に天文学、物理学、量子力学、素粒子物理学、化学、地学などについて。すごく面白い。有鉛ガソリンの話とか、宇宙の話とか、イエローストーンの話とか。

    現実は本当にわからないことだらけであり、私たちはいったいなぜ存在しているのか、という気持ちになる。本当になぜ? でも、それはわからないので、どうやって存在してきたか、どのような始まりと変遷があったのか、ということを探る作業を科学が担うのだが、それでも驚くほどわからないことが多すぎる。すべてが存在しはじめた、ただそれが不思議。小さいころ、いろいろ起源をたぐってゆく遊びをしたが、宇宙のその前にはいったい何があるのか、もう私がこんなに大きくなってしまっていてもわかっていないなんて。生物の始まりや、人間の起源ですらわからないとは。原子の中に素粒子があり、さらにそれを構成するクオークの中にさらに何かがある…。大きい方も小さい方も、無限と思える領域が控えていて、その中にたゆとう、かりの存在、流れの中の原子の一塊が私たちなのだぁと思った。諸行無常というか。万物、流転しててたしかなものはそうそうないんだな、といった感。

    下巻へ。

  • 上巻読了

    著者が科学系の人ではないし、基本的に浅く広くなので、グングンくるような感動はないけど、たまにはこれくらい緩いのも良いすね

    驚きは、相対性理論や量子力学が生まれたころから、地球にプレートがあるとか、恐竜が滅んだ理由とかがわかるようになるまでに数十年かかってること

    これは科学が足元よりも形而上的なものに根差してる感じがあって、中二病的で、つまり、ロマンてことだ

    科学にはあんまり興味ないけど、科学にまつわるエピソードや、トリビアやらが好きなら良い本だ

  • チビチビと読んできたが、いやあ、面白かった! さあ、下巻に取り掛かろう!

  • 本書は、宇宙の成り立ち、太陽系の形成、地球の歴史、原子等の研究史について、理論物理学、地質学、化学等の自然科学から述べるもの。すごく面白い。今では誰もが知っていることも過去には誰にもわからなかったという当たり前のことも、こうして科学の発展の過程を知ると感慨深く思えてくる。下巻に続く。

  • 人類発生からの世界史的な話だろうかと思っていたら、宇宙の創生から始まるなんともスケールの大きな話であった。
    様々な科学について、解き明かされていく様子が、テンポ良く記述されているので、なんとなく自分が知識人になったような気になるが、それは気のせいである。

    ヒッグス粒子など、執筆当時はまだ未発見であるが今はもう存在が確認されているものなど、タイムリーな話も記載されているのもよい。

  • 広浅な知識、中学生向き。
    科学は面白いが人間の利権が加わると突然俗なものになるということがわかり、そこは残念だった。

  • 原子のサイズを理解するために、原子の幅を1ミリと仮定してみる、そうすると一枚の紙の厚さがエンパアステートビルに相当する。その極めて極小の原子を大聖堂の大きさまで拡大してみる、すると原子核はハエほどの大きさにしかならないらしい。さらに原子核を回る電子については、太陽を回る惑星のイメージとは違い、形の無い雲の様相を呈しているんだとか(P271~)んー 難しい話だけど面白いこと間違いなし、おすすめの一冊。

  • 地球の歴史をぎゅぎゅっと短縮した本かと思いきや、いろいろな偉人伝をコンパクトにまとめてくれた印象。
    そのおかげで、科学を全く知らなくても何とか読める。
    科学者の人が一般向けに分かりやすく書いてくれたのかと思ってたけど、旅行作家として有名な専門外な人の本だったので、疑問に思うこと、興味がわくとなどはいわゆる私たち一般人に近い感覚。
    途中興味のない章もあるけれど、飽きてきた頃に不遇の偉人伝が入ってくるので、そこはすらすらと読める。
    さすが、地の文は読みやすかった

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著者プロフィール

[Bill Bryson]旅行記で有名になる。近年は革新的な本『人類が知っていることすべての短い歴史』(新潮社)によって一般読者に科学史を紹介。最新の本『The Life and Times of the Thunderbolt Kid』では、1950年代のアメリカで育った自叙伝を執筆している。

「2018年 『ニュートンとコーヒータイム』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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