- Amazon.co.jp ・本 (447ページ)
- / ISBN・EAN: 9784102188019
感想・レビュー・書評
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1972年に起こったアンデス山脈に墜落した飛行機事故のあらましをまとめた一冊。この事故については、生存者の一人であるナンド・パラードによる「アンデスの奇跡」を読んで知って、より全体像を知りたいと思い、本書をチョイス。本書は1974年に刊行されたようだが、今読んでも色褪せることなく、臨場感が伝わってきた。「アンデスの奇跡」と違って、残された家族を中心とする捜索活動について当時の技術の中で家族は諦めることなく捜索を続けていたことや、ナンドとカネッサが山越えをしている時の残された人たちであったり、救助された時、一泊を余儀なくされた救助隊や残されたメンバーとの間の出来事などが記されていて、とても興味深かった。この事故を俯瞰的に知るためには欠かせない一冊だと思う。
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私だったらどうするかな、食べるかな。。
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冒頭にあるように、「彼らがアンデスの山中で自分たちを鼓舞した信仰と友情が、行間から立ちのぼってこないと感じた」点は、もったいなかったですが、正確そうな筆致で事実らしくまた最初に生存者本人の名前入りで「真実」と書かれているのも納得の一冊。
宗教ってすごいな、と思います。絶望をはねのける力があるな。勿論、この生存者たちがめちゃくちゃタフで素晴らしい、という前提なのですが。
肉食べられるの怖くなっちゃう‥‥ -
「アンデスの奇蹟」に続いて。
かの本が数十年を経て純化・昇華された体験の結晶なら、本書は事故の記憶もなまなましい時代にふさわしい、第一級のドキュメンタリーである。どちらも当事者の全面的な協力を得たいわば「公式本」だが、期せずして互いに補完し合う、すばらしい記録となっている。一方をすでにお読みになった方には、ぜひ他方をお勧めしたい。
あけすけな悪罵の応酬や十数人の「社会」における微妙なパワーバランス、極限状態では必ず起こる物資を巡る揉め事(その対象はなんと、煙草。星新一が紹介していた孤島もの一コママンガ「煙草だけが豊富だなんて残酷な話だな」を思い出した)、最後には脳みそまでをすすり取った人肉食の実態、それによって引き起こされた便秘と下痢の苦しみに、緩下剤として人間の脂身が使われたことまでを赤裸々に描き出しつつ、著者の筆はいささかも下品なスキャンダリズムに堕することはない。さりとて「公式本」として、当事者たちにひたすら阿る愚も犯さない。書くべきことは余すところなく書き、そうでないことは書かない。その姿勢はシンプルにして賢明そのものだ。
本書の著者は、当事者自身が開催した公募によって選ばれたという。かくて彼らの最後の名誉は守られ、後世の私たちは貴重にして不朽の記録を得た。また、「加害者家族」や「英国式事件報道」などの読書体験と合わせ、メディアリテラシーについても考えさせられた。
大勢の候補の中から著者に決まった理由の一つが「生存者に年齢が近いこと」だったというが、選ぶ側・選ばれた側双方の卓抜さを端的に示すエピソードだと言えるだろう。
2011/2/15読了 -
生き残るために下した過酷な決断。何度読んでも感動する。
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むさぼるように読んだ。凄すぎる。映画もなかなか面白いアル。
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011
10年ぶり位に読んだ。名作です。 -
雪のアンデス山中に飛行機が墜落して・・・という実際にあった事故を基にしたノンフィクション。生きるために生き残った乗客は究極の選択を行う・・・。中3の僕に衝撃を与えた作品。