- Amazon.co.jp ・本 (392ページ)
- / ISBN・EAN: 9784102191118
感想・レビュー・書評
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①文体★★★★★
②読後余韻★★★★★詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
舞台は第二次大戦下のイタリアの僧院。北アフリカの砂漠に不時着したパイロットが収容され、手当を受けている。「イギリス人の患者」としか身元を明かさない彼は、全身に火傷を負い、容貌も不明、記憶も喪失している。だが、瀕死の患者が若い看護婦に語り紡ぐ言葉は、この上なく深くミステリアスな愛の世界だ。美しい文章と濃密なストーリーで大きな話題を呼んだブッカー賞受賞作。
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Freeze and thaw, a poker-faced lover breaks me completely.
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4.02/219
内容(「BOOK」データベースより)
『舞台は第二次大戦下のイタリアの僧院。北アフリカの砂漠に不時着したパイロットが収容され、手当を受けている。「イギリス人の患者」としか身元を明かさない彼は、全身に火傷を負い、容貌も不明、記憶も喪失している。だが、瀕死の患者が若い看護婦に語り紡ぐ言葉は、この上なく深くミステリアスな愛の世界だ。美しい文章と濃密なストーリーで大きな話題を呼んだブッカー賞受賞作。』
原書名:『The English Patient』
著者:マイケル・オンダーチェ (Michael Ondaatje)
訳者:土屋 政雄
出版社 : 新潮社
文庫 : 392ページ
受賞:ブッカー賞(1992年)
メモ:
死ぬまでに読むべき小説1000冊(The Guardian)「Guardian's 1000 novels everyone must read」 -
映画『イングリッシュ・ペイシェント』では省かれた様々なシーンが絡み合い、深く重い作品。
原書も難解だったが、邦訳もなかなか。 -
ドイツ敗北から日本敗北までの間、イタリアの古城の様な小さな廃修道院を舞台に、それぞれのやるせない事情を抱えた4人の登場人物が織りなす物語。植民地カイロにおける欧米白人社会のあり様とその中で展開するロマンス。欧米白人社会のなかで自己形成をしながら、彼らが戦争中に撒き散らした地雷や爆弾を処理し続けるシーク教徒の若者。そして、戦争の中で父と子を失った若い白人女性。映画はまだ見ていないが、脚本化はさぞかし簡単だったのではなかろうか。原作にして既にカット割りが完成しているような印象。「よくできた」小説である。
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とても難解な文章で、読みづらい。詩的な表現らしいが、私には向かなかった。
時代背景が過去の戦争の話だと、なかなか想像が難しいというのもある。(多くの海外文学にあるように)
ブッカー賞受賞作は4作品読んだけど、どれも愉快な面白さはない。芥川賞などの日本の小説がいかに読みやすいか。 -
文章が美しく、想像しながら読むことであらためて読書の楽しさを実感することができました。
高校生の時に初めて読みましたが、授業中にこっそり読んでいて気付いたら終了のチャイムも聞こえないくらい物語に引き込まれてしまったのが懐かしいです。 -
素晴らしい本。美しい言葉で形作られ、練り上げられた重厚なストーリー。時間をかけて少しづつ頁を進めたが、物語はずっとそこにあった。
町と屋敷を遮る谷間へロープを掛け、闇夜の雨の中へと消えていったカラバッジョの姿が忘れられない。
「言葉だ、カラバッジョ。言葉には力がある。」