スタンド・バイ・ミー―恐怖の四季 秋冬編 (新潮文庫)

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制作 : Stephen King  山田 順子 
  • 新潮社 (1987年3月25日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (434ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102193051

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スタンド・バイ・ミー―恐怖の四季 秋冬編 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 初めてのスティーブン・キングさん。
    ずっと避けていた理由は、ただ一つで、「怖いのは嫌いだから」。
    どの小説も、怖そうなんですもん。
    ところが去年、「11/22/63」という小説は、ホラーじゃなさそうだし、読んでみたいなあ、と思いまして。
    (ただ、これは、ハードカバーな上に2段組みである、という理由で忌避しました。2段組み、なんとなく好きじゃないんですよね)
    続いて、たまたま、読書家な知人とおしゃべりをした際に、その人から「スティーブン・キング愛」を語られたこともあって。
    「ぼちぼち、読んでみるか」と。
    でも、ホラーはやっぱり怖いので…。いろいろ考えて、「これなら怖くあるまい」と思われたこの本から、読んでみました。

    面白かったです。映画化されたものを何度も見ているので、そのイメージで読んでしまった、ということがありますが。
    それを差し引いても、「あ、この人、多分、何を書いてもそこそこ面白いんだな」という文章力。
    それから、なんとなく、1冊だけでも、この人の「ホラー」と呼ばれる原風景が想像される気もしました。

    1982年にアメリカで発表された小説です。スティーブン・キングさん、1947年生まれ。
    1974年に「キャリー」でデビュー当時、27歳だったわけですね。
    デビューから、とにかく「ホラー小説家・娯楽小説家」として位置づけられていました。
    そのあたりの、「レッテルの貼られ方」は、この本の中にも何度か言及されています。

    この本は、そんなキングさんが、「これはホラーじゃない。普通の小説として読んでほしい」と思った小説なんです。
    原著作は、直訳すると「それぞれの季節」というタイトルの本だったそうです。春夏秋冬、四編の中編・短編が含まれていました。

    ところが、これが日本語訳になると、「恐怖の四季」とされてしまいました(笑)。可哀そうに、ですね…。

    さて、原著は春夏秋冬の四編が1冊に入っていたそうですが、日本語訳では、「秋冬編」「春夏編」に分けて本になりました。
    この本は、「秋冬編」。秋編の小説は直訳すれば「ある死体」というタイトルなんです。
    1960年代前半。キャッスルロック、という田舎街。13歳前後くらいの、四人組の少年たち。
    その少年たちが、「ある死体」が放置されている、と聞いて、晩夏の冒険に湖のほとりまで、長く多感な徒歩旅行に出かける、という友情と感動の物語です。

    そして、この中編小説が映画になりました。1986年アメリカ公開。
    (キングさんの小説はほとんど映画になるんです。「それぞれの四季」も、冬編以外全部映画になっています)

    この、「ある死体」の映画化は、1961年の全米ヒット曲をテーマソングにして、題名もその曲から「スタンド・バイ・ミー」に改題されました。
    このロブ・ライナー監督の映画が、大ヒット。内容も実に素敵で、公開からおよそ30年、今でも定番の名作になっています。
    日本語翻訳版は、この映画の日本公開年(1987)に出版されました。そこで、本のタイトルも映画に沿って、改題されています。

    (ちなみに、スティーブン・キングさんが、映画「スタンド・バイ・ミー」を観て、「僕の小説をこんなに美しい映画にしてくれてありがとう」と泣いた、という逸話があるそうですね)


    面白かったです。語り口が滑らかで、いちいち気が利いています。
    そういう意味では、村上春樹さんの文章に似ていると思います。
    これ、実は大変な美徳なんですけどね。でも深くは言及しません。

    この本、「スタンド・バイ・ミー」と「マンハッタンの奇譚クラブ」の2編ですが、8割が「スタンド・バイ・ミー」。「マンハッタンの奇譚クラブ」は掌編です。
    「スタンド・バイ・ミー」については、映画版がとても... 続きを読む

  • ベン・E・キングの歌と同映画のタイトルとして耳にしたことがあったことをきっかけに本屋で目についた。まず「秋」編である「スタンドバイミー」について、物語には少年が四人というのはなんとなく知っていたがもっと青春物語的な作品だと思っていたので、死体探しがテーマでそれぞれ少年らも家庭に様々な不幸な事情があることが意外だった。内容的には死体を探しに行って帰ってくるだけだが、途中途中には明確にそれぞれが成長しているような場面があったし、中でも少年ながらに自分の立ち位置や個々人の才能、家庭環境などを考えてクリスとゴーディが話とするシーンはなんだか胸を打たれた。また、「冬」編である「マンハッタンの奇譚クラブ」はもちろんマッキャロン医師の話は相当ショッキングなものだったが、この話自体の終わり方も何か非現実味を感じさせるような不思議な終わり方で面白かった。どちらの話も原作を訳した内容であるから原作との表現に差はあると思うけど本書の表現も自分的には好きで、ところどころ訳した感が感じられるのも良かった。できれば原作を英語で読んで原作での表現の仕方も直に感じてみたい。

  •  収録作品は2編。森の奥にあるという子どもの死体を
    探しに行った4人の少年たちの冒険を描いた表題作『ス
    タンド・バイ・ミー』と、
    ニューヨークのとあるクラブのメンバーである産婦人
    科医が語りだしたとある患者との物語が描かれる『マ
    ンハッタンの奇譚クラブ』。

     名前だけ聞いたことのあった『スタンド・バイ・ミー』
    ですが子どもたちの友情やしょうもない話で盛り上がる
    様子など、懐かしさを覚えさせる場面もありながら、
    語りが回想形式なので、どこか郷愁の念や寂しさの念
    が感じさせられるあたりがいいなあ、と思います。

     自分自身も小学生時代どころか中高生時代の友人とも
    会う機会がなくなってきたので、余計に感じ入るものが
    あります。時間が経つごとにそうした時代に仲の良かった
    友達って幻だったのかなあ、と思ってしまうことがあり
    ます。

     作中の語り手ももう二度と起こりえない過去の冒険を
    そんな風に達観して眺めているのかなあ、という印象を
    受けました。

     この話の語り手は大人になってから作家になっている
    のですが、そのため子ども時代から物語を書いたり
    考えたりしています。そしてその物語を友人に話すシーン
    があるのですが、自分の物語を誰にも知られたくない、
    と思う一方で、誰かに聞いてもらいたい、とも思う
    そうした相反した心理がとてもリアルに書かれていました。

     キング自身の半自伝的な意味合いでの描写という点も
    あると思うのですが、こうして本や映画の感想を書いて
    いる自分も時折知り合いに、自分のブクログのレビューを
    見てもらいたくなるような時があったりして、でも一方で
    そのように自分の考えを読まれるのが恥ずかしいな、と
    思うこともあって、分かるなあ、となりました。
    (スティーヴン・キングと比べるのもかなりおこがましい
    話ですが)。

     あとどうでもいい話ですが、作中の小説があまりにも
    汚くて思わず笑ってしまいました(笑)。

     『マンハッタンの奇譚クラブ』は非常に不思議な
    雰囲気の作品です。

     話のほとんどを占める産婦人科医師話は、その患者
    との不思議な関係性が感じられ面白いのですが、
    このクラブのバーを仕切るスティーヴンズなどクラブ
    自体がどこか幻想的で現実離れしていて、どこかクセ
    になる雰囲気の作品でした。

  • スティーヴン・キングのスタンド・バイ・ミーを読みました。
    スタンド・バイ・ミーの映画は気に入って見ていたのですが、原作は読んでいませんでした。 今回、古本屋で原作を見つけたので買って読んでみました。 映画で見るのと小説を読むのでは結構イメージが違いました。 小説のほうが明確に作者の考えが伝わってきます。 表現方法の違いだとは思いますが面白く感じました。
    収録されているもうひとつの短編「マンハッタンの奇譚クラブ」も不思議な雰囲気のある小説で楽しめました。

  •  ブックオフで百五円で購入しました。
     ホラーの巨匠と名高い、スティーヴン・キングの、青春もの。いやちょっとホラーじみた部分はありますけれども。
     前書きの、レッテルが貼られてしまうという能書きがおもしろかったです。
     映画と少し違う部分もあり、苦々しい思い出と最後のやるせなさはもう。だって、あんだけ青春しといてこんな最後ありかよ現実味あるけどぉ。

  • スティーブン・キングらしからぬホラーではない短編小説。
    アメリカでは「恐怖の四季」として四篇の短編小説集として出版されているが、日本では二分冊として出版されている。
    30年ほど前にもう一方の「ゴールデンボーイ」を読んだ時は、ホラーではないと言いながらも、ナチスの生き残りに洗脳されていく少年の物語を怖がりながら読んだ後、一緒に収録されている「刑務所のリタ・ヘイワース」(実はショーシャンクの空にの原作)に心を洗われたようになり、気分がよかったっものだ。
    スタンド・バイ・ミーの映画がとても評判が良かったので、読もう読もうと思いながら映画も見逃していてここまで来ていたが、ようやく宿題を終えたような気分である。

    キングの想い出に基づいて書かれたという表題作はノスタルジーを感じさせながら、少年時代のちょっとした驚き、怖さや思いを蘇らせてくれて感心したが、ずっと思い焦がれていたわりには少々拍子抜けしてしまったところもある。
    もう少し若い時に読むべきだったか。
    反面、もう一方の「マンハッタンの奇譚クラブ」の方が、ホラーではないがキング色が出ておりひんやりしながら読めて面白かった。
    不思議な感じを漂わせるクラブに通うようになった弁護士である主人公が、クラブの集まりで聞かされる話を思い起こす。
    未婚の妊婦と医者の話が向かっていった先は、、、

    久しぶりにキングのホラーを読んでみたくなった。

  • 「スタンドバイミー」って言葉だけでなんだかキュンとなる
    割には映画も2回‥もしかしたら1回しか見たことないという

    おもしろかった映画も
    おもしろかった本も
    基本的に1回しかみてないの多いなぁ
    おもしろい!!って言って何度も何度も見たりあんまりしない


    超有名なのにスティーヴン・キングを読んだことがなくて(映画はぼちぼち見てる)
    おすすめしてもらったり
    伯母さんがすごい推してたり
    で読んでみた

    泣けるのは
    いわゆる思い出補正なのかもしれない‥けど
    めっちゃ泣けた

    クリスもゴーディもテディも
    なんだか泣けてしまう(バーンもかわいくて好きだけど泣けない。笑)のも
    映画の子どもたちのぼんやり記憶があるから余計にそうなのかも‥

    でもでも
    やっぱり小説は心理描写がていねいでいいなー!
    なんか切なくって
    泣けました。

    そのまま仲良しでいてほしかったけどそうはいかないのが
    リアルに無常というか仕方ないのか‥うう‥

    ああでもいい話だな〜
    おもしろかったな〜

    といいつつ
    キングってやっぱりホラーとかが多いんだろうから
    こういう作品は異色なんだろうな‥

    ヒルのくだりは超こわかったけど(笑)
    笑ったらいけないけどちょっとおかしかった

    パイの話もおもしろかった!

    もういっこの話は
    黒後家蜘蛛みたいな
    うーん王道(なんの?)っぽいようなSF?ホラーみたいな

  • ★4はどうなのか。

    密かに初スティーブン・キング。
    映画は何本も観ているけど。

    やっぱりホラーのイメージが強かったので(しかも好みのホラーではない)
    今まで手を出さなかったのだけど、
    友人に勧められて、とりあえず”普通の”小説として選択。

    で、まあこれは翻訳なのでわからないけど、
    単純にうまいなーと思う。
    作家としての才能を感じる。
    『スタンド・バイ・ミー』は映画も良かったけど(懐かしきリバー・フェニックス、そしてコリー・フェルドマン)、
    小説もクオリティ高し。
    ただ、映画ではカットされた事後エピソードがちょっと長いか。

    『マンハッタンの奇譚クラブ』は、
    面白いんだけど、
    正直何故クラブ形式にしなくてはいけなかったのかがわからず、
    ちょっと戸惑った。

    両ストーリーの、ほんの僅かだけど感じる”?”が、
    他の作品でどこまで気になるのかが今後の選択に影響を及ぼすかなあ。

    とりあえず、『恐怖の四季』の、残る春夏編を読みたいと思う。

  • 34歳の作家であるゴードンが語り手となり、12歳の頃の死体探しの思い出をつづっていく。

    もう戻れない少年時代。
    私は少年でもなかったし死体探しもしていないけれど、ゴーディ達が歩いた線路の道を知っている。たぶん、皆知っている。

    クリスとゴーディが死体探しを終えてそれぞれの家に帰る場面が好きだ。
    クリスの家では不良の兄が待っていて、帰れば必ずボコボコにされることがわかっている。けれど、クリスは笑っていた。
    ゴーディは何も言えない。
    口に出した言葉が何かを壊してしまうことを恐れたのだろう。

    「なににもまして重要だというものごとは、なににもまして口に出して言いにくいものだ」
    という冒頭の一文の意味が、なんとなく分かった気がした。

  •  映画が公開された時小学校高学年だった私だが、大人になって思い立って原作を手にとってみた。

     この話のテーマは格差だと思う。お金のあるなしだとか頭のよしあしだとか(確かにそれもあるだろうが)というよりは意識の格差と言った方がいい。
     小説と映画ではほぼ同じストーリーながら印象がかなり違う。ちなみに原作のタイトルはTHE BODY(死体)だ。 映画最後の台詞『あの十二歳のときのような友達は出来ない』 は確かに小説でも中ごろに出てくるが、その意味は純粋な意味というより自分と違った世界の友達はそれ以後できなかったという意味合いの方が強いように思える。
     小説の最後はこうだ。テディ(眼鏡)とバーン(太っちょ)はこの旅をきっかけにゴードン(主人公)とクリスから離れていく。彼らは次第に不良へなっていき、若くして事故で亡くなってしまう(クリスが亡くなるのは小説も一緒だが、二人はそれより前に亡くなってしまう)。
     小説の最後に出てくるのは車で遺体の所へ行った不良のリーダー・エースだ。小説家になった主人公は故郷でエースを見かける。不良だがハンサムだった彼は、太ってその面影を全くなくし工場で働いていた。小説の最後の一文はこうだ。『川はまだ流れている。そして私も、そうだ。』

     誤解を恐れずに言えば、大人へと変わる過程で落ちていってしまう人がいる。成長をあきらめてしまう人が少なからずいる。 四人の小旅行は、少年の日の美しい思い出などではなくて、運命をくっきりと分けた残酷なターニングポイントだったのではないかと思う。
     大人になった今ならゴードンやクリスの悲哀と苦悩、そして大人になることの残酷さが痛いほどわかる。

     数年前に6才くらい下の人達とお酒を飲んだことがあったが、その中で主題歌「スタンドバイミー」をソラで歌えるのは自分だけだった。私の世代にはやはり特別な歌なのだと思う。
     そばにいられないからこそ人はそばにいてほしいと言うのかもしれない。 

  • 「スタンドバイミー」「マンハッタンの奇譚クラブ」
    二作の中編小説です。

    スタンドバイミーは青春小説の代名詞。映画も有名。
    友情とか、悪ぶったりとか、進路とか、そんなことに悩みながら四人の少年が小さな旅に出る。夜中のたき火、悩みを語ったり、ちょっと危ない目にあったり。そんな旅の目的は噂に聞いた「列車にひかれた死体があるらしいから見に行こう」というもの。

    キングらしいしっとりしたホラー成分と、青春っていいなぁって思える描写力がいいですよ。男子、特に男子は読むべし。

    二作目はもうちょっと奇妙。
    奇妙な話を寄せ集まって語られる不思議なクラブ。
    今日の話は、産婦人科医が語るある冬の出来事。怖いというより「奇妙な」その出来事に引き込まれること必至。

    実は二作目の方が好き。

  • 表題作は映画通りに話が進むが、映画にはなかった処女作(死ぬほど退屈)の挿話があった。また、原作の後日談も映画ではカットされていた。映画のクリスは弁護士になっていたが、原作では学生の時に死亡する。監督はせめて弁護士になったクリスを見たかったのだと思う。なお、「マンハッタン奇譚クラブ」は何度読もうとしても眠くなり挫折する。映画になったら、また読もうと思う。

  • キングの『ホラーではない普通の』物語。
    中篇の『スタンド・バイ・ミー』と短篇の『マンハッタンの奇譚クラブ』が収録されています。
    楳図かずお先生の『わたしは真悟』と同時進行で読んでいたせいもあってか、子供という生き物の繊細さ、強さ、思慮深さをひしひしと感じました。
    大人になってから、この心持ちを描けるのは本当に凄い。
    少年時代を象徴する何気ない背景・シチュエーションのきらめきも見事です。

    対して、お互いに繋がりのない紳士たちが集まって物語を披露し合うだけなのにぐぐっと引き込ませる短篇もさすが。

    大満足の1冊でした。

  • 当然私は1960年代のアメリカにいたことはないわけですが、当時を回顧するノスタルジックな感じ、青年になる前の少年たちの青々しさ、非論理的な勇気と友情、良い。女の子に興味を持つ前の少年にしか話題にできない、学校の先生の話、他校の生徒の話、自分の手柄話をしながら焚き火を囲んで寝るところが好き。
    クリスかっこいいな!

    死体を見たかどうか、橋を渡ったかどうかは忘れていたくせに、ブルーベリーパイの話を覚えてて、再読だったことが判明
    奇譚クラブの話も覚えてた。

  • 線路を歩くシーンが有名だけど、この作品の良さそこじゃないよね?!と実際読んで見て。褒め言葉として、思っていたほど爽やかじゃなかった。
    英語で読んだらスラングすごく勉強になりそう。
    キングはこわくてホラー読めないけど、映画以上の生々しい描写はなんでかたまに読みたくなる。

  • ◆成長した今だからこそ読みたい名作◆
    夏の終わりのころに、4人の少年が森で行方不明になった少年の死体を捜しに行くというお話し。12歳という思春期に入る少年たちの子どもだけど大人を主張する年齢、4人のキャラクターなど自分のあのころを思い出させるお話し。ちょっと怖くて、楽しくて。
    映画は背景がとてもきれいです。ハラハラドキドキで、何より挿入歌になった「スタンド・バイ・ミー」(ベン・E・キング)がとても良いです。

  • 森の中には少年の死体が眠っているんだ

     季節にまつわる中編をまとめた「恐怖の四季」シリーズの秋篇。

     少年の秋の目覚め……、ってどういう意味かというと、青春真っただ中ではなくて何かが終わろうとしている物語なのです。当時の仲間の一人の回想という形式をとっているのも、枯れた気配を出すのに一役かっている。

    「森の奥に少年の死体がある」そう聞きつけた四人の少年たちは、発見すれば一躍町のヒーローになれると考え、噂の森に出発する。

     これが二重の意味を持つ旅になった。文字通りの死体探しの旅と平行して、彼らの心の旅も進む。一つ一つの場面に彼らの内側が反映されながら描かれる、二日間の冒険。少年たちは、普段人に見せていなかった面、それぞれの背に負って生きているものを、少しずつさらけ出していく……。

     家族。生活。つまらない縄張り争い。プライド。ヒステリックな恐怖。不思議な覚悟の固めかた。重かった。無邪気な子供の遊びではない。いや、そんな遊びかたなんて、そもそもあったかどうか。

     実は何歳かなんてどうでもいいことで、いくつだろうとどこで誰と暮らそうと、人はその場所でもがきながら生きてるし、生きてるっていうことは死んでくということでもあるのだろう。

     季節はかわっていく。彼らも年をとる……。そうだ、大人と子どもで違うことと言えば、友人同士の独特の親密さが次第に薄れていき、結局は自分一人になることかも。それと、特別な出来事と思っていたことさえ、通り過ぎてしまうということ。

     面白かった……。S・キングの小説で人生を考えさせられたのは初めて。言葉巧みすぎて、有無を言わせないような強引さがある作者だけど、『スタンド・バイ・ミー』はすこし抑え気味だったかも。言葉のわずらわしさを感じず、余韻に浸れた。こういう小説もっと書かれたらいいのにと思うけど、難しいのかな……。

     キングがモダンホラーの巨匠という肩書きを受け入れすぎずに、「文学」への未練を失わないでいてくれたらなぁ。

  • 子供の頃の夏休みの冒険。何とも言えないノスタルジーを感じて、くすぐったくなりますね。クリスとゴーディの会話がすごく印象的。こういう友達って大事。

  • 真実を知るということは、自分自身を、あるいは他人を切り刻むがゆえに、つねに血にまみれたショウがつきまとうのだ。

  • 「死体」は言うまでもなく映画「Stand By Me」の原作だが
    どこから切ってもパーフェクトな短編。
    名作中の名作の一つ。

  • ぼんつっぼん、ぼぼぼんっぼん

  • ぞっとするけど、すごく面白かったです。

    「スタンド・バイ・ミー」は、様々な事情から近所で鼻つまみ者とされている少年たちが、何かに突き動かされるように、同年代の少年の礫死体を探しに行く話。

    「マンハッタンの奇譚クラブ」は、マンハッタンのどこかにある、でもきっとそうではない場所にある、不思議なクラブとそこで語られる物語の話。

    スタンド・バイ・ミーは、目を背けたくなるグロテスクな場面も、クスッと笑ってしまう場面も、ずっと共通して流れている、冷たいような苦いような、どこか苦しい鋭い空気を感じました。
    昔を懐かしむ時に感じる感覚。

    マンハッタンの奇譚クラブは、この不思議な幻想怪奇の雰囲気がとても好き。
    中心となっている物語は悲しくグロテスクなのですが、どこかはっとさせられるような美しさを感じました。
    そして、このクラブの不思議さと、恐ろしさと、その美しさ。

    久しぶりに大満足の作品を読みました。

  • 小学校4年生の夏休み、小説の冒頭を読み始めた途端に、僕はそれまでにない衝撃を受けた。なぜなら、自分が普段から上手く言葉にできずに、ずっともどかしくしていた心の中の「モヤモヤ」が、他人によって言い当てられる初めての経験だったからだ。

    同じような経験をされた方なら誰でもお分かりだと思うが、僕にとってそれは鮮烈な驚きであり、少しばかり恐くもあり、それでいて「分かってくれる人がいたのだ」という安堵であり喜びでもあった。

    しかも、そこでキングが書いていたことは「大事なことは言葉にするや否や損なわれる」という言葉だったのだからなおさらである。つまり「言葉が盗み取ってしまうもの」の正体を、まさに当の言葉によって与えられてしまったのだ。

    では、いったいなぜ人は、胸に秘められた大事なものを何とか言葉にして他人に伝えようとしてしまうのか?たとえば、この小説で語られる青春時代の友人との(他人には取るに足りなくても、当人にとっては貴重な)思い出のように。

    ほんとうのことが失われ、完全には伝わらない、にもかかわらず、いやだからこそ人は言葉にせずにはいられないのかもしれない、と僕が考えるようになったのはそれから随分経ってからのことである。

  • スタンドバイミーが、Sキング作だと初めて知った。
    見える世界が全てに感じ、キラキラしたり、恐ろしく見えたりするのは、こどもから大人になる一時しか感じられない感覚なのだろうな。思い出が美化されている可能性もあるけど。

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