デッド・ゾーン 上巻 (新潮文庫 キ 3-6)

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  • Amazon.co.jp ・本 (380ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102193068

作品紹介・あらすじ

ジョン・スミスは人気者の高校教師だった。恋人のセーラとカーニバルの見物に出かけたジョンは、屋台の賭で500ドルも儲けた。なぜか,彼には当りの目が見えたのだ。愛を確認し合ったその夜、ジョンは交通事故に遭い、4年半の昏睡状態に陥った。誰も彼が意識をとり戻すとは思わなかったが、彼は奇跡の回復を遂げた。そして予知能力も身につけた。そして-、彼の悲劇が始まった。

感想・レビュー・書評

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  •  自動車事故による脳損傷によって過去の透視能力、未来の予知能力を獲得したジョニー・スミス、その短くも数奇な生涯。といってしまうとプロットはありきたりで、超能力をどういう物語に展開していくかに作者の力量が問われるというものだ。もっともっとドラマチックな展開も考えられるだろうに、キングはとても人間臭くその弱さも強さもさらけ出してもがくジョニーを造型した。本作の最大の魅力は、ジョニーがいいやつだということ、これに尽きる。人生を賭けた最後の絶対うまくいきっこない作戦に、ひねりを効かせて見事に着地させた手腕はさすが。そしてラストシーンのため息のでるような美しさ。

  • この本がホラーではないということなので安心して読み始めました^^
    まだ上巻なので、これからどんな展開なのかドキドキしながら下巻を読みます。
    ジョニーが手にした能力は人によっては羨ましく、また人によっては怖れを抱くモノでしょう。知らない方が幸せなことは沢山あると思います。下巻で彼を待ち受けるものがつらいことなのだろうなぁと心配になります…。

  • 映画見てしまっていてなるべく思い出すまい思い出すまいとはするのだがどうしても浮かんできてしまうこれはしょうがないか

  • 2021.09.19 読了。

    途中でビジネス本がマイブームになり、途中まで読んでメモっていたものの続きから読んだ。
    評価は下巻読了後に。

    ジョン・スミスの超能力がこれからどうなるのか。
    恐らくこのサイコメトリングとグレグが繋がって何かを解決するのだろうが、どう繋がっていくのか。
    セーラとは復縁できそうな気がするがキングは復縁させない気もするんだよなー。

    吉野美恵子さんの訳が非常に読みやすい。

  • 1979年のキングの初期の作品であるが、根底にあるものは完成されている。ザ・スタンドのような壮大な物語はそこにはないが、ここではひとりの青年の心のうちにある深い世界が描かれている。1ページ目からどことなく漂う物悲しさがラストまで少しずつ降り積もってていく流れは、ジョニーの朗らかな性格と対比されて、読んでいて胸が詰まるものがある。哀しい物語と読むことはできるが、キングを良く理解している読者であれば、根底にある思いは救いの物語であることは容易に気づくだろう。

  • 映画も良かったね。

  • 一瞬にして遅すぎた


     この小説で深い眠りから目覚めた人物は、交通事故で意識の針が飛び、気づいた時にはもう四年半もの歳月が流れていた……という男性。

     周囲にとっての四年半はあまりに長く、傷つき、疲れ、気がヘンになってしまった人もいたのだけど、当人にとってはほんの一瞬★ 寝ている間に、職も恋も失われ、両親はすっかり年老いていたのでした。
     その上、意識を取り戻してみたら**能力なんて備わっていて(これを言い出すとネタバレすぎるので、一応伏せましょうか★)、未来までつらぬき通す彼の視線は、周りから見れば得体の知れないモノだったのです――

     スティーヴン・キングの初期代表作☆ これを読むころには、著者の印象はおおよそ固まりつつありました。文庫化すると上下巻にまたがる長編を、息切れも見せずエネルギッシュに書き切って、なお余力すら感じさせる作家です。
     その初期物のなかでも、『デッド・ゾーン』はとりわけ「文章の体力」を試している作品だったような気がします。

     便宜上ホラーとカテゴライズされていますが、いわゆる怖い話ではないですね。描かれているのは、ついに己を使い果たして、再び眠りに帰っていく者の疲労感です。お疲れさま感が強い★

     飛び去っていた月日。彼女とともに過ごしていれば得られるはずだった愛は遠く、死の淵から持ち帰った能力は自身に何ももたらさず、煙たがられさえした。けれども彼はその力で、自らを孤独に追いこんだ世間というものを救おうとしたのです。
     こんな悲しいことってあるだろうか。失いっぱなしだったんだよ。
     誰か教えてほしい。名作に至る正義はなぜ、いつもどこか悲しいのでしょうか……?

     失礼な言いかたでないことを願いますが、スティーヴン・キングの書きぶりはじつに巧み。主人公が逃れられない運命のルーレットに巻きこまれていく様を、スローモーションで覗きこんでいるかのような眩暈をおぼえました★

  • 小説

  • 「知りたくないのに触れた人の思念が伝わってきちゃう」そんな主人公のお話。
    内面的な苦労がメインかと思ったら、主人公が世界を揺るがす事件に結び付く思念をキャッチしてしまい悩んで悩んで・・・

    主人公と一緒に悩んでしまい下巻まで一気読み。

  • はるばるアメリカまで旅行してきた本です。キングなら外れは無かろうと持って行ったのですが、乗り切れぬまま持ち帰り、更に日本でも結構苦労しながらの読了です。
    キャリー、ファイヤースターターの流れの作品ということで、凄く期待していました。確かに、その雰囲気もありますし、ストーリーや主人公の造形なども良い感じです。
    載れなかった理由の一つにはやや冗長という事があります。もう一つは"古さ"でしょう。
    1970年代を舞台にし、リアルタイムの時代の雰囲気を最大限に取り込んだ作品。それゆえに劣化も激しい気がします。
    もう一つ、訳文の関係もあるかもしれません。
    最後が良かっただけにちょっと残念です。

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著者プロフィール

1947年メイン州生まれ。高校教師、ボイラーマンといった仕事のかたわら、執筆を続ける。74年に「キャリー」でデビューし、好評を博した。その後、『呪われた町』『デッド・ゾーン』など、次々とベストセラーを叩き出し、「モダン・ホラーの帝王」と呼ばれる。代表作に『シャイニング』『IT』『グリーン・マイル』など。「ダーク・タワー」シリーズは、これまでのキング作品の登場人物が縦断して出てきたりと、著者の集大成といえる大作である。全米図書賞特別功労賞、O・ヘンリ賞、世界幻想文学大賞、ブラム・ストーカー賞など受賞多数。

「2017年 『ダークタワー VII 暗黒の塔 下 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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