デッド・ゾーン 下巻 (新潮文庫 キ 3-7)

  • 新潮社
3.78
  • (52)
  • (46)
  • (82)
  • (5)
  • (0)
本棚登録 : 496
感想 : 30
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (378ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102193075

作品紹介・あらすじ

まがいものの"神"になってしまったジョンの苦悩は続いた。人は誰でも将来を教えてもらいたがるが、それは決してその人に幸せをもたらさない。その上,彼にはすべてが見通せるわけではなかった。頭の一部に黒い塊=デッド・ゾーンがあって、そこにある情報は出てこないのだ。それでも彼には予知できた-有力な大統領候補者のスティルソンが、国をどこに率いていくつもりなのかを。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 超能力とか霊感とか自分にあったらなぁと思ったことは、誰しも一度ならずあると思います。 もし、そんな人に会ったら、触れられたら…、やっぱり怖さを感じるかもしれません。
    主人公のジョニーが感じたことは本当なのかもしれないし、ある事実の側面かもしれません。彼がある政治家に感じた“悪い予感”。彼はその政治家を抹殺しようとしますが、そういう方法でしか立ち向かえなかったのかなぁと残念に思いました。ジョニーの事故後の人生って何だったのだろうなぁと読後考えてしまいました。

  • 今読み直すと何十年経ってもアメリカってこんな感じだよな。トランプとかキューアノンとか1.6とか考えるとスティーブンキングの予言がどんどん現実に向かっている。

    SF やファンタジーの世界ではなくなっている。恐ろしいこっちゃ。

  • 2021.09.23 読了。

    ついに完結。
    下巻の方が引き込まれて読むのが速かった。

    ジョン・スミスVSグレグ・スティルソンがどこで交わるのか、と期待していたが、そのへんは案外あっさりというか、倒す動機付けとしてはジョンの超能力ありきで、もうちょっとジョンやその周辺への実害とかが見えていた方が燃えたかも。

    ただ、最後は確かに成敗できたんだけれど、もっと良い方向にいってほしかった。
    どちらにせよ助からなかったんならまぁ良かったのかな。

    第2章の最後の方に「ダニー」という子どもが出てきて、セーラの息子?とか思っていたら全然関係ないっていうのは肩透かしを食らった。

    個人的にはキング作品の中でこの『デッドゾーン』は有名作じゃないという認識なんだけど、普通に面白いエンタメ作品だった。
    映像化はされているけどヒットしていないのかしら?
    有名じゃないよね?
    いつか映画版も観てみたい。

  • 昏睡状態から目覚めてからのリハビリがたいへん。身についちゃった特殊能力で大統領の暗殺を決意し。。面白かった。

  • 小説

  • キング1979年発表の初期作品。ホラーのテイストは薄く、特殊能力を持つが故に苦悩する孤独な男の半生をヒューマンタッチで描く。主要な登場人物の日常を細かく積み上げていく手法は相変わらずだが、本作ではややテンポを損ねているきらいもある。主人公が〝異能者〟となり人生が変わりゆくさまを丹念に追っていく長い長い第1部は、終盤の劇的な展開へと導くためには必要な分量だったのかもしれないが、構成の密度は弱まっていると感じた。

    手を触れることで、相手が秘匿することを知り、未来を予知する。決して売名/野心を目的とせず、殺人事件を解決し、他人の生命に関わる事故を未然に防いだとしても、常人を超えた力に人々は畏怖し、敬遠していく。空想的なヒーローは漫画や映画の世界でこそ親しまれる。現実社会で隣に居座る〝超人〟はどこまでも不気味な化け物でしかない。そのペシミズムが全編に横溢し、報われることのない主人公を追い詰めていく。ラストに於いて、誰のためでもなく自分の信念で事を成し遂げた男の最期が哀しいカタルシスに満ちているのは、死こそが呪縛から解放されるための鍵であったことを無情にも示すからだ。

    主人公のジョン・スミス(ミドルネームなし)という名には、「誰もがスミスに成り得る」という含みを持たせているのだろう。中盤までの暗鬱なエピソードの数々は、読者一人一人が己自身に置き換えて、自分であればどう乗り越えるかを迫る。もし、眼前の男に世界を滅ぼしかねない狂気を「視た」時に、人々を救うための行動を起こすか否か。スミスは自らの余命を知り得たが故に、己が「正義」と信じる結論を導き出すが、果たして「キミならどうする」とキングは問い掛ける。
    結末において、損傷した脳が異常な力を発揮した要因を強引ながらも〝科学的〟に解明してみせるのだが、キングは本作で〝非科学的〟〝神的〟なものを極力排除しようとした跡がある。その象徴/対照となるのは、本作唯一のホラーパートともいえる邪教に溺れ精神が崩壊していくスミスの母親にまつわる挿話である。
    人間を「超えてしまう」ことの怖さ、その能力を持つ者への偏見などのテーマを、キングは次作の「ファイアスターター」でさらに掘り下げる。

    ちなみに、クリストファー・ウォーケン主演の映画化作品は、枝葉を刈り取ったストレートな構成と、主人公の凍てついた心象風景の映像表現が鮮やかで、記憶に残る秀作だった。

  • ワクワクするストーリー展開にはマイル。伏線となる話が心憎いほどに読み進めると効いてくる。たまらん。

  • 重々しい空気でありながら息苦しさが感じられない絶妙なバランスで描き出される悲劇。

    主人公に理解者がちゃんと用意されている所やラストで殺人という大きな罪を主人公に背負わせずに悪はその本性にて自滅するという所に救いがある。

    悲劇の中の少しの救い、これがキング作品に惹かれるところかも。

  • 上巻を我慢して読んでいくと下巻が面白くなるナリ。翻訳特有の読みにくさも読み慣れてきて、いよいよ面白くなっていくナリ。ただ主人公が政治的な所に興味を示している序盤は「なんでだろう」と感じました。読み進めていけば納得ですが。
    これは個人的な表現になりますが、「翻訳物としては比較的読みやすい」作品だと思うナリ。

全30件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1947年メイン州生まれ。高校教師、ボイラーマンといった仕事のかたわら、執筆を続ける。74年に「キャリー」でデビューし、好評を博した。その後、『呪われた町』『デッド・ゾーン』など、次々とベストセラーを叩き出し、「モダン・ホラーの帝王」と呼ばれる。代表作に『シャイニング』『IT』『グリーン・マイル』など。「ダーク・タワー」シリーズは、これまでのキング作品の登場人物が縦断して出てきたりと、著者の集大成といえる大作である。全米図書賞特別功労賞、O・ヘンリ賞、世界幻想文学大賞、ブラム・ストーカー賞など受賞多数。

「2017年 『ダークタワー VII 暗黒の塔 下 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

スティーヴン・キングの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
スティーヴン・キ...
スティーヴン・キ...
スティーヴン キ...
スティーヴン キ...
スティーヴン・キ...
スティーヴン キ...
スティーヴン キ...
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×