- Amazon.co.jp ・本 (597ページ)
- / ISBN・EAN: 9784102193266
感想・レビュー・書評
-
キングの良いところがたくさん詰まった小説だった。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
面白かった( ´ ▽ ` )ノ。
けど、なあ...... -
上巻では、ボビーと言う男の子が主人公の50年代アメリカのお話。
ボビーには心優しい男の子サリー,おませで見る目が鋭い女の子キャロルがという幼馴染が居て、その幼馴染のお陰で、毎日楽しい生活を送っていた。
ところが、父親の死によってすさんでいく母親との生活が徐々にボビーの心を不安定にしていく。そんな最中に、上の階に引っ越してきた老人テッド。
テッドは教養深く、ボビーに色々なことを教えてくれる。
でも、テッドの言動は変わっていて、何かに追われているのか、部屋からほとんど出ない。
そしていつもどこか遠くを見ている。そんな不自然な言動の多いテッドに不信感を募らせる母親。
そんな板ばさみになっても、心優しい老人テッドに父親像を見出して慕うボビー。
・・・
最後は、壮絶なエンディングを迎える上巻。これだけでも確かに読み応えある!
そして下巻・・・
下巻では、当初ボビーは出てこず、上巻で同じ少年時代を過ごした脇役のキャロルとサリーがクローズアップされています。
内容は、人物の過ごした時代毎にオムニバス。
60年代は、カードゲームに嵌って、大学を辞めさせられそうになる青年。でも、ベトナム戦争に行くのは真っ平ごめん。
何とか堕落した学園生活から抜け出したいと考えるが、仲間がそれを許してくれない。。
泥沼の学園生活で、唯一の心のよりどころは、アルバイト先で知り合った、大学生となったキャロル。
ところが、キャロルは、反戦運動に参加し、アカに染まって徐々に大学を離れていく。。
60年代後半は、ベトナム戦争の傷で盲目になった男の、複雑な心理と、荒んだアメリカ社会。
そんな盲目の男は、少年時代にキャロルをバットで殴ってリンチしたことをずっと悔やんでいた。
90年代は、ボビーキャロルの幼馴染みだった、サリーが主役。
サリーはベトナム戦争で戦地に自ら赴き、名誉の負傷をしたものの、戦地で滅ぼした村の村人の霊に精神を蝕まれていく。
キャロルとはハイスクール時代恋人同士だったが、大学にキャロルが進んだことによって自然消滅。
心にしこりを残したまま戦争へそして戦争が終わり、後遺症と戦いながらの毎日。。
最後の2000年。
60代になったボビーが最後に主役に返り咲き。
幼少時代を過ごした町に戻り、幼馴染みと、当時心の支えとなった隣人の老人テッドに思いを馳せる。最後は心が温かくハッピーエンドです。 -
この本を読み始めた時、収録されている中編はいずれも上巻との関係が薄いものと思われた。
しかし、それぞれの主人公が彼らの心に巣くう心情を吐露するにつれ、
上巻の出来事とヴェトナム戦争の時代が 彼らのこころに残した傷跡が次第に明らかになり、
同時にボビー少年が大人になる際に失った様々なものが明らかになった気がした。
上巻と違ってダークタワーとの関係は薄いが、その分ボビー達少年少女の様々な思いが詰まっていて非常に面白い作品だった。