第四解剖室 (新潮文庫)

  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (394ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102193358

感想・レビュー・書評

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  • アメリカの文化・風俗に通じていればもっと楽しめたと思う。

  • この本で、自分は海外小説を読むのが苦手とわかった。

  • ゴルフ場で倒れた私。意識はあるのに身体が動かず言葉も発せない。医者は私が死んだと診断して解剖しようとしている!【第四解剖室】、9歳の頃、川で出会った男は黒いスーツを着て、硫黄の匂いがし、その眼は黒目も白めも無い橙色に燃えていた【黒いスーツの男】、中米のある国、男はこれから「死の部屋」で尋問を受けようとしていた【死の部屋にて】他、訳し下ろし4編を含む6編を収録した短編集。

    本国では14編を収録した1冊として出版されたが、国内では2分冊となっている(ただし、1編のみ原著者との契約理由により収録されていない)。もう1冊は他のアンソロジー等で既読の作品が多いため、購入していない。
    6編中でホラー色が強いのは、アンソロジー「サイコ」(祥伝社文庫)に収録された表題作くらいか。ラストの「エルーリアの修道女」は、ファンタジー大作『暗黒の塔』外伝というだけあってファンタジー色が濃い。他の作品についても“恐怖”に関して多少の要素はあるにせよ、ホラー小説という感じはない。しかしそれでもS・キングの小説の味であることに変りはないのだけれど。

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    私はまだ死んでいない、死んでいないはずだ。ゴルフをしていて倒れた、ただそれだけだ。それだけなのに。だが、目の前にある解剖用の大鋏は腹へと迫ってくる…切り刻まれる恐怖を描いた標題作のほか、ホラーからサスペンス、ファンタジー、O・ヘンリ賞を受賞した文芸作品まで、幅広いジャンルにわたって天才ぶりを発揮してきた巨人キングの十年を総決算する全米百万部の傑作短篇集。

  • 短編集『Everything’s Eventual』の一作目。
    表題の『第四解剖室』は実際にありそうな分、想像を掻き立てる怖さです。

  •  キングの短編集です。キャリーが面白かったので、キング作品の別なのを読んでみたくて手をつけたのですが、短編はあまり相性がよくないみたいです。今までキングの話を3冊読んでわかったのは、彼の話は趣向を凝らしたストーリーや奇想天外な設定があるのではなく、丹念な心情描写と臨場感あふれる状況描写が売りなんだな、ということ。彼の筆致の魅力は、登場人物の考えたことや感じたことへのシンクロ率が自然と高くなってしまうことであり、読み手を話の中に没入させてしまうことなのかなぁと。
     だから釣り少年の感じた恐怖感に同期したり、友人の死を見守った彼の言葉に尽くせない気持ちを言語化したもの(……表現がちょいと矛盾しているけど、それを可能にしているところがキングのキングたるゆえんだと思う)に同期して、何ともいえない不思議な気持ちになってしまえたりする。

     ただ、釣り少年の恐怖感にシンクロはするけれど、客観的に彼の体験を見た時に、それが恐怖体験なのか果たしてピンとこないのです。私がキリスト教圏にいないせいもあるのかなあ、黒スーツの『彼』が意味するものが感覚で私の感性に訴えてこないのですね。オチも余韻はあるけど微妙で、Oヘンリ賞を取ったというのが、正直よくわかりません。
     第四解剖室の話はもっと酷くて、ぜんぜん“ひしひしと迫ってくる恐怖感”って感じがしなかった。このプロットで、キングが何を書きたいかは最初の数ページでわかったんだけど、そこからシーンが踏み出してこない。そういう意味では、死の部屋の話は、生々しさがありました。……とはいえ、この話も展開が順当すぎて、読後感がいまいちだったり。
     一番好きな話は、お友達の死を見守る話です。他の話と同様に、この話も展開はあらかた分かっていたけれど、どういう落ち着き方をするかは最後までわからなかったし、このお話だけ、先の展開が読めていても尚、その情景に引きつけられました。昔映画で見た『スタンド・バイ・ミー』のエンディングシーンを連想したなぁ。

     ファンタジー話は、本編を読んでいないせいもあってちょっと微妙。このシリーズの全体のトーンがわからないせいもあって、とまどいが大きかったです。

     あと、各話ごとの後書きは面白かったんだけど、冒頭の短編収録に当たっての文章が蛇足気味な感じでした。っていうか、キングってあーいう人だったんだ……。

  • うーん、この前読んだ「ザ・スタンド」の方がいけてたなぁ。

著者プロフィール

1947年メイン州生まれ。高校教師、ボイラーマンといった仕事のかたわら、執筆を続ける。74年に「キャリー」でデビューし、好評を博した。その後、『呪われた町』『デッド・ゾーン』など、次々とベストセラーを叩き出し、「モダン・ホラーの帝王」と呼ばれる。代表作に『シャイニング』『IT』『グリーン・マイル』など。「ダーク・タワー」シリーズは、これまでのキング作品の登場人物が縦断して出てきたりと、著者の集大成といえる大作である。全米図書賞特別功労賞、O・ヘンリ賞、世界幻想文学大賞、ブラム・ストーカー賞など受賞多数。

「2017年 『ダークタワー VII 暗黒の塔 下 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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