ダーク・タワー〈7〉暗黒の塔〈下〉 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (557ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102193570

感想・レビュー・書評

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  • 読み終わったとたん、ほんとにキングやローランドたちにthankyaと言いたくなるから不思議。惹句通り泣いてしまったし。ジェイクとの二度目の別れは、一巻目の時となんと違うことか。ローランドが“心”を獲得していく旅でもあったのだなぁ。
    角笛もあることだし、今度こそ・・・・
    セントラル・パークでのスザンナたちの再会といい、希望を感じさせる終わり方をしてくれるから、キングは好き。ただ、『アトランティスのこころ』では底知れぬ不気味さを漂わせていたロウ・メンたちが、使用人風情だったのには少しがっかり。クリムゾン・キングもただの概念だった時の方が、はるかに怖かった。
    それにしてもスニーチに続いて、house-elfのドビー(ここではロボットだが)の名まで出てきて笑えた。
    またまた『ガンスリンガー』を読み直してみなくては、『アトランティスのこころ』も『不眠症』も・・・と思えてしまうのは、ダーク・タワー・サイクルに巻き込まれてしまった証拠?
    ――The Dark Tower by Stephen King

  • ええっ!!!
    まさかのこれ?
    長い長い、時に脳みそ崩壊しそうになる世界感のなか、それでも文章の巧み(翻訳ですけど)さで読み続けてしまうおもしろさでしたが・・・・

    ええっ!?


    です。

  • 悲劇はとどまることを知らない。かけがえのない仲間を失いながらも、旅は続く――〈暗黒の塔〉への旅は。最後の一歩を踏み出そうとするローランドに、襲いかかるさらなる危機。残された希望ともいえる人々をさえ踏みにじろうとする悪意の前に、人間はどう立ち向かうのか。構想から30年、世界を救うべく果てしなくさすらい続けた男の驚愕の終着点とは。

  • 読み終わった…こんなにも読み進めたく読み進めたくなかった本はなかった。彼等の旅、ローランドの目的はどうなるのか?早く早くと思う反面、旅を終わらせるのが辛かった…。

    だがそんな私の甘ったれた感傷はどこ吹く風〜の壮絶過ぎる最後にまた1巻から読まなくてはいけない義務感に今は駆られている。

    自己欺瞞はプライドの裏返しにしか過ぎない(byローランド)
    そういう彼がまさに自己欺瞞と共感性の欠如によってカ(運命)の歯車に巻き込まれ何度も同じ過ちを繰り返すことなく、いつか開拓の地に到達することを願いたい。

  • おもしろかった。最後はちょっとびっくりしたけど。

  • 全巻読んでようやくダーク・タワーの概要と意図していたものを把握できたように思う
    1部ガンスリンガーでのローランドとウォルターとの協議の場面があるのだけれど、その一部の描写がかなり広い世界観や思想を想起させた
    宇宙の中に世界があり、そこに生きる生物細胞の核にも宇宙が存在するといった描写があった
    正直1部のあとから最終部にあたる暗黒の塔の話まで、広大な世界観や思想を感じられなかった
    しかし全ての物語で描かれている歪な世界観は1つの思想と哲学で貫かれていたことに驚いた
    それはあとがきで訳者の風間賢二さんがまとめいる
    あとがきを読んでなるほどと感じることが多くあった

    それを理解した上でも、やはり世界や設定の歪さは消えない
    しかし自然主義の思想、荒れ地と精神世界の符合、多元宇宙の世界観、運命の円環、西部劇の世界観と哲学への洞察、それら全てを結びつける暗黒の塔とローランドというシステムは、あとがきを読んだあとで驚嘆した

    あとがきの前にロバート・ブラウニングの詩、童子ローランド暗黒の塔に至るが掲載されていた
    キングはこの詩から着想を得てダーク・タワーを書きだしたと書いていた
    これだけの材料から世界を描き出す事も常識を外れていると思ったが、それを上記のような要素でまとめつつ物語として構築しようとしたキングはやはり異常だと感じた
    キング自身も、甚大な内容になり物語として完結するかわからないと書いていた
    そして執筆は何度も中断し、34年かけてようやく完結した
    結果として終わった訳だけど、完璧な作品だとは思えない
    先にも書いた通り歪な設定で、かつ不合理な世界観だと思う
    そして広い世界設定のため、設定の細部が中途半端だ

    シャイニングやミザリーなどを読んで、エンターテナーの巨匠、ホラーの職人スティーブン・キングの影を追うと失敗する作品であるというのは否めないと思う
    どちらかといえばキングの作品を骨の髄まで吸い尽くしたキングマニアが、キングという人間を理解し堪能するための物語だと思った方がいい

  • 全16巻。
    10月から読み始めて何とか読了。
    読み終わると、一仕事終わった感じ。
    完結まで20年以上かかったらしい。
    これを初刊行の時から読んでいた人は大変だっただろうな。

    登場人物達は魅力的。
    主人公ローランドとその仲間たちはすごく愛着が残りました。
    ただ、訳の問題なのか話が入ってこない。
    特に1巻目はサッパリで何度も諦めかけた。
    2巻目以降の仲間が増えてきてからは、さすがにストーリーに引き込まれてきたんだけど。

    なんだろう、執筆の時間が長いからなのか物語がブレている気がする。
    とくにキング自信が登場人物で出てくるのは?でした。
    キング作品が好きな人へのファンブックのような意味合いの作品に思えてしまい、気持ちが萎えてしまった。
    ファンには楽しめるけど知らない人には全く進められない作品。

  • 1970年6/19〜2004年4/7の間に書かれたスティーヴン・キングの集大成『ダークタワー』の終幕。
    著者の事故などで存続が危ぶまれたこともあり、長きに渡る本作が完成したのを心から喜ばしく思う。
    ここまで完結した物語は読んだことがない。最後は読み進めるのが躊躇われる程感動しながら読んだ。


    -----------------------------
    分裂し苦しみを味わう〈カ・テット〉。〈深紅の王〉の城を通過、悪地を飢えと寒さに苦しみながら進み、ダンデーロでの警告された危機を味わいパトリック・ダンヴィルと出会う。そして別れとモルドレッドとの闘いを経て、遂には暗黒の塔へと至る。

    結局のところ〈カ・テット〉は崩壊、ウォルター・オディム、モルドレッドすらも無惨に死んでいき、〈深紅の王〉はもはや狂っており悲惨ですらあった。
    それでもなお、ローランドが暗黒の塔に至ったことは感動的だった。



    ただ、あのラストはどうだろう!?

  • 長かったダーク・タワー・シリーズを読了。
    文庫本で 16 冊。
    カ・テットの旅の過程を十分に楽しませてもらった。
    サンキャー、サイ・キング。
    あなたはすごい人だ。
    ローランドとエディ、スザンナ、ジェイクそしてオイに、
    長き昼と快適な夜を。

  • 「ダーク・タワー」を読了。長い道のりでした。
    以下、若干ネタバレ注意。

    これまで一緒に暗黒の塔探索の旅を続けてきた仲間、
    ローランド、エディ、スザンナ、ジェイク(、と小さな獣のオイ)。
    彼らは、さまざまな苦難と戦いをともに乗り越え、固い絆で結ばれていた。
    しかし、この旅は本来、最後のガンスリンガー、ローランドの使命。
    暗黒の塔が近づくにつれ、彼らはみな別れを予感していた。
    そして一人、また一人、とローランドの元を去って行く。

    最後、暗黒の塔に辿り着いた場面はさすがに感無量。

    本編は、塔の中に入って行く場面で終わるんですが、
    サービス精神旺盛なキングは、その後に種明かし的な文章をくっつけちゃった。
    いらないと思ったけどなあ。どうだろう?

    スティーブン・キングの集大成と言われるこの作品。
    ほかのキング作品をたくさん読んでいるとさらに楽しめるみたい。
    それほど読んでいない私ですが、十分楽しめました。

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著者プロフィール

1947年メイン州生まれ。高校教師、ボイラーマンといった仕事のかたわら、執筆を続ける。74年に「キャリー」でデビューし、好評を博した。その後、『呪われた町』『デッド・ゾーン』など、次々とベストセラーを叩き出し、「モダン・ホラーの帝王」と呼ばれる。代表作に『シャイニング』『IT』『グリーン・マイル』など。「ダーク・タワー」シリーズは、これまでのキング作品の登場人物が縦断して出てきたりと、著者の集大成といえる大作である。全米図書賞特別功労賞、O・ヘンリ賞、世界幻想文学大賞、ブラム・ストーカー賞など受賞多数。

「2017年 『ダークタワー VII 暗黒の塔 下 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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