トム・ゴードンに恋した少女 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (322ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102193587

感想・レビュー・書評

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  • 9歳の女の子が森でサバイバルする話で、
    もうスティーブン・キングの意地悪な、
    9歳の女の子にこんなことさせんなよっていう試練がいっぱいでありながら、生き抜く少女の姿に感動です。
    トム・ゴードンという野球選手のこと知らないが、
    少女にとって、絶対的な存在なんだなと、
    人は心に絶対的な何かがあった方が逞しくなれると感じた。
    最後のしゃれた終わり方にやられてしましました。
    書かれた時代がもうちょっと後だったならば、
    「ショウヘイ・オオタニに恋した少女」になった可能性もあったんだろうなw

  • トム・ゴードンに恋した少女を読了…
    9歳少女が家族とはぐれて森で遭難、登場人物も少なく、物語も複雑にならず、少女が極限の状況を生き延びるためサバイバルする様が描かれる…

    いやー良かった、何が良かったって、九回裏の死闘!
    自分に負けないため勇気を振り絞るけど、氷水だね、そして自分の中に静けさを作る、そしてウォークマンが最後まで活躍する!
    やっぱ親の目線でハラハラヤキモキ読んじゃったね

  •  昨今 日本でも子どもの遭難が相次いでいるので、決して「遠い国の作り話」とはいえない作品( ´ ▽ ` )ノ

     キングらしいオブセッションまみれのリアルな少女の心理描写( ´ ▽ ` )ノ
     歩いても歩いても出口の見えない原野は この世の終わりの姿のよう( ´ ▽ ` )ノ
     絶望と自失のはてに生じる幻想、そこに彼のホラーの原点があるのかと思い知らされた( ´ ▽ ` )ノ
     読み進めながら、何度も「ここにスーパーボランティア尾畠さんが来てくれたら!」と思った( ´ ▽ ` )ノ
     百人中九十九人が予想する通りのラストで泣かせるキングは、やはり最高の手練( ´ ▽ ` )ノ

     しかし実在の野球選手をこうまではっきり作中に登場させるなんて、まるで「フィールド・オブ・ドリームス」もしくは「走れタカハシ(映画だと「イチロー」)」みたい( ´ ▽ ` )ノ
     名選手として引退(09)したようだからまだしも、もし薬物や八百長事件なんか起こしたら どうなってたんだろう?(´ェ`)ン-…
     ちなみに キングに限らず、この手のアメリカ小説でいつの日か日本選手が(名前だけでも)登場してくれないものかなあ……といつも思う( ´ ▽ ` )ノ
     トム・ゴードンの息子のディー・ゴードン選手なんかイチローを師と慕っているわけだし( ´ ▽ ` )ノ

     とまれ、下痢や嘔吐といった生理現象まで徹底して描きこんだ、サバイバル小説の傑作( ´ ▽ ` )ノ
     キング作品の中でも屈指の出来( ´ ▽ ` )ノ

    2018/11/18

  • 母親と兄の三人でハイキングに行った森で、末っ子の9歳の女の子が一人迷子になり約一週間森の中をさまよい歩く話。
    蚊や蜂に刺されたり、持ってた食べ物や飲み物が底をついたり、すべり落ちたり、泥沼を歩いたり、、、読んでいて「大丈夫?!」と心配になるほど悲惨な日々を過ごす。でもめげずに、もとに戻れることを信じて進み続けるところに感心させられる。子供の純粋な心や適応能力のすごさや想像力の豊かさが描かれている。

  • 家族関係に頭を悩ませる女の子が、ピクニックで迷子になり、空想上のトムに支えられながら、必死で歩き続けるお話。

    ありきたりなのに、一気に読んでしまった。やはりこの人は凄い。

  • クージョに続く大傑作!

  • 一人の少女が森で迷い、再び森から出るまでを書いた話。
    それだけなのに、すごくよかった。

    「トリシア」をどこまでも追いつめる作者。
    読んでいるこっちが、もういいよ、もういいよ、と思ってしまうほどに追いつめる。
    自分のつくったキャラクター「子供」を
    ここまでいじめられるもんだろうか、と不思議に思ってしまうほどに、
    作者は「トリシア」をいじめぬく。
    でも、トリシアは「いじめられるたびに」着実に強くなる。

    素晴らしい文章ならば、ずっと少女が森でさまよっていようが
    とんでもないことが起こらなかろうが、
    ぐっと読んでいる方をひきつけるのだ、と
    当たり前のことを思い知った。

  • えり*夢中で読んだ、女の子の命がけの冒険譚。

  • ある野球選手を愛する、ごく普通の少女が森で一人きりで遭難して、色んな不思議やら恐怖やらを体験しながらも、誰かに見つけてもらうために頑張る話。
    …って書くと、なんか普通に普通の児童文学くさいのですが、キングですから、それはもう恐怖は本当に恐怖。野生の動物の声、肌のかぶれ、食料の確保、虫が顔のまわりをブンブン飛び回る…。ファンタジックな冒険ものなんかにはない、リアルで大変で、だからこそ応援したくなる、手に汗握る物語です。

    子どもからしたら、とんでもなく理不尽な不幸だと思うんです。
    なんで私がこんな目に?って。だってお腹すいたし、家に帰りたいし。ああ、もう嫌だ。虫の音で眠れない。足が痛い。方向はこれでいいの?なんでこんなことになったのよ。何で道をそれたの?
    でも泣いていられない。どうにかしなきゃならない。あまりにも等身大で普通な少女のとっても緻密な心理描写にのめりこみすぎました。

  • 女の子版『スタンド・バイ・ミー』って言ってしまうと語弊があるんだけど。まあ、こっちは一人だし、好き好んでサバイバルな状況に置かれたわけじゃないしね。

    ただ女の子が道に迷うってだけの題材で、どうしてココまでおもしろく書けるんだろう?さすが!としか言いようがありません。

    いつもキングの作品を読む度に思うんだけど、描写が細かいんです。だからその時の状況とかが、リアルに思い浮かべられる。
    顔にまとわりつく蚊の大群だとか、濡れた落ち葉の感触とか、ドロドロの何がいるのかわからない沼の様子とか。

    あ、スタンド・バイ・ミーっぽいって思ったのがあった!
    朝起きたら、鹿がいるシーンがあって、読んだ瞬間にスタンド・バイ・ミーの朝の線路のシーンを思い出しました。

    キングにしては短い話だったし、一気に読んでしまいました。
    最後とか、トリシアを待っている家族の心情の部分で感動しました。

著者プロフィール

1947年メイン州生まれ。高校教師、ボイラーマンといった仕事のかたわら、執筆を続ける。74年に「キャリー」でデビューし、好評を博した。その後、『呪われた町』『デッド・ゾーン』など、次々とベストセラーを叩き出し、「モダン・ホラーの帝王」と呼ばれる。代表作に『シャイニング』『IT』『グリーン・マイル』など。「ダーク・タワー」シリーズは、これまでのキング作品の登場人物が縦断して出てきたりと、著者の集大成といえる大作である。全米図書賞特別功労賞、O・ヘンリ賞、世界幻想文学大賞、ブラム・ストーカー賞など受賞多数。

「2017年 『ダークタワー VII 暗黒の塔 下 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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