- Amazon.co.jp ・本 (538ページ)
- / ISBN・EAN: 9784102201220
作品紹介・あらすじ
事件を知り、農夫の死に疑いを持 った一人の学生が、四月の雪の夜に崖から転落した。音信が途絶えた息子を探す両親。町中が狂奔し、古代ギリシア語クラスの学生たちにもFBIの捜査が入った。密議を重ねながらも、しだいに精神の平衡を失ってゆく四人。そしてリチャードにも危機が……。世界が注目する作家のデビュー長編! 『シークレット・ヒストリー』を改題し、村上春樹「解説」を収録。
感想・レビュー・書評
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久々のドナ・タート。
最初は、花より男子方式かと思っていた(笑)
主人公の荒んだ出自を思うと、華だけでなく陰を持つ貴族たちの仲間入りをしたい!大学デビューしたい!と思う気持ちは分からないでもなく。
けれど、結果的に謎のバッコス祭やら何やらに参加する権利もないままに、事件は起こり。
結局、それぞれにとっての都合の良い「友人」にしかなり得なかったのかと思うと、哀しい。
最後までヒトヤマ当ててやる精神がどこかに見える主人公が、なんだか切ない。
主人公と他のクラスメイト達の心理的距離が近付いていく優雅な前半から、事件の中で真実が明るみに出るか否かの緊迫感が高まる後半のバランスが、読み終わって絶妙だった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
(2024/03/31 5h)
退廃的で破滅的 -
罪を犯すことなかれ。
それはなんの為でもなく、ただ己の為ゆえに。
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ただ、バニーかわいそうって思った。
ストーリーは面白いけどなんだかモヤモヤする感じ。 -
登場人物は揃いも揃って未熟で鼻持ちならない俗物で、仲良くしたくない奴らである。共感もあまりできない。しかしこの物語の世界の豊かさはどうだろう。ひとつひとつの場面の細部にわたる描写や、手触りを感じるほどの心情表現。
出来事自体ではなく、人間の心の動きこそがスリリングなのだとはっきりわかる。読み終わる頃には、彼ら俗物どもへの愛着すら感じるようになった。青春を描いた小説としても白眉。とても面白かった。 -
ゴールドフィンチが最高だったので読んだ。
こっちの方がミステリー色が強くて、それはそれで楽しかった。哀愁が好き。 -
徐々に変化していく精神状態と物語の展開が気になりどんどん読み進められました。
何も知らない主人公が出会った不思議な世界、個性の強い友人たち。
主人公が気が付いたころにはもう彼は事件に巻き込まれていて、友人たちへの想いや、置かれた立場からだんだん深みに陥っていく。
残酷な状況でありながら、また5人の焦りや恐怖が募るなか、優しさや思いやりといった温かい感情も見られ、最後は切なさを感じました。
物語は主人公の回想録としての構成です。主人公が後悔と切なさと、同時に懐かしい思いや友人たちへの祈りを胸に過去を振り返っているような作品でした。
1つ目の事件が起こった背景、精神世界にのめり込む様子がもっと描かれていれば、もっと良かったかなと思います。 -
ラストに向けたごちゃごちゃ感が文学っぽい。慣れない。。