一人の男が飛行機から飛び降りる (新潮文庫)

  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102209110

作品紹介・あらすじ

一人の男が飛行機から飛び降りる。涙を流しながら、靴箱いっぱいのラブレターを空中に投げ捨て…・魚を先祖に持つ女の逸話・世界で最後の煙草を持った男が、ブロンド女からマッチを手に入れようと苦労した物語・サルタンのハーレムを警備していた私が、テントの中を覗き込んで見たものとは…などなど、あなたが昨夜見たかもしれない、リアルでたのしい悪夢、149本の超短編。

感想・レビュー・書評

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  • 柴田元幸を特集した「Coyote No.26」に寄稿した4人の作家のうち、唯一読んだことのなかったバリー・ユアグローの一冊を手にした。
    大半が1〜3ページで終わる超短編集。と言っても、星新一のショートショートを想像するのは間違い。ここに登場する短編は奇想天外、支離滅裂。理不尽でやや非情。オチはあるようなないような。「私は世界で最後の一箱の煙草を持っている。だがマッチがない」「眠れない。枕の感触が変だ。開けてみると、なかに骨がいっぱい入っている」…こんな書き出しで始まるのだから、折り合いをつけるのは簡単ではない。
    でも、果たして折り合いをつける必要があるのか。この超短編集を読むときにそんなことを気にしていたら、とてもじゃないが最後まで読めない。訳者あとがきにある通り、これは夢を語ったもの、しかも「楽しい悪夢」だと受け止めて折り合いなんかつけないで読むと、飲み込める。この本に限らず、へたに折り合いをつけようとするからかえって心地悪くなることなど、普段からいろいろあるじゃないか。読書にだって折り合いがつかないことがあったっていい。
    とは言え、これを読んでいる最中は悪い夢をみそうな気がして仕方がなかったけれど。

  • 悪夢のように突飛で滑稽な幻想が149篇おさめられたショート・ショート集。毎回不思議なことが淡々と起こるから読んでいて面白かったけれど、性的なモチーフや亡親との会話など、頻出するモチーフも多かったので、訳者あとがきにあるように「毎晩夢を見るように一日一作ずつ」読むのが楽しい読み方だったかもしれない。

  • 一行目から突拍子もないお話もあれば、読んでる間にじわじわと突拍子もなくなっていくお話もあって、楽しい悪夢でした。辻褄が合わないところが夢という感じで好き。ユアグローさんの見た夢ではないみたいだけれど。
    前半の僕と女の子たちのお話も、後半の両親とのお話も面白かったです。「芝生」の、息子が亡くなっている母親と墓地で交わす会話が良かった。後半のお話たちは、どうして!?みたいなのもやっぱり多かったですがしみじみと切なくなる話もありました。
    作者さん、『シャドー・メーカーズ』で科学者エドワード・テラー役なのか。Filmarksのキャスト一覧にいないけど観てみよう。

  • 夢を覚えていると気が狂うみたいな話をよく聞くけれど、この本は覚えておく必要もなく読むだけで夢のような世界を体験することができる。

    脈絡のない話は子どものころに楽しんだ童話のような感じを受けるが、童話と呼ぶにはあまりにもえげつない。
    キラキラした物語が目立つけれど、たまにはこういった毒のような話を読むのもいいと思った。

  • 超短編を微妙に繋げることでもたらす効果とは何だろうか。何となくで進行する夢と通じるものがある。

  • 原題
    A MAN JUMPS OUT OF AN AIRPLANE
    WEARING DAD’S HEAD

    149篇のアソート。
    いつもと違う日常に振り回され戸惑い、
    いつもと違う日常を何事もなく過ごす、
    平均2ページの話。

    アソート(assort)の語源は、
    ラテン語のsors(くじ)。
    149回くじを引いたと思うと面白いですね。
    あたりはいくつ出たかな…

  • 学生の時、近所の図書館の2階で見つけてから何度も借り、大人になってから購入した本。

  • 一箱古本市

  • 文学

  • 岸本佐知子さんの1999年ベストスリーということで手に取った。数ページのショート・ショートに描かれるのは奇想爆裂な、たのしい悪夢。辻褄やオチなんかありませんよ!

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