マグニチュード10 (新潮文庫)

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制作 : Arthur Charles Clarke  Mike McQuay  内田 昌之 
  • 新潮社 (1997年11月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (652ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102235027

マグニチュード10 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 東日本大震災を経験すると大地震はいつ起こっても不思議ではないことを実感します。読了当時は、あり得ないなと思いながら読みすすめましたが、読み返すと地震の持つパワーは捉えていると思います。以下読了後のレビュー。

    地震国に生まれると多少「グラッ」と来ても驚きませんが、世界中には、「グラッ」を経験していないヒトのほうが圧倒的に多いのが現状です。

    本書は、著者がデリーのホテルで「グラッ」を経験し、アイデアを紡ぎ共著のマイク・マクウェイが小説に昇華させた一品です。

    ここの扱われる地震は、巨大地震ばかりであり、その規模たるや小説冒頭の佐渡が島が崩壊する日本海の地震そして、最後はアメリカ西部がアンドレアス断層により水没するマグニチュード10の地震であり地震国の我々でもその規模にはリアリティをもって感じるのにはやや苦労しますが、地震に対する警句の数々が散りばめられており、それはそれで感じ入ります。

    関東大震災はいつきてもおかしくないし、この数年を振り返ってみても東北、上越、四川省にトルコと世界的に結構ゆれています。備えあれば憂いなしを思い出させる一冊です。

  • 地震というものが完全に予知ができるようになれば、とてもすごいことになる。ただだからこそそれだけにかなりの影響力がある。それは宗教や国家の権力者も同じことが言える。影響力というものは非常に利用、使用が難しい。

  •  良かった。うん、長編だけれどとても楽しめた。久しぶりのヒットかな。

     1994年1月17日にカルフォルニア地震で両親を無くした地震学者が主役。 権力を手に入れて地球の地震を無くそうとする。科学技術を集結させて地球儀を作るところや、中盤で「そうか」と思うタイミングで月を登場させ、最後も月で締める所などはまさにクラークの色が濃い。

     でもこの作品の楽しさはSFではない。クラークがアイデアを出してそれをマクウェイが本当に上手にドラマにしている。マクウェイはこの作品が出来た直後の 1995年に急死しているのが誠に惜しい。

     ジェントリー・リーと組んだ「宇宙のランデブー」と同じ手法ながら、さらにスマートな仕上がりを見せている。マクウェイがクラークのSFを昇華したからだと思われる。リーはこの点で、クラークとの役割分担(SF=クラーク、ドラマ=リー)をしていたかのように思える。

     ドラマは世界を舞台に(東京や佐渡島が出てくる)、クラーク作品らしく中国、イスラムも交えながら、主人公のプロジェクト成功と失敗をつづっていく。失敗は2度あるが、いずれも破局に近い失敗であり、その度に大きなものを失っていく。特に大失敗からの復活を成し遂げ名声を得た後の2度目の失敗は、最初の失敗とは大きく様相が異なる。最初のそれと異なり、失うものが家族という単位に
    なるからだ。こうここで物語は終わってもいいように思った。実際、適当なドラマではここでおわりだったろう。

     しかし、物語は続く。そして大地震で迎えるラストはいかにもクラークらしいエンディングを迎える。味付けはきっとマクウェイだろう。しかし、ラストはクラークが笑っている顔が浮かぶくらいに鮮明なSF流のエンディングである。地球の地震をテーマにしておきながら、それはまったくもって背景に過ぎない。地球儀プロジェクトはそれに続く壮大な月球儀プロジェクトの前座に過ぎない。そして、その圧倒的なラストは「エピローグ」という形でたった2ページでさりげなく語られる。全ての失敗がそこに流れ込み、これ以上無いハッピーエンドへと向かうのだ。

     時間は「しこり」を小さくする。「成長」とはそういうものだとドラマの中で語るのだが、その時間スケールが長いSFだからこそ、ハッピーエンドが光る。

     「エピローグ」で一気にテーマが爆発するという手法はクラーク作品には多いのだが、今回はまさにこれが功を奏している。最後の2ページ以外は全て前座であると言ってもいいかも知れない。登場人物も少なく、どんどん駒を使い捨てにし、ラストはたった2人になって、エピローグでまた集合する。いやぁ、面白いドラマだった。とても良かったので、しばらくはSFを離れて時代劇でも読もうかな。

  • これ おもろい 買い

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