オウエンのために祈りを〈上〉 (新潮文庫)

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制作 : John Irving  中野 圭二 
  • 新潮社 (2006年9月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (573ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102273104

オウエンのために祈りを〈上〉 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 平均的五歳児の大きさで変わった声の持ち主のオウエン・ミーニーと「ぼく」であるジョニーの友情を描いた作品。信仰や欲情など人間の心の奥底にありそうな「何か」を象徴的な表現でかつ平易な文章で記していて、読んでいて気持ちが良くなってきた。オウエンみたいな聡明な小男がいたら楽しいだろうな。。。

  • 1989年作品。低い身長と変な声、ずば抜けた頭脳を持つ親友。母の命を奪う事故を起こすもその関係は変わらない。特異な存在を示すオウエンの使命とは?悲劇の後の残響が悲しい家族とその周辺を取り巻く物語。

  • 古本屋で購入しました。
    まだ上巻なので、感想ではなく前の所有者がひいた罫線から引用します。

    「愛してる誰かが死ぬとき、しかも予想していないときに死なれた場合、一度に突然その人を失うわけではない。長い時間をかけて、少しずつ少しずつ失っていくのだ(中略)そしてまた一日、すっかり忘れて何ごともなく過ぎたと思うと、またもや何か失われた部分、欠けた部分に気づかされる」

    もう一つ。

    「ぼくのなかのある部分が、残りのぼくを敵にまわしているみたいだ」

    もっといっぱいひいてあったけれど。

    「彼/彼女」はどういう気持ちでこの物語を読んで、どういう気持ちでこの箇所に罫線をひいたのでしょうか。

    古本の醍醐味ですね。

    本編は下巻で触れます。

  •  生まれつき極端に小さな体と奇妙な声の親友オウエン・ミーニー。彼が初めて試合で打ったボールが母の命を奪ってしまう。彼は自分には神が与えた意味があると信じるようになるのだが。。。
     ジョン・アーヴィング作。映画「サイモン・バーチ」の原作本(レビューは上下巻まとめたものになります)。

     映画が比較的短期間のストーリーなのに対し、原作では信仰の問題やベトナム戦争に揺れる当時の政治情勢などを絡めて、何十年に渡ってストーリーが展開されていく。
     オウエンは自分が信じる夢のお告げの通りに死ぬのか、なぜ知的で批判精神に富んだオウエンがそう信じる様になったのか、主人公ジョンの父親は誰なのか、なぜ現在のジョンはアメリカを捨てカナダに住んでいるのかといったストーリーの焦点が終盤に明らかになっていく過程が本当に見事。

     人には神に定められた運命などあるのだろうか。この本を読んだ感想を極端にいえば、人には運命も信仰も理想も大事なことではない。信じたものに殉じて生きることができるかどうかこそが大事であり、だからこそオウエンとジョンの人生に胸を熱くするのだと思う。

  • 奇跡とかそういうもののことを考えてしまう。
    すごく読みやすいと思う。

  • ツイッターで伊集院光さんが仰っておられたので、興味を覚えて読んでみた。

    宗教に穿った見方をしがちな日本人にとっては、やや読みにくいのではと感じる。
    それなりにキリスト教について知識があるつもりの自分でも、宗教色が強いと感じる。
    神とはなにか、運命とは?
    そんなことを考えながら読んだ。

    ストーリーはけして明るいとは言えない。寧ろ世間では恵まれない、不幸とされる分類の人物が主立った役柄で出て来るし
    あまりに衝撃的で悲しい事件も起こるのだが、淡々と進みあまり囚われずに主人公の目線ながら冷静に読み進めていける。

    個人的には、ダンがあの悲しい事故の後にも変わらず主人公に愛情を注いでくれること、オウエンとのことについての相談を親身に聞いてアドバイスしてくれるところが印象に残った。

  • 上巻を読むのに凄く日数がかかった。キリスト教の会衆派などの宗教観が難しい。

    オウエンの打った球が直撃して母が死んだ。

    オウエンは神さまが僕を使って殺したという。

    下巻が楽しみ♪

  • 感想は下巻に。

  • 2009/9/25購入
    2010/8/22読了

  • ごく個人的な範疇になりますが、
    圧倒的な物語。
    著者の諸作を推すことに、学習塾ブログとして疑問を投げかけられるかもしれませんが。
    物語の強さを。機会があれば是非。

  • 小さくて宇宙人みたいな声をした、一見特殊なオウエンミーニー。だが、彼は決してその外見を恥じたりはしなかった。そして、彼は信じていた――自分には特別な役割があるのだと。
    宗教をベースにした作品なので、日本人にはなじみにくい部分も多々あるかもしれないが、それを差し引いても非常に素晴らしい作品。自分に与えられたと信じる使命だけを信じて生きるオウエンの信念には、祈りなどといったものを超えた一途な信仰が垣間見える。使命だけを見据えたオウエンには怖いものなど一つもなかった。
    オウエンの親友だったジョンの視点から描くことによって、オウエンが人間でありながらも人間ではなかったという比較がうまく用いられ、キリストの再来を思わせるようなそんなテイストに仕上がっている。クリスマスが来るたびに、この作品を読みたくなり、奇跡を信じたくなるのである。

  • 一番好きな作家です。
    混沌&無情なストーリーなのに
    なぜかあったまる。

  • 2009年5月10日読了。
    調子に乗って、またまたジョンアーヴィングを読んだ。

    小人のオウエンをめぐり、かなり宗教色の強い話となっている。
    カトリックとプロテスタントの違いすらよく分からん自分にとっては
    ややとっつきにくい。

    とはいえ、読ませる、読んでしまう。

  • 長かった就職活動がようやく終わり、気持ちにも時間にも余裕が出来て、
    ひとつ久しぶりに上質な長編小説でも読みたいものだと思い購入。
    アーヴィングなら、まずハズレは無い。

    2008年4月購入、5月読了。

  • 成長しない肉体と奇妙な声の持ち主・オウエン。 自らを神の道具と見なすオウエンについて、彼の親友である主人公が回想を交えて編んでいく物語。 キリスト教やヴェトナム戦争、政治への言及がふんだんに散りばめられており、正直上巻は少し読みにくかった。 「ブリキの太鼓」を連想させるオウエンのキャラがとにかく強烈。

  • 全てが終わった後に語られる物語。主人公の語りでオウエンとの少年期からのお話が綴られていく。信仰と生活と友情と。丁寧に細部まで語られていく登場人物たちや過去の出来事は、ラストに向かって静かだが確実に進んでいく。読み終わって、深く深く、染み入りました。長めのお話ですが是非。

  • ストーリーは主人公とその友人であるオウエンの幼少期の日常から始まる。淡々としているようで、実はいろいろなものがからみ合い、心に残るものがぎゅっと詰まっている。こんなストーリーの持っていき方で平和ということや、人に対する愛情を表せるなんて本当に素晴らしいと思う。

  • 電車で読んでいて、少しホロリときました。
    キリスト教のいろいろな宗派の違いがわからないので、わかりづらいです。最近、訳注とかついてない本が多いですよね。ゼヒ巻末につけてもらえるとありがたいなぁ。
    面白かったのですが、キリスト教が身近にないので、なんのことかさっぱりわからない部分がかなり多くありました。読み方が雑なせいでもあるけど。最後もあんまりよくわからない。読み終わって振り返ると、どこがよかったのかわからないけれど、読んでいるときは夢中になってします。アーヴィングってそういう作家です。わたしにとっては。

  • 不思議な話でした。
    私はアメリカ人でもキリスト教徒でもないので、内容をちゃんと理解できたかどうかはなはだ疑問ですが、、、面白かったです。例によってかなり変わった人物たちが独特の世界観を織り成しております。

    主人公は、凡庸を絵に描いたような人物であるジョン (個性と言えるのは私生児で実の父が誰だかわからないことくらい)。ジョンにはオウエンというユニークな大親友が居るんですが、この子が人並みはずれて小柄な体形で、声変わりもせず人をギョっとさせてしまうような独特な声の持ち主。本当に小さいので、ストライクゾーンが狭すぎてほとんどがボールになってしまい、少年野球チームでは 「スイングはするな。ただ打席に立ってろ。」 と監督に指示されフォアボールだけを狙うピンチヒッターとしてしか試合に出られません。なのにある日「思い切り打て」 と言われて打席に立ち、バットを振ったらそのボールが大好きなジョンの母親の頭に当たり、、、彼女は死んでしまうのです。

    ・・・という、アーヴィングだから読めるけれど、設定だけ聞かされるとなんとも滅茶苦茶な話です。まぁこの人の話はたいがいこんな感じですが。

    オウエンは、自分の声が変なのも、体が小さいのも、神から避けられない役割を与えられているからだ、自分は神の道具なのだと信じていて、いろんなことを予知したりもします。物語は中年になった現在のジョンの回想として進むので、オウエンが自分で運命と信じていたことに抵抗しないばかりか逆に自ら積極的に運命に身をゆだねて死んでしまう、というのが最初からわかっているのですが、それがいったいどういう運命でどういう意味があるのか、ということが最後までわからないんです!。上下巻のたっぷりの長さで張られた何本もの伏線が、じわじわじわじわ、最後にはビタっ!!っとキレイに収まったので、すごいです。とはいえ、長いので少しじれったかったです。

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オウエンのために祈りを〈上〉 (新潮文庫)の作品紹介

5歳児ぐらいの身長、一度聞いたら忘れられないへんな声、ずば抜けた頭脳を持つぼくの親友オウエンを、ある日過酷な運命が襲った。ピンチヒッターで打ったボールが、大好きだったぼくの母の命を奪ったのだ。ぼくは神様の道具なんだと言い続ける彼にとって、出来事にはすべて意味がある。他人と少し違う姿に生れたオウエンに与えられた使命とは?米文学巨匠による現代の福音書。

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