人はなぜエセ科学に騙されるのか〈下〉 (新潮文庫)

  • 136人登録
  • 3.75評価
    • (14)
    • (12)
    • (25)
    • (1)
    • (0)
  • 12レビュー
制作 : Carl Sagan  青木 薫 
  • 新潮社 (2000年10月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (406ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102294048

人はなぜエセ科学に騙されるのか〈下〉 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

並び替え:

表示形式:

表示件数:

  •  そして下巻。
     塾講師、という仕事をしているせいもあって、16章の「科学者が罪を知るとき」。21章の「自由への道」は、万感胸に迫るものがありました。
     文字が読めるということ、学ぶということがどれだけ素晴らしいことなのか、知って、疑って、自分の頭で考えるということがどれくらい意義のあることなのか。そして、誰かの考えをうのみにしてしまうことが、どれくらい怖いことなのか、ということもあわせて。
     ……中学時代に読んでいたら、もっと変わった人生を送っていただろう、と思わせた一冊。とりあえず、見つけたら即購読をおすすめ。

     原題は「暗闇を照らす一本のろうそく」というのですが、これがT・ホワイトの書いた「永遠の王」(アーサー王物語。ディズニーアニメ「王様の剣」の原作)のラストシーンとかぶってしまって、涙なしには読めませんでした。
    これがセーガン博士の遺言、最期の執筆であっただけに、余計に……。

  • 科学は絶対ではないが、最善を導く手段である。科学的思考の根幹は批判的精神。示唆に富んでいて、とても勉強になる一冊。

  • p54
    「 自分のまちがいを認めるよりも、強固な証拠をしりぞける方が楽なこともある。それが人間というものなら、その現実は知っておくだけの価値があるだろう。」

    p68
    シャーマン自身は癒やしの起こる理由がわかっているか?
    たとえば、量子力学を勉強すれば、自然の摂理が一部でもわかるようになる。予想ができる。予想したとおりの実験結果が得られれば、この理解が正しかったとわかる。
    シャーマンはそれがないか、あっても稀だろう。
    →科学とは再現性を必要とする。

    p74
    歴史について、「主権や偏見が持ち込まれる危険性は、歴史がはじまったときあkらわかりきっていたことだ。トゥキュディデスはそれを警告しているし、…略…
     ギリシャの修辞家ルキアノスは、西暦一七〇年の著書『歴史はいかに書くべきか』でこう論じた。「歴史家は恐れを知らず、腐敗とは無縁でなければならない。誠実さと真実を愛する独立の人であらねばならない」」
    トゥキュディデスが出てきた。次読む予定の本たちの中にある。「人殺しの心理学」でも結構あげられていたし、科学的でないことをまったく恐れずにいつもの、「本を読む順番の神さま、ありがとう!」

    p353
    私はここらの歴史がさっぱりなので、トロツキーの役割がわからなかったのだが……

    ・スターリンが政権の座につく→政敵だったレオン・トロツキー(1905、1917の革命で大きな役割を果たした)の肖像が消え始める
    ・スターリンとレーニンが、ボルシェビキ革命を指導しているという、歴史にまったく反した絵があちこちに出る。国家の聖像、おフィルビル、看板、博物館に、切手に……
    ・新しい世代は、それが正しい歴史だと信じて成長する
    ・古い世代は、自分が政治的記憶ちがい症候群にでも陥っているような気がし始める。ジョージ・オーウェル流に言うなら「二重思考」で、本物の記憶と、指導者が信じさせたがっている記憶に折り合いをつけ始める
    ・そうしなかった人たちは、スターリンは革命において端役であり、重要な役目を果たしたのはトロツキーだと覚えている。彼等は反逆者、あるいはブルジョワジーとして「トロツキスト」「トロツキー・ファシスト」として糾弾、投獄、拷問、処刑された。

    こんなふうに、一世代で、人の記憶は歪められるのか……





    p208
    色々な説明の仕方を検討してみる。
    ・6と7のあいだに、未発見の整数は存在するか。
    など。

    p258
    「おまえはバカだから勉強してもダメだ」と言われるのと、「きみはかっこいいから勉強なんて似合わない」と言われるのは、同じ効果がある


    p342
    魔女裁判で、魔女と認定されるまでの過程が恐ろしい。
    「おまえは善良な人生を送ってきたか?」と問われて、肯定すれば、有罪の証拠。魔女は自分の正体を隠して徳を装うから。
    「邪悪な人生」だと答えれば、当然有罪。

    恐ろしい拷問について聞かされて、恐れば、それは良心のとがめを感じるから魔女の証拠。
    恐れを見せない→自分の無罪を信じているのの魔女の証拠。無実を装い、何食わぬ顔でやり過ごすのも魔女の特徴。

    「魔女裁判においては、弁護士をつけることはもちろん、正当な弁明の手段はいっさい認められない。なぜなら魔女裁判は、格別の罪とみなされているからだ(この場合、法的手続きに関するいかなる規則も停止してよいとされる)。」
    これ、テロリストに対する反応と同じだな……

    軽い拷問の段階で自白すれば、彼女は拷問を受けることなく自白した。と言われる。処刑決定。
    しかし自白しなくても、拷問には回数も苛酷さも時間の限度もないから、いずれ死ぬ。

    ぐおモンの最中に苦痛で顔がゆがめば、笑っていると言われる。
    意識を失えば、眠っているか、自分に魔術をかけて口をつぐませているのだとみなされる。口をつぐんだのなら、生きたままの火刑に値する。

    一度つかまったものは、必ず死ぬ。ひとりでも無罪放免にすれば,尋問官全体の恥になるから。
    これは、冤罪の構図か……

    p379
    アメリカでの自由の例
    ある人種が他の人種より優れていると主張する本があり、どれだけ有害でも、国家の検閲を受けない。
    「人を惑わすような主張を正すためのよい方法は、それを抑圧することではなく、もっとよい意見を聞くことだからだ。」

  • 上巻以上に主観的な意見や考えが押し出されていたように思う
    疑うことの重要性について一貫して説いている
    後半は細君との共著でどちらかというとアメリカにおける政治のあり方が示されている
    理想はわからなくもなく、読みやすく面白いが、やはりやや客観性に欠ける感があるように思われる

  • 一年の計は元旦にあり。2014年はこの本で開始。カールセーガン博士の科学者の責任に対する深い洞察とメッセージ。酒飲みながらの読書は至福の時間。

  • ま、ツッコミどころもあるけれど、良い。

  • 下巻ではトンデモ科学や宗教的偏見などに対しての批判が繰り広げられる。世界を記述する言語としては、科学は万全では無いまでも、最も普遍的妥当性を持つものであるのは間違いがない。宗教やイデオロギー以前に科学的教育が成される必要がある。宗教などはその後で、自己判断が出来るようになってからでいい。

  • 上巻は宇宙人誘拐説といった具体例をたくさん扱っていたけど、下巻は科学の役割とか科学の楽しさとか科学教育とかいった科学全体に関する話が中心。そのため、社会に対して、あたかも“科学者代表”として科学の意義や楽しさを必死に訴えんとする著者の熱さや愚直さが伝わってくる。また、科学との関係で自由や民主主義の意義にまで語り及んでいる視野の広さには感心する。「科学者の良心」を感じるためには下巻も必読。

  • ¥105

  • こういう精神性を目指したいですね。

全12件中 1 - 10件を表示

カール・セーガンの作品

人はなぜエセ科学に騙されるのか〈下〉 (新潮文庫)を本棚に「いま読んでる」で登録しているひと

人はなぜエセ科学に騙されるのか〈下〉 (新潮文庫)はこんな本です

ツイートする