- Amazon.co.jp ・本 (406ページ)
- / ISBN・EAN: 9784102294048
感想・レビュー・書評
-
そして下巻。
塾講師、という仕事をしているせいもあって、16章の「科学者が罪を知るとき」。21章の「自由への道」は、万感胸に迫るものがありました。
文字が読めるということ、学ぶということがどれだけ素晴らしいことなのか、知って、疑って、自分の頭で考えるということがどれくらい意義のあることなのか。そして、誰かの考えをうのみにしてしまうことが、どれくらい怖いことなのか、ということもあわせて。
……中学時代に読んでいたら、もっと変わった人生を送っていただろう、と思わせた一冊。とりあえず、見つけたら即購読をおすすめ。
原題は「暗闇を照らす一本のろうそく」というのですが、これがT・ホワイトの書いた「永遠の王」(アーサー王物語。ディズニーアニメ「王様の剣」の原作)のラストシーンとかぶってしまって、涙なしには読めませんでした。
これがセーガン博士の遺言、最期の執筆であっただけに、余計に……。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
世の中に流布する情報を疑ってみることの重要性。セーガンの言いたかったことは本当にこれに尽きる。
この本が科学だけでなく政治にもどんどん踏み込んで行くのは自然な流れだった。金儲けのため,権力維持のために事実がねじ曲げられる事例のいかに多いことか。
科学と民主主義。多くの犠牲を払って人類が歴史の中で見いだしてきた,権威や権力を疑い,異議申立をしていく大切なプロセスという点で両者はまさに双子のようなものだ。
しかしその真価を本当に理解する人は多くない。そのことをセーガンは痛切に憂えている。
科学者は概ねリベラルだけど,それはとても自然なことなんだよね。「自由な立場で物事を疑い,そして改善していく」という果てしない手続きに従事する者であるから。
出版から20年以上が経った今でも状況がさほど変わっていないことに軽い絶望を覚えるが,だからこそ読み継がれていくべき名著。
変わった状況としては一にも二にもインターネットだけど,この諸刃の剣をどう使いこなしていくかが課題だよな…と。
セーガンが言ってて印象に残ったのは,日本の科学について褒め称えてたとこ。アメリカよりも人口が少ないのに研究者は増えてるし成果も上がってるって論調で,アメリカの科学教育の体たらくに警鐘を鳴らしてた。
二十ウン年前はそうだったのか…!?
あと,小さい子供を一人で寝かす習慣を気にしてる様子なのが気になった。
欧米では普通らしいけど,日本は添い寝が多数ですよね。 -
科学は絶対ではないが、最善を導く手段である。科学的思考の根幹は批判的精神。示唆に富んでいて、とても勉強になる一冊。
-
一年の計は元旦にあり。2014年はこの本で開始。カールセーガン博士の科学者の責任に対する深い洞察とメッセージ。酒飲みながらの読書は至福の時間。
-
ま、ツッコミどころもあるけれど、良い。
-
こういう精神性を目指したいですね。