透明人間の告白〈下〉 (新潮文庫)

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著者 : H.F.セイント
制作 : H.F. Saint  高見 浩 
  • 新潮社 (1992年5月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (381ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102377024

透明人間の告白〈下〉 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 自由がいいんだな。拘束されるのは嫌だ。

  • 分別のある大人が、子どもの妄想を本気出して考えてみました、という点において、こんなに馬鹿馬鹿しくも魅力溢れる活動ってないなーと思う。金のある大人の缶けり、とか、明朗な大人のかくれんぼ、とか、そんな類の小説。エンタメの極地だと思う。透明人間になったら、女風呂を覗いてやろう、程度の発想から、現実的に透明人間になる科学的論拠を考えたり(それは幾分稚拙に感じたが)、透明人間になったら、どんな不具合が生じるかとか、逆にどんな利益があるかとか、本気出して考えてる。馬鹿馬鹿しいことを本気出して考えてる。それが素敵だ。

  • おもしろかった。透明人間になった場合の格好の暮らしの手帳という表現があったがまさにそのとおりだと思う。

  • 主人公ニック・ハロウェイはエリート証券マンだが、ある日分子物理学博士の小さな会社の新しい発明の発表に参加し、爆発事故に遭遇し、透明人間になってしまう。一人の一般的な生活を送る普通の30代男性がある日突然透明人間になり、生活をすることになる話である。
    もちろん秘密組織から追われたり、それに反抗して逃げたり、危機一髪の場面もあるが、全体的にコメディ要素が満載となっている。
    追う側も逃げる側ももうちょっと方法がありそうなものだがとストレスを感じそうだが、登場人物のキャラでカバーしているのではないかと思う。
    とりあえず透明人間は苦労が多いということが書かれている。
    読んでいると主人公ニックに愛着がわいてくるのが不思議である。

  • 透明人間が逃亡中!何だかグロテスクな話だし、奇妙に思われる。いかにも形而上的存在のはずなのに、いささか俗っぽすぎるではないか…。だがそれは、ニューヨークという人口超過密地帯だから起こりうる、人間と人間の数段ズレたすれ違いなのだ。

    透明人間は「普通の」人間であることを拒否された人間だ。普通の人間には、いちいち「普通の」という形容詞がつかない。裏返せば、形容詞がつく人間は、普通ではない。それに、いちいち形容詞をつけるくらいだから、よほど風変わりな特徴を持っているということである。透明人間は、「透明の」という部分ばかりが強調されている。それは、もはや(普通の)人間とは同じ扱いをしてもらえず、「透明」ばかりが興味の的となる。

    透明人間当人であるニック・ハロウェイさんは、これをどう捉えるだろうか。そりゃ嫌である。不運な事故のせいで、急に人扱いされなくなっただなんて。秘密情報機関だか何だかみたいな物騒なところに捕まったら、それこそモルモットと同列ではないか!だったら、逃げる、隠れる。透明人間は隠れるのが得意な種族なんだよ。

    だが、ニックも人の子である。誰かと関われないと寂しい。なにか憂さ晴らしがしたい。例えば――恋。なんやかんやで、アリスという女性とであう。やっぱり孤独は耐えられない。

    そんな「人間」関係は、うまく続くのだろうか…?ジェンキンズ一行もなかなか諦めない。ニックは男になれるのだろうか?

  • 透明人間として生きるということは、誰にもその存在を認めてもらえないということ。
    それは実存在として社会的に認められないということでもあるが、何より「目に見える」存在としての自らのアイデンティティを失ってしまうことでもある。
    誰かに見えないということは、誰かに見られる自分も存在しえないということなのだ。

    主人公のニックは数々のピンチをその機転で乗り越えていくが、誰かに自分の存在を認めて欲しいという衝動にどこまでも悩む。
    ごく普通に誰かとおしゃべりをしたい。電話越しや、真っ暗闇の中ではなく。ただ、お互いに向かい合って、僕という人間と向かいあって、何の不自然な心配をすることもなく・・・。
    不思議なのは、そんなニックが決して絶望しないことだ。彼は透明人間になってしまった自分に、たくさんの失望をする。しかし、決して絶望はしない。透明人間としての生活をサバイバルして、どうにかこうにかやっていこうとし、実際に着々と目的を果たしていく!

    もし、この文庫に登場人物一覧がついていなかったら、私はきっと「ニックはずっと一人で生きていくんだろうな・・・」と疑わなかっただろう。それくらい、透明人間になった彼の生活は孤独であり、それがリアルに伝われば伝わるほど、他者と「ごく普通に」関わることが不可能としか思えないのだ。
    しかしこの文庫には、登場人物一覧がついていた。そしてその中に「アリス・・・透明人間の恋人」とあった。
    一体どうやって彼は恋人を手に入れるのか? また、透明人間の恋人となるアリスとは、一体どんな人物なのか?

    一言で言えば、アリスはとってもハッピーな恋人だった。
    皮肉で言っているのではない。ああそうか、こういうのがありなんだな、と私はほほえましくなったのである。このアリスが登場するのは、上下巻に及ぶこの本の、本当に最後の最後あたりなのだ。
    ずっと孤独に耐えてきたニック。ずっと一人だったニック。そんな彼の常識を軽々と越す女の子――それがアリスだったのだ。
    そう、人生は奇想天外。この本の主人公が透明人間になったことよりも、透明人間に恋人が出来て、その恋人の考え方のほうがよっぽど奇想天外で、私はその奇想天外さをハッピーだと思ったのである。

    濃い部分と薄い部分の差が激しく、ストーリー全体は非常にまだらな印象。面白いかと聞かれればうーんと唸るものの、いい本?と訊かれたらたぶんね、なんて答えるかもしれません。

  • ウォール街の証券アナリストであるニック・ハロウェイは、施設で起きた謎の事故で、透明人間になってしまった。
    現場を探索していた物々しい連中を見て、モルモットにされるのはごめんだと一人で逃走。
    クラブの空室や戸棚に潜み、夜中に厨房に降りて一日に一度の食事をし、プールで泳ぐ日々。

    秘密情報機関の大佐ジェンキンズは透明人間捕獲の責任者。
    追いつ追われつ、隠れ場所を変えていく。

    孤独な日々が続いた後、ある日突然恋に落ちる。
    パーティーで幽霊の話をしていたアリスという女性に近づくのだ。
    透明な彼に戸惑いつつ、応えてくれた彼女。
    全身を覆って、仮面舞踏会に参加したりするまでになる。
    二人の暮らしを守るため、ジェンキンズへの反撃を考えるが‥?
    いきいきとした語り口、奇想天外な展開~面白かったです!

  • 2005年9月13日購入。
    2009年11月22日読了。

  • 知人にもらった本でした。
    透明人間に急になってしまったらどう感じるか、どう生きていくかという描写がホントうまかった。

  • 海外に行く友人に、機内で読むように買って贈ります。

  • いや、下巻の方が面白い。展開が早い。作者はこれを書くにあたって、相当透明人間になりきったと思う。リアリティがある。

  • なるほどリアルで面白かった。終わり方も好きだった。上巻より下巻がよかったかな。
    でも、ベスト30の第1位にはならないかも・・・。あとがきにあったように、恋人はもうちょっと早くに出てほしかったな。

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