不思議の国のアリス (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (181ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102401019

感想・レビュー・書評

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  • 何度読んでも頭に入らない内容。
    だからこそ何度も楽しめているのだが。

    テニエルの不気味なイラストもすばらしいが、やはり金子国義のイラストは一級品!
    もっともっとイラストがほしい!

    言葉遊びの面は、よくわからず。
    (矢川澄子の訳はいいと思うけど)
    ただびゅんびゅんと流れていくイメージの像を追うのみ。

    アリスは現代においてかなりハイクラスに位置する象徴的キャラクターだけど、何がそれほど人をひきつけるのか。
    たぶん童話と小説の違い。
    童話の主人公はみんな理性的・常識的人物。
    それが歪んだワンダーランドを旅するので、現れるキャラクターやオブジェが純粋に「楽しい」。
    それに比べて現代小説は、主人公が歪んでいる。
    社会からの抑圧であったり、性的抑圧(結局は社会の要請だが)であったり、対人関係であったり。
    単純な楽しみが得られない。

    アリス物語のいいところは、アリスが常識的人物であり、なおかつワンダーランドを比較的容易に受け容れる体質であるところである。
    (冒頭の兎穴や、「わたしをお飲み」など)
    最後の最後で「あんたたちなんて、ただのトランプじゃない!」という台詞が現れるのは、
    物語をカーニバル的に終えるという意味合いもあるが、アリスのこういう微妙な性格を示している場面でもある。

    白紙でもなく、びっしり書き込まれた真っ黒な紙でもなく、可塑性(プラスティック)があるということ。

    「おしまいに姉さんは、この小さな妹が、このさきいちにんまえの大人になったときのことを想像してね」で始まる最後の段落は、
    今回読んで気づいたのだけれど、たぶんキャロル自身の思いでもある。

  • ものみな金色にかがやく午(ひる)下がり ではじまる詩。 第一章「ウサギ穴をおりると」 姉さんのそばにすわっていたアリス。 白ウサギが「たいへんだたいへんだ遅刻しそうだ」 そして「ぐんぐんぐうん落ちること落ちること」 不思議の世界に入っていく。

  •  この本の感想を一言で言うなら、己の異物感。主人公アリスの目線で本を読み進めていくが、登場人物との会話が全然噛み合わない。というか、登場人物らの言っていることがよく分からない。共感できない。読んでいる途中から、共感の試みや理解することを放棄したほど。だから、自分って異物なんかなと感じた。
     それでも歩みを進めないアリスは強いと思ったし、最後の裁判で声を上げるところも応援しながら読んでいた。

  •  これも何度手放しても買ってしまう本。

     他のアリスも読んではみるが、ピンとこない。
     結局、自分の中では矢川澄子翻訳版が一番しっくりくる。

    例えば
    88-89ページ

    'Would you tell me, please, which way I ought to go from here?'
    「あのう、わたくし、ここからどの道を行けばいいか、教えていただきたいんですけど」

    'That depends a good deal on where you want to get to,' said the Cat.
    「そりゃ、あんたがどこへ行きたいかによるわな」とネコのこたえだ。

    'I don't much care where—' said Alice.
    「どこだっていいんですけど──」

    'Then it doesn't matter which way you go,' said the Cat.
    「そんなら、どの道だってかまわんだろ」

    '—so long as I get SOMEWHERE,' Alice added as an explanation.
    'Oh, you're sure to do that,' said the Cat, 'if you only walk long enough.'

    「──どっかへ行きつけさえすればね」アリスがいいそえると、ネコはネコで、
    「あ、そりゃ行きつけらあ。ちゃんと歩きつづけて行きさえすりゃあね」


     こんな具合(と、アリスを読むと言いたくなる笑

     少し気取った言い回しと、他の翻訳にはしっかりと全文についてくる「と、アリス」「とネコ」の部分が省略されているのも読み易い。

    「らしさ」を求めると、この翻訳が一番自分好み。



  • 気楽に読めた。有名な話だけど、詳しいところは知らなかったので読んでみた。ファンタジーな世界に連れて行ってくれる。何度でも読み返せそう。

  • 世界観が好き。

  • 不思議の国のアリス (新潮文庫) 原作者であるルイス・キャロルの作品です。

  • 偏愛している矢川さんと、画家の中で偏愛している
    金子國義さんの挿絵が入っている、数多あるアリス
    の翻訳本では、最高に贅沢な本だと想います。

  • 一時期厨二病ですた。

  • いろんな翻訳の「アリス」を読みましたが、矢川澄子さんが訳した本書がいちばんやさしい感じがして好きです。

    論理立てて一本筋が考えられているゆえに収まりがいい「鑑の国」よりも、発想がでたらめでめちゃくちゃで楽しくなれる「不思議の国」のほうが好み。
    ドジソンとアリスのはしゃいだ会話が聞こえてくるような、、というと想像しすぎかな。

    一時期「アリス」にめちゃはまっていろいろ調べたりしたので、読んでいてどうしてもドジソンさんに情が入ってしまいます。

著者プロフィール

ルイス・キャロル (Lewis Carroll, 1832-98)
イギリスの作家。本名Charles Lutwidge Dodgson(チャールズ・ラトウィッジ・ドッドソン)。チェシャー州の牧師の家に生まれ、オックスフォード大学クライスト チャーチ学寮に学び、卒業後、同大学の数学講師となる。『不思議の国のアリス』(1865)、『鏡の国のアリス』(1872)の作者として最もよく知られているが、本来の数学者・論理学者としての、また最初期のアマチュア写真家としての功績も高く評価されている。

「2021年 『鏡の国のアリス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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