血も心も―新吸血鬼物語 (新潮文庫)

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制作 : エレン ダトロウ  Ellen Datlow  小梨 直 
  • 新潮社 (1993年4月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (557ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102404010

血も心も―新吸血鬼物語 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 何故今頃この古本を買ったのか思い出せない……が、
    ともかくも、20年ちょっと前に出た
    「広義の」ヴァンピリスムを扱った作品を集めました、
    というアンソロジー。
    文字通り吸血行為が描写される話もあれば、
    他者の精神的なエネルギーを盗み取る、
    あるいは空費させるといったパターンもある、全17編。
    後者はいわゆるモダンホラーの括りに入ると思われるが、
    自分の好みはゴシック系なのだと再認。
    文体も端正な方がよい。
    ということで、個人的ベストは……

     1)キルワース「銀の首輪」
       吸血鬼に惚れた女性が
       身を守るため、細工師に銀の首輪を注文するが……。

     2)ホールドマン「ホログラム」
       ヴァンピリスムをテーマにした詩。
       娘を溺愛し、その成長を記録した父親の末路。

     3)ドゾワ&ダン「死者にまぎれて」
       ナチスによって強制労働に従事させられたユダヤ人の中に
       吸血鬼が……。
       
    次点は人の心を操る特殊能力者を描いた
    ダン・シモンズ「死は快楽」。
    清々しいほどのスプラッタ加減に笑ってしまった。
    過ぎたるは猶及ばざるが如し。
    血飛沫は多けりゃいいってものじゃないです(笑)。

  • 既に絶版になっている新潮文庫刊のホラー・アンソロジー。
    海外のホラー・アンソロジーについて言及される時、たいてい名前の挙がる1冊のようだ。
    サブタイトルから「吸血鬼」もの、単純な「ヴァンパイア」テーマかと思われたが、編者の考える‟ヴァンパイアリズム”とは
    『他人のエネルギーを吸い取ること、あるいは意思や生命力そのものを奪うこと』
    であり、それは原題‟Blood is not enough(血だけじゃ足りない)”にも現れていて、それ故、収録作品に登場する異形の存在には、オーソドックスに首筋に噛み付いて血を啜る者もいれば、意思、感情、人生そのものの記憶すら欲する者までと、バラエティに富む。

    同じヴァンパイアテーマのアンソロジーながら、オーソドックスな‟吸血鬼”作品が中心の「ヴァンパイア・コネクション」(角川文庫刊)と読み比べてみても面白い。

  • 吸血鬼がテーマというより、吸血鬼の行う行為(人間の生命力や意志を奪う)がテーマのアンソロジー。なので、血を吸う吸血鬼だけでなく他人のエネルギーや生命力を奪うタイプもいて、オーソドックスな吸血鬼を期待すると肩透かしを食う。中には、これは吸血鬼なのか...?と首を捻りたくなるものも。
    これを読んで、私はオーソドックスな吸血鬼が好きだなぁと思った。

    不思議の国のアリスの詩を題材にした「海はどこまでもぬれにぬれ」ゴシックな正統派「銀の首輪」が特に気に入った。
    キリストが蘇らせた男を主軸に添えた「ラザロ」吸血鬼がユダヤ人強制収容所の収容者として出てくる「死者にまぎれて」も面白かった。

  • 血がお好きな方へ(* ̄ー ̄)

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