孤独の発明 (新潮文庫)

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制作 : Paul Auster  柴田 元幸 
  • 新潮社 (1996年3月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (307ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102451038

孤独の発明 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 「見えない人間の肖像」と「記憶の章」の二部構成からなる長編。あらすじ的にはオースターの自伝。でも自伝的小説というのには当たらない。解説にもあったようにオースターの精神の成り立ちをあぶりだすような作りになっている。こういう内省的な小説は自分に合わないものだと吐くくらい気持ち悪いけど、オースターの孤独を通り越して空虚な感じはやっぱり好きです。最初は本当怖いぐらい空っぽな父親の空っぽが息子を孤独にしていく過程が恐ろしかった。でも「見えない人間の肖像」は進むにつれて父親の人間的な部分も見えてきて混乱する。一人の人間を語るのには混乱がつきものなのだろうけど。たくさんんの部屋を通して見る孤独、物語ことの重要性。

  • 父の肖像はわからない。
    父という存在は、知れば知るほど自分と遠ざかると思うのは全世界共通なのだな、と。それを改めてつきつけられる。だよね、と。
    最も近い人とも実は分かり合えていなかった、という悲しくなる事実を、避けては生きていけない。知らないといけないのだ、と思うこと自体は非常に重要なことだと思う。それは真摯さか、父を通した自己探求か、ただの好奇心か。

    調べる前から虚しくなるとわかってて進んでく作者はマゾに思える。
    自分もそうなるかもしれない。

  • 父親の記憶、ユダヤ系であること、子どもの頃の記憶。そういった記憶を通して様々な考察をしている作品です。
    考察も深く、考えさせてくれるものですが、同じような記憶があったりして、共感できるものもあります。
    なにかを考えたいとき、ぜひ。

  • 後半が抜群によいと思う。幾つもの引出から幾つもの物語をが出てくるところがさすがという感じだ。

  • 記憶の書。死と記憶。語り続ける事と生きる事—シェラザード、ピノッキオの寓話。

    「彼はこれ以上先に進めない」

    ・・・かなり暗い。

  • 書くこととは記憶すること、存在しない父をめぐる。語り続けることで生き続ける。

  • ポール・オースターの自伝的小説
    「見えない人間の肖像」「記憶の書」の二篇。

    「見えない人間の肖像」はオースターの父親のことを主に記したもので、読みやすく内容としても面白い。

    父はいわば恒久的な部外者、自分自身の旅行者になっていた(p16)

    こうあるようにオースターの父親は積極的に人生を生きるというより一歩離れたところに佇むような、家族との関わり方も心の通い合わないようなものだったらしい。
    こういうひと、いるなあと自分の周りにいるひとに重ねて読めたためオースターの気持ちも父親の気持ちにも添いやすかった。

    「記憶の書」は、オースターに言わせればこちらこそ書きたいことで重要らしいのだが、読みにくい。
    どこまでが事実でどこからが空想なのかなど曖昧でわかりにくい。

    一度読むだけでは何を伝えたいのか正直言ってわからなかったことが残念だった。
    翻訳ものでは読み返すと見えてくるものもよくあるので、また時間を置いて読んでみたいと思う。

  • 2015/09/28 読了

  • オースターが小説家として名を上げる前の作品。詩人として活動していた時代から小説家に転身するまでの移行期の作品だけあって小説としては観念的・抽象的すぎてよくわからなかった。オースターを読むならこのあとのニューヨーク3部作以降の作品から読むのが吉。

  • 今までオースターの本を5冊ほど読んでずっと感じていた、捉えどころが無くメランコリックで空虚な感じ。なぜオースターの作品はそうなのかが、よく分かるような自伝的作品。

    「見えない人間の肖像」は読んでいて恐ろしかった。オースターの父の底なしの空虚が。息子オースターの内にも外にも満ち満ちている孤独が。彼らの、常に紗幕越しであるかのようなぎこちないふれあい。そこにほんの時おり、目が合ったように思える一瞬があったのだと思うと切ない。オースターが空虚な父を発見して理解していったように、いつか私も子供に見透かされるのだろう。


    後半に収録された「記憶の書」は、あまりにも断片的で、集中力が途切れてしまい残念ながら読み通せなかった。

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孤独の発明 (新潮文庫)の作品紹介

私の父は、52歳で離婚し、ニューアークの家で、ひとり孤独に死んでいった。父の死を伝え聞いた私は、15年ぶりに帰郷し、遺品の数々と対峙する。そこで、私は一冊のアルバムを見つけた。夥しい父の写真。私は曖昧な記憶をたどり始める。父の孤独な精神の闇。父の父(祖父)をめぐる不幸な殺人事件…。見えない父の実像を求めて苦闘する私。父子関係をめぐる著者の記念碑的作品。

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