- Amazon.co.jp ・本 (532ページ)
- / ISBN・EAN: 9784102451045
感想・レビュー・書評
-
君が手にするはずだった黄金について(小川哲)に、出ていた本で、かなり興味をそそられたので読んでみた。
結果、かなり時間をかけてやっとこさ読了(笑)
退屈になりそうになると、少し興味がわくシーンへと続く展開が数回ある。
のんびり旅の電車が好きな方は、車中で読むのにお勧めする。そして、時代背景を楽しみに、古典を紐解くのも悪くない。
更に「ミスター・ヴァーティゴ」も面白いと彼女(君が手に・・・に出てくる)が言っていたので、これもブックマークしてある。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
悪くない…悪くはない。むしろ良いと思う。
けど好みじゃない。
数冊読んで好みが出てきたからなんですが…
たくさんの大事な人を得てそして失ってきたこの主人公の心はとても繊細で破滅的。
主人公なのに彼のエピソードの部分だけが好きになれない。
そして希望を見出したように見える最後のあのシーン…
あのあと彼は色々な事とちゃんと向き合えたのか、これからの人生でおこるであろう様々なことに立ち向かえたのか。
1冊分の彼の人生をみてきた後では不安が残る…
キャラが好きじゃないなと思いつつこんなことを思ってしまうのは共感してしまったのか作者の描写がとても上手なのか。
ああいう感じに終わるのはいいんですが、彼のキャラクターを考えるともう少し違うエンドが欲しかったかな。
この作者は4作目ですが自然に読める翻訳には毎回感心してしまいます。素晴らしい。 -
なんともジャンル分けしにくい本を読んでしまった。
中身じゃなくて、心がからっぽな人間の数奇な人生という感じ。
私は読書に繊細さ、あるいは強固なものを汲み取るのだが
この本は私とは性別が違うとはっきり言うことができる。
おもしろいがあんまり共感できなかったので★3つ-
讃歌さん、はじめまして!
関西出身で東京在住、
読書は勿論、映画と音楽と猫には目がないプロボクサーです。
遅くなりましたがフォロー...
讃歌さん、はじめまして!
関西出身で東京在住、
読書は勿論、映画と音楽と猫には目がないプロボクサーです。
遅くなりましたがフォローありがとうございました(^o^)
奇遇でビックリしたんですが、
今ちょうどこの本23年ぶりくらいに再読中で、
あれ?こんな話だっけ?って
延々と続く荒唐無稽なエピソードの数々と格闘しております(笑)
それにしても、素敵な本棚のラインナップですね。
感覚的で独創的なレビューにも
かなり惹かれました。
またオススメありましたら
教えていただけると嬉しいです。
ではでは、これからも末永くよろしくお願いします!
あっ、コメントや花丸ポチいただければ
必ずお返しに伺いますので
こちらにもまた気軽に遊びに来てくださいね。
(お返事は仕事の都合によってかなり遅くなったりもしますが、そこは御了承願います…汗)
ではでは~(^^)
2015/05/31
-
-
ポールオースター
-
作者曰くコメディ、らしいけどめちゃくちゃバッドエンドで切ない
-
人生を放棄しかけたところで奇妙なアルバイトを始めたマーコ。雇い主の老人の依頼を遂行するうちに彼は生きる実感を取り戻し、更に自分の出生の秘密にたどり着く。喪失から始まりへ。そこに愛のようなもので一気通貫させてるような気にもさせるが、そこはどうでもいい部分だ。人生には色々な側面があって、そこには色々な自分がいる。人生はそういうものであり、それをそのまま受け入れるしかないのだ。
-
すごい好きな内容なはずなのにすぐ内容をわすれてしまう作品
-
著者の作品は三冊目。毎作品根幹にある【喪失と再生】は著者の普遍的テーマなのだろうか。今作はロードムービーテイストの親子三代に渡る大河的なストーリー。彼らの悲劇的かつ喜劇的な人生を『著者唯一のコメディ』と評されると確かに合点がいく。興奮と退屈が交互に訪れる起伏の激しい展開だが、この掴み所のない冗長さが終盤戦への前フリとは思わなんだ。しかし、今作の作中掌編のディテールには流石に閉口する。私は作中の『人は絶望によって解放される』という台詞がとても印象的。余談だが、チャンドラーの影響を既読作品中最も色濃く感じた。
-
サバイバルな展開って王道におもしろい。お金がないときの生活の苦しさはちょっとお金に困ったことのある人なら共感できると思う。ポールオースターの小説は変な人ばっかり出てくる。普通にいたら距離を取られちゃうようなアウトサイダーな人たち。車椅子の気性の激しいおじいさんとか、めちゃくちゃ太ったおじさんとか。キャラが濃すぎて、大袈裟で嘘っぽい。死に方も浮世離れしてて、ザ・現代アメリカ文学っぽい。たくさんの別離が描かれてて、なかなか切ない。チキンホットパイが品切れで気持ちが切れちゃうとこがよかった。あと前半の、最後の卵が割れちゃって絶望するところ。ギリギリで生きてる場合、そういう小さいことでプツンと切れちゃうんだろうなと。でも後から振り返った形式で、今の主人公は再出発した位置から書いてるから、爽やか。けど当時はすごくヒリヒリした感情的な気持ちだったこともわかって、まさに青春小説って感じ。人生のある嵐のような時期を思い出して書いている。内省的。年代とか実在の野球選手とか地名とかはっきり出てくるのに物語は浮世離れしてる浮遊感が魅力。
以下引用
訳者の柴田元幸氏は"偶然による愉快な展開のすぐ横に混沌の暗い深淵がぽっかりと口を開けてる古典的なイギリス小説を思わせる"と、この作品の立ち位置を捉えてる。
また、"コメディーは、いつ陰惨な悲劇に転じても、不思議ではない事が見える時、正当な切実さを獲得する"と見事に解説し、オースター自身唯一のコメディー作品となるこの一冊を"物語の欲望を目一杯満たしてくれる"と、手放しで評価する。