偶然の音楽 (新潮文庫)

著者 : ポール・オースター 柴田元幸

• 新潮社 (2001年11月28日発売)

感想・レビュー・書評

[わかさんの感想 · 2008年5月19日]

偶然というのは止めることはできない。
なりはじめた音楽のように。

[中の人さんの感想 · 2022年6月3日]

ラストえぐう、一人称視点だからこその面白さ

[シキモリさんの感想 · 2021年5月7日]

父の遺産を元手にアメリカ全土を旅するナッシュと饒舌でナイーブな若き博奕打ちのポッツィ、二人の出会いから始まる賭博小説…かと思いきや、とあるポーカー勝負をきっかけに物語は思いもよらぬ不穏な展開に。解説によると、前作「ムーン・パレス」の姉妹作的な位置付けのようだが、物語の持つ性質は真逆である。孤独感も猜疑心も他者と関わりを持つことで生まれる感情だが、ナッシュは道理を弁えているが故に、段々と自己コントロール力を失っていったように思える。自身を縛るものからの逃避行の果て、彼の選んだ最終手段はあまりに破滅的だった。

[minuan_mさんの感想 · 2020年9月6日]

知人に勧められ、読んだ。
ポールオースターのエッセイ「孤独の発明」を以前読んで、その雰囲気が少し心に残っていたので、
読んでみた。

結果・・・
なんて破滅的な展開だ。
心が暗くなってしまった。

タイミングによっては、こんな破滅を求める気分の時もあるのかもしれないが、
たいていの時は、そんな破滅は求めていない。

[isukeeさんの感想 · 2017年12月28日]

本作への予備知識なくて、ロードムービーのような 旅すること・移動することによる 成長や再生 癒しを主題にした作品かなって想像して読み出したら、全然違った！
無軌道な移動は序奏で、本編は移動を止めた時以降にあった。
三人称によるナッシュの心理描写が緻密で、一進一退を繰り返すジリジリ感が堪らない
無軌道な、堕ちた自分に決別してリスタートしていくための過程を描いているはずと捉えて読み進めていただけに、ラストの描写には 驚かされた
読了後に その衝撃が徐々に薄らいで 落ち着いて改めて振り返ると、一進一退の「退」が刹那的に顕在化した結果がラストであったと思った
生きていれば、また一進一退の物語が続いているのかも、と想像した、ナッシュのその後は読者に心に委ねているかのよう

[debuipipiさんの感想 · 2016年7月2日]

なんと読み始めてから読了まで5ヶ月．間に体調が悪かった時期があるにせよ、なんとも進まない本だった。
もうこういう話はいいかな。他に読むものもあるしね。

[minneさんの感想 · 2015年3月11日]

映画にするなら、ポッツィは若いときのルパートフレンドに演じてほしい。

[ken7ynwaさんの感想 · 2012年3月5日]

＜突然２０万ドルの遺産を相続することになったナッシュ。
　旅に出た彼は、資産が底に着きそうなった時に一人の男と出会う・・・＞

著 ポール・オースター

すっごい久しぶりのオースター。
彼もアメリカ現代文学の旗手の一人。
ジョン・アーヴィングが純文学とエンターテイメントの架け橋になった人なら、
オースターは純文学とミステリー＆ハードボイルドの架け橋となった人とかどこかで読んだ気がする。
昔、「幽霊たち」と「ムーン･パレス」を昔読みましたがほとんど忘れました　笑

非常にクールな冷めた文体で語られるのは
旅と出会いから徐々に不条理な世界に迷い込んでいくという独特の世界。
主人公ナッシュがパラノイアにはまっていく様、人間というものが徐々に壊れていく様はあまりに恐ろしい。
でも次がどうなるのか予想がたたないストーリーなのでページをめくる手を抑えられませんでした。


他のオースターも読む！！

[seanさんの感想 · 2011年8月25日]

延々とした作業
突き放すようなラスト

[qumicotさんの感想 · 2011年2月16日]

ムーンパレスの続きのようなストーリー、ハラハラドキドキの青春冒険小説かなと思いきや…。え？という展開。もう一度読まないとな。。