ナショナル・ストーリー・プロジェクト〈1〉 (新潮文庫)
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この作品に関連する談話室の質問
この作品からのみんなの引用
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母がツリーの前に立って、見覚えのある小箱を手にしています。戸口にいる私を母が見たかどうかはわかりません。母は泣いていたのでしょうか?
箱を開ける母の両手が震えて見えました。母は飾りを目の前に掲げました。私ではなく、ツリーを見ながら。
「マリア」と母はささやくような小声で言いました。その声はどこかいつもと違って、奇妙に聞こえました。「……この人形はお前と同い歳なんだよ」
そして母は、キューピーをツリーに吊しました。
― 236ページ -
そのとき、ジェイニーの言葉が甦ってきた。「とにかくやるの」
― 172ページ -
ジェイニーは「とにかくやるのよ」と言った。
「どういうこと?」
「とにかくボストンへ行く。とにかくプロヴィンスタウンへ行く。あれこれ考えない。やるの」
私がこれまで受けた最高の助言である。
― 172ページ
みんなの感想・レビュー・書評
「私たちは完璧であったことはないが、私たちは現実なのだ」
アメリカは日本と違う歴史と文化と事情があるし、わからない話もあったし、文章構成のわからない話もあったけど、
それでも、共感したりほろっとしたりすごいなぁと思ったり、楽しめました。
普通の人々の寄稿という性格上、所謂オチのない単なる事実のとも言える話も多いです。でもそういう話の方がわざとらしさや大げさな感じがなくてかえってリアルに心に響きます。「ファミリー・クリスマス」の泣かせるリサイクルプレゼントが心に残りました。
これ最近、新潮文庫にも入ったんだけど、ポール・オースターがラジオで呼びかけて視聴者が自分の記憶に残る大切な話を書いて送ってくれた4,00以上の中から170くらいの話を選んでラジオで放送したものを活字に起こしたもの。9.11のテロの2日後に出版された、テロと戦う国家アメリカとは全く別のアメリカに触れられる、ちょっといい話・アメリカ版。
戦争の話、恋愛、喜劇、不思議な縁、死別、いろいろ。心温まる一冊。
偶然と必然のあいだに、
どれほどの差があるのかわからなくなるような、
実話の数々。
人には一人一人、その人が生きる物語があることを、
あらためて感じた一冊。
Paul AusterがNPRを通じて全米から集めた実話が179話収録されており、1話ずつに人生があり、アメリカがあった。誰が読んでも、共感できる実話が1つはあると思う、お薦めの本。
個人的には、ラスカル、罪を洗うこと、思い出す営み、ケーキ、の話が好き。
世界って、思ったよりずうっと狭いんだなあ…と感じた。アメリカの文化の知識があれば、より楽しんで読めそう。
vol.1とvol.2があります。表紙はvol.1の方。
ちょっとええはなしやちょっとおもろしろいはなしやちょっとほろっとくるはなしをしたがる人々について考える。だれだってひとつやふたつそういうはなしを持っているものだろう、とわたしは考えるほう。
実は、ポール・オースターの「トゥルー・ストーリーズ」(新潮文庫・2008年1月)は、2年ほど前に読んで、実に面白いと思った作品で、今回の「ナショナル・ストーリー・プロジェクト」は、その素人版に当たる。 「トゥルー・ストーリーズ」は、著者自身の人生に起きた奇妙な事件だけを書き記した短編集だったけれど、この「ナショナル・ストーリー・プロジェクト」に集められた話は、ポール・オースターがラジオで呼びかけたことで、全米から集まってきた無名のライター達による無数の「トゥルー・ストーリー」をセレクトしたものだ。 本当に、人間の身の上には、偶然とか奇跡としか思えないようなことが起きる。誰しも、どこかに神様がいるのでは思うような不思議な体験を一度はするものだけれど、これはそういった「事実」の膨大な集積で、読むにつれ頭がくらくらしてくる。とにかく面白い。
ラジオ番組に投稿された実話180話。
全米からというだけあって物語の色が様々で惹きこまれます。
同時に、これだけの人にちょっとずつ、不思議な偶然が降ってきたんだなぁと考えるとドキドキしました。
1センテンスずつゆっくり読み返したいです。
物凄く「奇跡!」って話に思えないのは、やはりこの手の話をかなり読んできたからだろうか。
だったら、つまらなかったかというと、面白かった。
「そういうこともあるんだな」と思える。
「そうあるべきなんだよな」とも思える。
あまりに悲しくて悲惨な話には無言になる。
やはり家族との絆を描いた作品に心が惹かれる。
でも、これアメリカだけじゃないよね。
日本だって同じこと。
つまり人間の根本はみな同じってこと。
ってことは、イラクの「絆」だって、イスラエルの「絆」だって、ガザ地区の「絆」だって同じ。
それなのに……。
ポール自身が「誰もがこの本を最初から最後まで読んで、一度も涙を流さず一度も声を上げて笑わないという事態は想像しがたい」と書いている。
彼の言葉に偽りなし。
かなーりー長い間読んでました。春ゴロに読み始めた気がするもの。ちょっとしたちょっと不思議だったり、こころがぽっとしたり、きゅっとなったりする実話が納められている。旅行中なんかに読むとぴったりな気がする。なんとなく。見えない力がはたらいていることを信じたくなる本。
面白かったー!本当にこれはいい企画。どの話もすごく面白かったけど、やっぱり第二次世界大戦、ベトナム戦争、あとは貧しい時代や家庭の話が心に残ってるかなー。お気に入りは『自転車物語』『縞の万年筆』『人形』『金の贈り物』『思い出す営み』……いっぱいありすぎる。事実は小説より奇なり、とはまさにこのこと。
「翻訳シャドーボクシング」のテキストとして、
購入。
今とりくんでいる、チャンドラーの「ロンググッドバイ」とは
またリズムが違って、一話完結なので
取り組みやすそう、と。
原書:"I Thought My Father was God"
2009/07/02 読了
ポール・オースターが全米の一般人から集めた「事実」の話。
一般人から寄せられた数々のエピソードが収録されている。
アメリカという巨大な国家の中で、さまざまな生活をしてきた人たちが
それぞれの人生の小さなエピソードを持っている。
それを知る機会はそう多くはない。そういう意味では興味深い。
ただ、その小さなエピソードはやはり根本似かよっているものも多く、
ずっと読むには単調かもしれない。
元はラジオのために集められた全米の実話たち。最初はオースターが編集しているとはいえ彼の書いたものじゃないしなー、とか思って買ってからずいぶん長い間読まずに放っておいたんですが、ばかでした。人生ってすばらしい!と叫びたくなる最高のお話がつまってました。読んで良かった!!
ほんとかよ〜
と思う話もちらほらあるけど
それぞれに色々な人生があり
その全てが物語として存在し
あの国をこの国を作っている
さまざまな市民の物語からアメリカを感じることができる。日本版のナショナル・ストーリーはないのかな。
めちゃくちゃ面白かった。
すべて実話であるということが、こんなにパワーをもつとは。
いろんな人に薦めている。
素敵な偶然、というのは誰の人生にもかならずや起きているもの
ということに改めて気付かされました。
最近の私は「あなたに起きたびっくりするような偶然の話をして」と聞いてまわっています。

ポール・オースターがラジオで一般人から募った実話集。
中には戦争や貧困に関するものもあり、今昔アメリカのリアルが見られる。
(素晴らしい本や映画よりも)
どんな人生にも最高なユーモアや感動や...





