彼らはヴェトナムへ行った〈下〉―陸軍士官学校’66年クラス (新潮文庫)

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制作 : Rick Atkinson  平賀 秀明 
  • 新潮社 (1995年5月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (572ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102457023

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彼らはヴェトナムへ行った〈下〉―陸軍士官学校’66年クラス (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • アメリカ陸軍士官学校。通称ウェストポイント。入学時には807人いた
    1966年卒業クラスは4年間で100人以上がウェストポイントを去り、
    卒業時には700人以下になっていた。

    時代はヴェトナム戦争の真っただ中。卒業後に少尉として任官した
    66年クラスは当然のようにヴェトナムへ行った。

    後に「士官の墓場」と呼ばれるヴェトナム戦争では、少尉・中尉・
    大尉の多くが命を落とした。そして、66年クラスはウェストポイント
    卒業生のなかでも多大な犠牲を出すことになる。

    ある者は自身のライフルで命を落とし、ある者は味方の爆撃に
    よって命を落とした。同期生が次々と亡くなる戦場へ、それでも
    彼らは行った。祖国の為に。

    だが、その祖国は彼らに冷たかった。いつ終わるとも知れず、多く
    の犠牲を出し続け、膨大な費用がつぎ込まれる東南アジアでの戦
    争に人々は疑問を抱き始めていた。

    最初のヴェトナムでの任期を終え帰国したある者は、空港で見知ら
    ぬ女性に唾を吐きかけられる。ある者はアメリカ国内の反戦運動に
    共感を覚え、ヴェトナムで戦うことに意味を見出せなくなる。

    ヴェトナムを生き延びたある者は、ヴェトナム戦争後に韓国に派兵
    された。勤務地は北朝鮮との休戦ライン。そこで起こった些細な出来
    事から彼は北朝鮮兵士に殴り殺された。

    多くのヴェトナム帰還兵が抱える問題を、66年クラウの何人かも抱え
    ていた。ヴェトナムに拘る夫を理解出来ない妻との関係がぎくしゃくし、
    遂には離婚に至るカップルもいた。

    ウェストポイントの門をくぐる時、胸にあった希望は潰えたのかもしれ
    ない。それでも、彼らを結び付けるのは同期生として過ごした4年間
    なのだろう。

    ヴェトナム戦争で多くの犠牲を払い、4年間の退役禁止期間を過ぎて
    陸軍を去った人数も過去最高を記録した66年クラス。しかし、一部の
    卒業生の尽力もあって、ワシントンDCにはヴェトナム戦没者慰霊碑
    が建立されたことを忘れてはならない。

    戦争に良いも悪いもないが、ヴェトナム戦争ほどアメリカ国内を二分
    した戦争もないだろう。だが、責められるべきは前線に赴いた兵士
    たちではない。

    「輝ける嘘」を吐き続けた軍上層部と、撤退の決断が出来なかった
    政治家たちだろう。勿論、無抵抗の市民を虐殺したソンミ村事件など
    に関与した兵士には同情の余地はないけれど。

    ウェストポイント入学から卒業後の20数年。陸軍に残り生涯を軍人と
    して終えようとしている者。途中退役し第二の人生を送る者。66年
    クラスのヴェトナム後の人生は様々だ。

    上下巻合わせて1000ページ超。66年クラスのひとりひとりの顔が見え
    るような壮大で、苦いドラマだった。

  • 1995年刊行。上下巻中の下巻。

     ベトナム従軍期ラストと戦後模様が叙述される。
     ベトナム従軍者に対する米社会の目線が痛い。また、従軍PTSDや、反軍の雰囲気を是正するために軍残留を決意する士官など、戦後の模様も開陳される。

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