- Amazon.co.jp ・本 (329ページ)
- / ISBN・EAN: 9784102472293
作品紹介・あらすじ
赤い国からの亡命志望者"ラビット"は本物か?彼は何を知り、何を望んでいるのか?CIAと英情報部SISはあらん限りの手段を尽くして真実を追及する。しかし諜報戦の世界に真実はないのだ。仮の姿でモスクワに勤務するCIAフォーリ夫妻は"ラビット"との接触に成功し、天才的な救出作戦を考え出した。そしてCIA分析官ライアンは、生れて初めての工作活動のため、敵地に赴く…。
感想・レビュー・書評
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内容 : 教皇暗殺(Red Rabbit, 2002)
ソ連の影響下のポーランドで反政府運動が活発化する。
ポーランド出身のローマ教皇は共感を覚え、教皇を辞職して支援に向かおうと考えるが、それを知ったソ連は教皇の暗殺を計画する。
実際に起こった1981年のローマ教皇暗殺未遂事件が舞台。『愛国者のゲーム』から半年が経過している。
なおベン・アフレック主演の『新ジャック・ライアンシリーズ』の映画化のために書き起こされた小説であるが、
モデルとなった教皇暗殺未遂事件のヨハネ・パウロ2世が2005年4月に死去したため映画化が頓挫した形となっている。
著者 :
トーマス・レオ・クランシー・ジュニア(Thomas Leo Clancy, Jr., 1947年4月12日 - 2013年10月1日)は、アメリカの小説家。
軍事や諜報活動を扱うテクノスリラー小説を数多く執筆し、また自身の名を冠したテレビゲームの監修も務めた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
第3巻では、KGBの情報将校の亡命をいかに計画し実行するかが語られる。ここまでくると本書の原題のRED RABBIT(亡命者)通りの亡命工作がテーマであることが明らかになり、息詰る段取りが着々と進行する。
ここには、冷戦当時のKGB、CIAやSISといった「その筋」の人物像がリアルに描きこまれており、この人物描写を含めたディテイルこそが本書の魅力となっている。
工作の事前調整を丁寧に描写することでこの後に続くクライマックスへの盛り上がりの下地を創り上げる。
読み応えがある