暗号機エニグマへの挑戦 (新潮文庫)

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制作 : Robert Harris  後藤 安彦 
  • 新潮社 (1996年8月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (629ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102493014

暗号機エニグマへの挑戦 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 第二次世界大戦中にドイツが使用していた暗号機、エニグマによる暗号を解き明かそうと奮闘するイギリスの暗号解析チームの一人、トーマス・ジェリコが主人公。期待されて表舞台に出てくる割に、いわゆる「ヒーロー」的な要素がほとんどないあたり、妙なリアリティを感じさせます。

    登場人物は架空のものとされつつ、エニグマが存在したことは事実で、ドイツのUボートによるアメリカ艦隊の撃沈も事実。そうした史実を物語の主軸として辿りつつ、エニグマ解析とそれに絡んだ一連の「謎」の部分はしっかりとフィクションとして成立させた、読み応えのある小説です。全部で600ページちょいあるけど、2日ぐらいで一気に読みました。特に後半の3分の1は速い場面転換の中で読み手を置いてけぼりにせず、かつ着々と真相に向かって突き進んでいくという、スリルのある展開でした。

    しっかりした推理小説は、最後の一ページまで「消化試合」が無いものだと個人的には考えてます。謎が最後まできちんと謎として存在し、最後の最後に(解決されるかどうかはまた別の話として)きちんと処理されるのが、読み切った直後の満足感に繋がります。その点でこの小説はマル。著者が物語の中に慎重に、かつ緻密に散りばめていたヒントや登場人物によるちょっとした発言が、最後の謎解きに強く影響してきます。その辺が拾えると、もう一気に楽しい。

    ただ、ちょっとだけネタバレになりますが、実はエニグマの解析自体はこの本のメインストリームではないのかな、と感じました。どちらかというと、主人公の暗号解析専門官としての「公」の部分ではなく、そこから離れた個人としての人との付き合いを通じた「私」の部分の謎解きが主軸になっていると思います。もちろん、エニグマによる暗号の解読は重要なトピックですが、そこに主人公の私的な関わり合いに関する謎解きが加わることで、物語が一挙に複雑になっているという、そういう作品です。
    複雑な推理小説が読みたい方はぜひ。ただ、エニグマ暗号の解読はもちろんのこと、主人公の「私」の部分の謎も、よほど注意していないとたぶん解けないと思います。

  • サイモン・シン『暗号解読』で、ドイツ軍の最大の謎だった、エニグマ暗号機に興味をもって、読んでみました。

    ドキュメンタリーを期待していたらなんかフィクションで、一瞬肩すかしをくらったのですが、ハードワークと失恋で心を病み(現代的に解釈するとそういうことだろうと)、半ば亡霊のようになっていた主人公が、愛する人に会いたい!というストーカー紛いの執着を見せた結果、なんだかとんでもない事件に巻き込まれてました、というか、彼自身がトップシークレットの一部なわけで、疲れ果てて思考停止に陥っていた仲間の窮地を救ったりもするわけです。
    最初の鬱々としたところからの展開が急過ぎてびっくりしました。しかも、ラスト数ページまでお話が読めないところにもはらはらしました。

    なんだドキュメンタリーじゃないのか、と思ったのを撤回したいくらい、面白かった。

  • 暗号的な格闘は最後までなかった。

  • (欲しい!) エニグマ/文庫

  • 恋愛は暗号解読にあらず。

  • ドイツの暗号機「エニグマ」に対抗する若き数学者のお話、と思ったらスパイサスペンス的な展開に。しかし、主人公が若き数学者=一般以下の体力の持ち主なために、それほど激しいスタントシーンはなく、エニグマの暗号も一度のヒラメキで時間は少々かかったもののいつの間にか解読されてしまっていたというがっかりな流れ。

    もうちょっと数学者が本気でエニグマに取り組むところが読みたかったが、それはそれで地味で面白くないかもしれないことに気がついた。

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