自覚: 隠蔽捜査 5.5

著者 :
  • 新潮社
3.88
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  • Amazon.co.jp ・本 (257ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103002574

感想・レビュー・書評

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  • 今野敏さんの人気シリーズ「隠蔽捜査」のスピンオフ短編集です。

    今回は署長の竜崎を取り巻く刑事課長や副署長などから見た竜崎が描かれるのですが、これが面白い!

    一話一話、どんどん竜崎の魅力が更新されていく感じでとても楽しく読めました。

    オススメです!

  • 4.5
    短編集です。
    隠蔽捜査3.5も面白かったですし、これも負けじと面白かったです。
    色々な登場人物の悩みが竜崎によって解決していくという話です。
    竜崎の凄さが際立つ話ですので、竜崎ファンは痛快に読めると思います。
    私も1日で読了しました。

  • とても面白くて、一気読み。
    竜崎に近しい存在から、彼の人柄をよく知らなかった人まで、バラエティに富んだメンバーによる、7編。
    それぞれの距離感から、竜崎の変人ぶりを描いていて、どの話も楽しい。
    満足度がとても高い。

  • 竜崎所長の周りの人間目線の短編集。

    戸高さんの話が1番面白かったです。
    確かに、検挙率あげているよね。って感じで。

    やっぱりぶれない竜崎署長がまたいいです。

  • シリーズ第7弾。スピンオフ短編7編を収録。前回のスピンオフでは伊丹が主役であったが、今回は竜崎を主役にしたスピンオフである。全ての短編に竜崎の魅力と人間性を感じるエピソードが凝縮されており、非常に面白い。

    『漏洩』。誤認逮捕にマスコミへの捜査情報の漏洩。この危機に竜崎はどうするのか…変人と呼ばれる竜崎の行動が一番まともに見える。

    『訓練』。かつて竜崎とアメリカ大統領の警護を行なった美貌のキャリア、畠山美奈子はスカイマーシャルの訓練に送り込まれる。竜崎に弱音を吐いた美奈子は竜崎からサジェスチョンを受けるが…

    『人事』。かつて、竜崎と揉めた野間崎の上司に弓削篤郎が赴任する。竜崎に興味を抱いた弓削は大森署に向い、竜崎との面談を求めるが…

    『自覚』。住宅街で発生した強盗殺人事件。大森署の戸高刑事は人質を取った容疑者に向けて発砲するが…撃てない警察という世の風潮の中、竜崎の判断は…

    『実地』。大森署に卒配された警察官が職務質問した大物窃盗犯を取り逃がす。この失態に罪をなすり付け合い、責任転嫁で揉める大森署内。この事態に竜崎は…

    『検挙』。検挙数と検挙率のアップの通達に問題児の戸高が果敢に挑み、大森署は大パニック。竜崎はこのパニックをどう収めるのか。

    『送検』。強姦殺人事件の被疑者逮捕を指示した伊丹は誤認逮捕の危機に陥る。伊丹を助ける竜崎は…

  • 今作は、大森署の幹部や各係員を通しての、我らが主人公竜崎像。相変わらずの胸のすく竜崎節に◎。

  • 内容は刑事の捜査モノ。

    警視庁捜査一課に勤務をしていた主人公は、親の介護を理由に、生まれ育った町である吉祥寺の武蔵野署に異動願いを出し、聞き入れられて、武蔵野署捜査一課勤務となる。

    ある日、武蔵野署の玄関に入ったら、大学時代の友人がうろうろしているのを発見し、事情を聞くことに。

    その友人がいうには、姪が行方不明だという。年齢は20歳。

    それならば、2~3日、音信不通でも心配することはないと、その友人を慰めようと思った主人公は、友人のただならぬ態度に、口をつぐむ。

    聞くところによる、群馬から大学に通うために吉祥寺に住み始めた姪は、ものすごく真面目な学生で、これまで2日や3日も連絡がとれなかったことはなく、アルバイト先の塾も無断で休んでいるという。

    ちょうど、事件もなく、時間があった主人公は上司に断って、友人の姪の捜査に乗り出す。相棒はまだ新人の女性刑事。

    ふたりでいろいろ探っていくうちに、今から30年前、20年前、10年前にも、同じように20歳前後の若い女性が福江不明になる事件が、吉祥寺で起きていることがわかった。 

    しかも、彼女たちがアルバイトをしていたのは政治家がらみで、政治家の事務所や選挙活動などの補助などのアルバイトをしていることがわかり、そこで、武蔵野市議会でも実力者でアル古参の市議会議員が、捜査線上に浮上する。

    しかし、市の実力者であり、武蔵野市の政治や経済に顔がきくその市議会議員を、証拠もなしに取り調べることはできないが、主人公の琴線に触れるものがあり、しつようにその市議の周辺を捜査していくと、間違いなく、その市議は若い女性の失踪事件に絡んでいるということを、主人公は確信する。

    そして、主人公がその市議の屋敷の周辺をかぎ回っているときに、その市議の敷地に立っている蔵からなにかが道路上に落ちてきた。

    不審に思った主人公は蔵の鍵をこじ開けて、蔵に入り、そこで、衰弱しきっていた友人の姪を発見する。

    そして、主人公は市議を探して、事情を聞くことに……。

    と、刑事の捜査モノだが、けっこう面白い。

  • 安定の竜崎署長です。本作品は短編集となっており、読みやすいボリュームです。刑事部長にタメ口です。

  • 隠蔽捜査シリーズ 番外編 第2弾

    ・漏洩
    ・訓練
    ・人事
    ・自覚
    ・実地
    ・検挙
    ・送検

    竜崎視点ではなく、それぞれ順に、副署長・貝沼悦郎、警備企画係・畠山美奈子、第2方面本部管理官・野間崎政嗣、刑事組織犯罪対策課長・関本、地域課長・久米政男、強行犯係長・小松茂、刑事部長・伊丹俊太郎たちの視点で描かれる竜崎の生き方。

    それぞれが捜査上の問題を抱えるが、原理原則の男・竜崎が一刀両断し、爽快に問題を解決していく。


    竜崎はいつもすっきりする人物像で、好きです。

  • 大好きなシリーズの短編集2冊目。
    長編のおもしろさとはまた違う短編のおもしろさ。
    今回もスカッとさせていただきました♪

    短編が7作品も楽しめます。

    捜査情報が漏れた?
    まだ新聞に載るはずのない事案が、すっぱ抜かれた?
    内部の誰かが情報を??

    しかもその事件、誤認逮捕の可能性が出てきた???

    大慌ての副署長に、何をそんなに慌てているんだ?っと、普通に対応。
    そのやり取りの中で気がつく、何をそんなにあせっていたんだろうっと。
    竜崎署長、さすがです。

    漏洩、訓練、人事、自覚、実地、検挙、送検、
    これが7つのタイトル。
    1篇1篇に、あのキャラクターが、このキャラクターが、
    もったいないお化けが出そう(笑
    1篇に主役が一人、わぉ♪贅沢すぎるー(何か違うか

    竜崎さんも、大森署の署長になってずいぶんたつ。
    変人でキャリア官僚、関係各所では有名人(笑

    大森署は、いい警察署になってるね。

    ”やさぐれ刑事”の戸高さん、相変わらずいいヤツです(笑

    読み飛ばしちゃいけない1冊です♪
    日々持ち込まれる難題を一刀両断する竜崎署長の魅力を堪能しましょう♪

著者プロフィール

1955年北海道生まれ。上智大学在学中の78年に『怪物が街にやってくる』で問題小説新人賞を受賞。2006年、『隠蔽捜査』で吉川英治文学新人賞を、08年『果断 隠蔽捜査2』で山本周五郎賞、日本推理作家協会賞を受賞。

「2023年 『脈動』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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