棲月: 隠蔽捜査7

著者 :
  • 新潮社
3.92
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本棚登録 : 942
感想 : 165
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103002598

作品紹介・あらすじ

竜崎伸也、大森署最後の事件!? 正体不明の敵に立ち向かう、激動の長編第7弾。私鉄と銀行のシステムが次々にダウン。不審に思った大森署署長・竜崎は、いち早く署員を向かわせるが、警視庁の生安部長から横槍が入る。さらに、管内で殺人事件が発生。電話で話した同期の伊丹から「異動の噂が出ている」と告げられた竜崎は、これまでになく動揺する自分に戸惑っていた――。大人気警察小説シリーズ、待望の第9作!

感想・レビュー・書評

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  • 今回は管内で発生した殺人事件と3件のサイバー攻撃の2つの事件がテーマ。

    これまでよりも竜崎が陣頭指揮を取りすぎな感が減点要素かなぁ。もっと任せた方が良さが引き立つ気がしました。

    だけど署の部下との人間関係も良く、特にラストは感動的!奥さまの存在もいい!

    やっぱりいい小説です!

    次からの新展開が楽しみです!

  • 隠蔽捜査シリーズ、長編7作目。(短編集の3.5、5.5を入れると、9作目になります)
    大森警察署の署長・竜崎伸也が活躍します。

    私鉄と銀行のシステムが次々にダウンし、竜崎伸也は不審に思います。
    署員を向かわせたところ、警視庁の生安部長から横やりが。
    警察内部って、縄張り意識が強いようで。
    メンツを気にしない竜崎にとっては、すべて合理的な推測に基づく対応なのだが。

    管内では殺人事件が発生。
    さらに、同期の伊丹からは電話で、そろそろ異動になりそうだと聞かされる。
    いつになく動揺する竜崎。いずれ異動があるのは当然で、これまでにこんな風に感じたことはなかったのだ。
    だが、左遷された結果の大森署での経験は、竜崎に思わぬ成長と変化をもたらしていた‥
    自分でははっきり気づかなかったことを、お見通しの奥さんにしっかり指摘されます(笑)

    頑固で堅物、人のこだわりをほぼ理解しないが、無駄に威張ることも嫉妬することもない。
    真面目で仕事熱心で、目の付け所が確かな竜崎。
    そんな竜崎署長を署員たちは驚きながらも見守り、信頼してついて行くようになっていた。
    感動のラスト!
    いえ、シリーズは、異動しても、まだ続きますけどね☆

  • うーん、隠蔽捜査で泣くなんて思いもしなかったけど、最後うるうるきてしまった。
    事件そのものは読める展開で驚きはなかったが、だからこそ一層、大森署の人間関係が色濃く描かれた一冊だった。いつの間にこんなに味方が増えたんだ。嫌な奴が誰もいなくなってしまったじゃないか。やるな、チーム竜崎。
    それにしても、融通の利かない竜崎が、大森署の署長を経験して、人として随分成長したなんて(氷の王子様が愛を知ったみたいな!)なんだか妙にうれしい。次は○○○県警か。まさか戸高が出ないなんてないよな。次巻も楽しみ。

    • breadandbookさん
      chieさんこんばんは
      隠蔽捜査7は竜崎の人としての成長を書きたかったのかしらね。「氷の王子様が愛を知ったみたいな!」なんて素敵な表現。次...
      chieさんこんばんは
      隠蔽捜査7は竜崎の人としての成長を書きたかったのかしらね。「氷の王子様が愛を知ったみたいな!」なんて素敵な表現。次作、登場人物が気になりますね。『ロマンシエ』はいつもの作風とだいぶ印象が違います。好きか嫌いか分かれるようですが。
      2018/06/03
    • hs19501112さん
      最新作で異動が決まる…という情報は読みかじっていましたが、次は県警ですか(驚)。ますます面白くなりそうですね。

      ……って、自分はまだ「...
      最新作で異動が決まる…という情報は読みかじっていましたが、次は県警ですか(驚)。ますます面白くなりそうですね。

      ……って、自分はまだ「5.5」で足踏みしてますが。

      自分も…また戸高くんには、出てきて欲しい(笑)。
      2018/06/04
  • 感想
    今回も色々、他部署との軋轢もあったが、なんとか収めて、栄転へ。最後に署から出る時はなんだか最終回的な感じがあった。

    しかし、神奈川県警の刑事部長だったら、伊丹の方が早く出世してたってこと?

    あらすじ
    大森署の鉄道がサイバー攻撃で止まり、銀行や文科省にもハッキングがあった。竜崎は直ちに署員を派遣するが、警視庁の生安部長から越権行為とクレームが入る。

    一方、管内でギャングのリーダーのリンチ殺人が発生する。札付きのワルだった被害者は、暴力団や半グレとの関係を洗うが、何も出てこない。一度、少年院に恐喝で送致された事件を手掛かりに捜査が動き出す。

    サイバーテロとリンチ殺人、一見関係ない二つの事件がハッカーのルナティックの存在で繋がっていく。

  • お気に入りシリーズの待ちに待った新刊。
    真っ当なことを真っ当に対処し、ブレないスタイルで原理原則を守る大森署竜崎伸也。
    彼が警察庁や警察幹部と対決する場面には、胸の救われる思いで読み進める読者が多いことだろう。
    短いセンテンスの連続により、先へ先へと促される。
    署員とのそんな小気味のよい会話に続き、事件の幕が開ける。私鉄や銀行のシステムダウンという、時代を象徴するハッカーによる犯罪。
    戸田と前作で登場した女刑事根岸のコンビが、事件の解決に、いい役割を果たす。
    このシリーズのファンにとって、今作は事件そのものより、前作で仄めかされた竜崎の異動に興味を注がれる。
    異動先がどこになるかと落ち着かない竜崎に対し、妻の冴子は「引っ越しの準備も始めるわよ」と、平然と言う。さらに、速やかに事件を解決するよう、ハッパをかける。
    竜崎家では、妻の方が上手(どこの家庭でもそうかな笑)。
    前作では長女のストーカー問題、今作では長男の留学問題と、このシリーズは竜崎家の家族小説という側面もあり、この家族の今後を、親戚のような気分で見守っていきたい。
    もちろん、主人公竜崎伸也が異動後の新天地でどういう活躍をするか、このシリーズはまだまだ続くと思うので、期待して待っていよう。

  • 4.5
    竜崎の新天地での活躍を読めるかと思ってましたが、それは次回になりそうですね。
    それでも面白かったです。
    ちょっとマンネリ気味だったので、異動はちょうどよいタイミングだったかも。
    別の意味で伊丹も本人も言ってましたけど笑

  • ラストは感動しました。竜崎署長は淡々としてましたが…。

  •  久々の竜崎伸也もの。期待にたがわぬおもしろさ。いつもながらの痛快な堅物さでマンネリといえばマンネリなのだけど、それを感じさせない。これが池井戸潤だと鼻につくのに竜崎伸也だと何度読んでも痛快だ。なんでだろう。伊丹をはじめ貝沼、戸高ら存在感ある脇役も健在でうれしくなる。意味不明なタイトルは月に棲むものという意味で、今回は現代らしいネットがらみの犯罪を解決する。いくらなんでもそんなにうまくいくかいというようなものだが、まあそれはそれ。辛辣な冴子や家庭内のやりとりもちゃんとサービスされている。長きにわたった大森署長も終わりで次回は異動先での物語になるらしいが、まあ「どこにいってもやることは同じ」だからな(笑)。

  • 大森署最終巻
    これから大森署の面々と会えなくなると思うと泣けてきます

  • このシリーズももう7作目か。
    随分長いシリーズになってきた。安積班シリーズのような長寿シリーズを目指しているのか、それとも切りよく10作目で完結を目指しているのか。
    途中のグダグダも終盤のアッサリも今野さんのいつもの感じなので仕方ないとはしても、流石にマンネリ感が増してきた。
    ただ前々作辺りから匂わせてきた異動話で新たな展開を図ろうということも感じたし、その異動先が異動先だけにちょっと気になるところでもある。
    職場だけでなく、竜崎家としても一つの転機がある。

    戸高とのお別れは寂しいけれど、いずれ一緒に仕事をすることもありそうな予感も感じつつ、竜崎らしいお別れで閉じた。

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著者プロフィール

1955年北海道生まれ。上智大学在学中の78年に『怪物が街にやってくる』で問題小説新人賞を受賞。2006年、『隠蔽捜査』で吉川英治文学新人賞を、08年『果断 隠蔽捜査2』で山本周五郎賞、日本推理作家協会賞を受賞。

「2023年 『脈動』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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