閻魔の世直し: 善人長屋

著者 :
  • 新潮社
3.55
  • (13)
  • (49)
  • (58)
  • (6)
  • (0)
本棚登録 : 288
感想 : 53
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103003151

作品紹介・あらすじ

正義を騙った殺しを許すな! 裏の手管で悪を討つ「善人長屋」ふたたび。表は堅気のお人好し、裏は差配も店子も悪党が揃う「善人長屋」。天誅を気取り、裏街道の頭衆を血祭りに上げる「閻魔組」の暗躍は、他人事として見過ごせない。長屋を探る同心の目を潜り、裏稼業の技を尽くした探索は、奴らの正体を暴けるか。中山義秀賞受賞で注目の気鋭がおくる、待望のシリーズ第二弾。書下ろし長編!

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 前作をしのげず。

  • 前作とかわって長編もの。
    どんどん不穏な空気が流れていく江戸の街に、長屋の者と同じように心苦しい気持ちになりました。
    そして白坂へのお縫の心の機微が結末に向かってどっちへ転ぶのかと見守りながら、最後はまさかの展開に。

    悪事を一言で悪と言えないのは江戸の街でも現代でも同じことで、世の中は複雑で難しい。
    正義と悪のせめぎ合いな回でした。

  • 長屋総出の大仕掛け。知恵と人情の探索劇。
    表は堅気のお人好し、裏は差配も店子も凄腕の悪党が揃う「善人長屋」。天誅を気取り、裏街道の頭衆を血祭りに上げる「閻魔組」の暗躍は、他人事として見過ごせない。長屋を探る同心の目を潜り、裏稼業の技を尽くした探索は、奴らの正体を暴けるか。
    (2013年)
    —- 目次 —-
    閻魔の世直し

  • 前作の短編集も良かったけど、久々に読みごたえのある長編でよかった。誉められたことではない行動でも、人にはそれぞれの正義があって、その信念を貫くために生きる姿は皆格好いいなぁと思ってしまった。だからこそ尚更私はこの主人公的な位置にいる女の子が甘ったれのお子さまに思えてどうも好きになれない。

  • 時代小説は、現実から離れて純粋にストーリーを楽しめる気がする。西條さんのも宮部さんのも時代物が好きなのはそのタメなような気がします。こちらのようにクスッと笑えれば言うことないです。

  • まもなく(2022年7月)からNHK BSプレミアムで連ドラ化が始まるもののシリーズ2作目。今度は長編で読み応えがやはり連作の1作目と全然違う。その分、善人の加助はあまり登場せずお縫がひっかきまわしてくれる。こういう役回りが必ず出て来るよなあ。好きじゃないんだけど、まあ話が面白いからいいか・・・

  • あー面白かった。閻魔組の顛末そのものも読み応えあったが、なによりお縫と文吉と白坂の気持ちの動きが、読み終えた後清々しく反芻されて意外な後味。大人になるって楽しいばかりじゃ無い。だけど悪いことばかりでも無い。だね、加助さん。

  • 表は堅気のお人好し、裏は凄腕の悪党が揃う
    「善人長屋」。天誅を気取り、裏街道の
    頭衆を血祭りにあげる閻魔組の暗躍を
    見過ごせず、長屋を探る同心の目を潜り、
    裏家業の技をつくして探索するが…。

  • 善人長屋シリーズ2作目は長編。

    裏社会には裏社会なりの(表社会より厳しいかもしれない)秩序があり、それを護っていた力関係のピラミッドが「閻魔組」を名乗る何者かによって崩され、混乱を極めていた。
    前巻のあの人がたぶん裏にいるんだろうなとわりとすぐに感づけたものの、閻魔組の
    正体が判らなくて、ドキドキしつつ読み進めた。

    しかし、お縫の暴走に眉をひそめてしまうこと度々。
    長屋のみんな(の正体がバレるの)を心配しているはずなのに、軽率な行動でそのみんなを窮地に追い込んでいる気がして。
    そのぶん、☆マイナス1しました。

  •  このシリーズは、てっきり加助さんが主人公だと思ってたのに、そうではないのね。
     今回は殆ど登場せんかった…。
     それにしても、お縫いちゃんが意味不明すぎて、わけ分かんない。
     このキャラの存在感自体が、私には意味が分からない。
     一応、彼女がいてこの話の展開が成立する、みたいになってはいるけれど、いなくてもいいというか。

全53件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1964年北海道生まれ。2005年『金春屋ゴメス』で第17回日本ファンタジーノベル大賞を受賞し、デビュー。12年『涅槃の雪』で第18回中山義秀文学賞、15年『まるまるの毬』で第36回吉川英治文学新人賞、21年『心淋し川』で第164回直木賞を受賞。著書に『九十九藤』『ごんたくれ』『猫の傀儡』『銀杏手ならい』『無暁の鈴』『曲亭の家』『秋葉原先留交番ゆうれい付き』『隠居すごろく』など多数。

「2023年 『隠居おてだま』 で使われていた紹介文から引用しています。」

西條奈加の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×