龍神の雨

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著者 : 道尾秀介
  • 新潮社 (2009年5月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (308ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103003335

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龍神の雨の感想・レビュー・書評

  •  さすが道尾さん、という一冊。はじめのうち、「これが誰だっけ」と混同したけれど、すぐに慣れた。
    二組のきょうだいが入れ替わって描かれているだけなのだけど
    はじめはたくさんの人たちが出てきている気がした。
     龍と雨をかけているところがすばらしい。風に吹かれる、さーっと勢いよく降る雨は
    確かに龍みたいかもしれない。
    その描写のところで容易に頭のなかにそのシーンが浮かんだ。
     雨といくつもの出来事をつなげているところもすばらしい。

     余談だが、わたしはサスペンス(というか怖い話)が苦手で
    道尾さんの作品を選ぶときは慎重になる。
    ・・・この一冊、ちょっとドキドキした。

  • 2組の兄弟がそれぞれの複雑な家族関係について
    悩み、その中で殺人事件が起こるのだけど
    なんだかこれだけの設定なので
    期待して読み進めたんだけど、んー。
    なんだろ、とくにラストがいまいちで
    犯人の意外性、必要性感じられず
    全体的に残念。

  • ううううう。道尾さんだし、どんでん返しも陰鬱なえぐい展開も予想してたけど、しかしやっぱりあの前半はどうにもこうにも…!憎しみが溜まって仕方がないですよ?
    ところが重たくなっていた苦々しい憎悪はやりきれない悲しさに変わって、どうしたらいいのこの不幸な兄妹、というところで龍神の助けが入った感じ?まあラジオを聞いてたかはわからないし、それが幸せなのかもわからない、結局どうしたかわからないけど…これだけ苦しんだんだから、せっかくの助けを活かしてもいいと思った。

  • 継父と暮らす兄妹と、継母と暮らす兄弟。
    親と子の信頼関係は共に生活し共有した時間に比例するのかもしれません。
    この2組の兄妹(兄弟)の場合、その信頼関係がないがゆえに、
    不信による誤解で、全てがマイナスの方向へ進んでしまします。
    家庭崩壊と殺害事件。
    中盤まではあまりに暗く重い内容で、
    久々にページをめくる手が鈍くなったりしましたが、
    著者が最後にどんなどんでん返しを用意してくれているのか、
    その期待感だけで読み進めました。

    悪人と思っていた人が、実は悪人ではなく、
    善人と思っていた人が、実は善人ではなく、
    外見や行動だけで判断することの難しさと、
    思い込みの恐ろしさを感じましたが、
    同時に真実を知った時には、すでに遅しという結末の切なさに、
    ちょっと後味の悪さを覚えました。
    雨ばっかり降って、全体的に暗いって!

  • 活字を目で追うよりも、ページをめくるよりももっともっと!先に読み進みたいという気にさせる一冊。

  • 「光媒の花」がそこそこ面白かったので、「シャドウ」を借りようと図書館に行ったらなかったので代わりにこれを。
    何かの賞を獲ってるというのもあって期待した。

    読後感。ふーん。
    面白いことは面白いけど後味残らない。
    最後もなんだかモヤッとした終わり方だ。
    結局継父は誰が殺したのか、本当の所が今一つハッキリしないし。
    作品の中では「お前が殺した」って言ってるけど、あの人信じられない。
    なんて読み方をしたらこれからどんな作品読んでもモヤッとするような気がするんだけど。
    あいつの娘だってどうしてそうなったか、その後どうなったのか、気になるし。
    もちょっときれいにまとめて欲しかった。
    散らかったまま、なんとなく終わってしまった感、ある。

    まあ、でも家庭内性暴力が無くて良かった。ホッ。

  • 雨降り続ける数日間、二組の兄弟姉妹が直面する残酷な事件の顛末。慈悲なく後味もなんだかじっとりした感じでしたが、さすがの読みやすさで、詰まることなく読み終えられました。適所に起承転結のくっきりした波があるのは、ある意味あざといですが、ある意味読者思いのリーダビリティを生んでるように思います。
    それでも終盤の正直気持ち悪い、言葉は悪いですけど「胸糞悪い」展開は、けっこうしんどかったですが。罰を下すべきではなかったのに下してしまった重さが、人物だけでなく読み手にも伝わってきて、あとに残りました。罪と罰。必ずセットであるべきこの重い咎の苦しさにきりきりとさせられました。

  • 道尾秀介らしいトリックが盛り込まれた作品。
    二つの視点から描かれる話が絡まり合う構図はさすが!という感じ。
    兄弟愛がすれ違って取り返しのつかないことになってしまうのが辛く苦しかった。
    この作品の前後から道尾秀介の人間の感情を追求する姿勢が明確になったように感じる。

  • 道尾さんの作品で一番好き。
    私たちは物事の一部分をみて、それが全てだと思っている。
    それがとんでもない思い違いなときもある。
    物事の不確かさ、自分の心に問う勇気、人を信じる気持ち。
    不安定で揺れながらも、
    私たちは選んで生きていかなければならない。

  • 読了日2010/01
    血の繋がらない親と暮らす2組の兄弟・兄妹の誤解、思い込み、嘘そして雨が悲しい殺人を引き起こす。
    相変わらず、伏線の張り方、回収の仕方、後半のどんでん返しがすごい。
    初めから最後まで、ずっと雨が降りっぱなしで、背景がとても寒く暗い感じがする上に、題材が、両親の死、性的暴行、ストーカーとかなり重たい・・・
    それなのに、全体的に軽い感じとなってて読みやすい。
    龍は本の題にもなってるのに、意味不明で終わってる所は消化不良。

  • とても面白かった。物語全体を通して雨空の陰鬱な印象は拭えないけれど、その設定を貫き通した重くて悲しい物語なのかな。確かに最後若干の救いがあったようにも思うが、それらは気休めであって、メインの2組の兄弟のお互いの関係、親子関係に根深く残る疑い、嫉妬、同情などなどそういった感情の機微に触れられる作品かなと思う。全体を通してかなり面白かったと思う。

  • 母を亡くした兄と弟、父を亡くした兄と妹
    どちらも再婚した継父母に複雑な思いを持つ。
    ちょっとしたきっかけを境に、憎み始める子どもたち
    それが正当な憎しみかどうかは後でわかる
    やりきれない読後
    誤解ってこわい
    雨さえ降らなかったら……

    あと妹、お前さ…

  • 2.5 途中で犯人は解かったかな。

  • 「取り返しのつかないこと」って、
    人の命に関わることだよね、それくらいの意味だよね。
    ということを思い出した。

    救いようのないクズはいる。確かにいるけど。

    「家族のことは信じなきゃいけない」
    これが重かった。
    「家族」ってなんだろう。

    結婚して新しくまた家族が増えて、
    だけど好きになることは絶対できない相手で、
    それでも「絶対に信じなきゃ」いけないのかな。無理だな。

  • なんとも切ない話。大切な人を守るためであったり、誤解が大きな問題に発展したり。あの時ああしていればとか思わずにいられない。
    妹を思う兄。兄を思う妹。2人の兄弟と暮らす継父との不安定な関係。
    両親を亡くした兄弟と暮らす継母とのギクシャクとした関係。
    家族は血が繋がっていなくても、絶対に信じないといけない。この言葉が胸を打つ。この2つの家族の将来が素晴らしいものであってほしい。

  • 安定の内容でした。犯人はまさかの。

  • 血の繋がっていない義理の父と3人で暮らす兄妹。兄が立てた義理の父殺害計画が発端となり、事件に巻き込まれていくという話です。「青の炎」に始まりは似ていますが内容は道尾さんらしい怖い話です。「想像は人を喰らう」 勘違いといえばそれまでですが、事が事だけに勘違いでは済まなかった。感慨深い話です。道尾さんの本は、どれも似たような話が多いので、何冊か読むと評価は下がりますが、その中でもこの本は良かったと思います。道尾作品の中では今のとこ一番です。

  • ぐいぐいと牽引する力強さがある。
    他の道尾秀介作品よりも、きな臭い暴力の匂いが濃厚。
    血が塗込められたかのような湿度を感じる。

     龍の幻像が大胆に描き込まれる。

    “古い記録”の再生。そこに、沈殿していた真実が浮かび上がってくる展開にしびれる。

  • なかなかにスリリングであり、人の裏をかく展開あり、楽しめました。
    龍神のくだりもミステリアスな雰囲気を盛り上げてくれる。そして不遇な家庭環境・人間関係のくらい部分もある。
    とはいえ、ネタが明らかになってからはクライマックスでの盛り上がりはそんなに高いものではないと感じます。

  • 面白かった~
    けど、切ないなぁ…
    みんなが幸せになりますように。

  • 継父と暮らす兄妹と、継母と暮らす兄弟
    思い込みと偶然と悪意が2組のきょうだいを
    犯罪へ巻き込む。

    暗く、やるせない内容で
    ラストのほんの少しの救いがどうなるのかな
    あの子たちの未来に光がさしますように

  • 両親を亡くした兄妹と義父、両親を亡くした兄弟と義母との確執から犯罪が産まれる。普通人を装う変質者がその穴を掻き回す!疑心暗鬼が物語を複雑に交錯して、ありもしない犯罪を駆り立てる。
    叙述トリックに読者は心を乱すが、この作家の良心は心理描写の暗転を狙っていて、物語を面白くしたらこうなったと宣うだろう!悪いようにはしない!!それがこの作家の魅力なのだから。又しても作家にしてやられて安堵感で読了。

  • 継父と暮らす兄妹と、継母と暮らす兄弟。
    似通った境遇を持つ二組の家族が抱える暗く重たいものが、降り続く雨の描写によって、更に増幅されて伝わってくるようでした。
    誤解や想像に翻弄される人間の悲しさと怖さ。雨が視界を妨げてしまうように、不幸もまた物の見方を狭めてしまうものなのでしょうか?
    家族だから分かるはず、というような甘えを無意識のうちに持っていると、思わぬ事態を招いてしまうかもしれませんね。
    自分にとって身近な人達との意思疎通を図ることの大切さを痛感させられました。

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龍神の雨の作品紹介

人は、やむにやまれぬ犯罪に対し、どこまで償いを負わねばならないのだろう。そして今、未曾有の台風が二組の家族を襲う。最注目の新鋭が描く、慟哭と贖罪の最新長編。

龍神の雨のKindle版

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