噂の女

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 1458
感想 : 257
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  • Amazon.co.jp ・本 (310ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103003526

感想・レビュー・書評

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  • 中古車販売店の事務員として初登場する”噂の女”、糸井美幸。訪れた会社員雄一22才は、カウンターに座っているのが中学の同級生だった美幸だと気づくが、地味な中学時代とはうって変わって、色香があふれていた。その後、麻雀荘、料理教室、と計10か所に現れる、元同級生としての美幸。元同級生たちの噂によれば短大時代に変わったようなのだが、噂では年上の男性の女になって、その男性たちはまもなく死んでいるというもの。実際にあった事件に触発され書いたと思われるが、ここは何か淫靡な奥田ワールドになっている。美幸がたまらなくイヤな女に描かれているので、実際の事件には奥田氏は許せないものを感じたのかな。



    初出
    「yom yom」(新潮社の小説誌)13,16,18-23号(2009.12-2011.12)
    「小説新潮」2012.5,7月号

    2012.11.30発行 図書館

  • 短編なのかと思いきや同じ女性の話で興味しんしん。
    下世話な話が多くて読んだあと少し気持ちが沈んだ。
    でも展開が気になってどんどん読んじゃうはなし。
    悪女だなー。

  • ★★1/2かなあ。。。
    おもしろいんだけど、
    それだけみたいな。。。

  •  噂の女=糸井美雪に関わったことで持ち振り回される人々。

     美雪の客あしらいの技術等はすごいなと思いました。他の人に言いにくいことを逆手にとってうまく立ち回り、去るときの手際も時を読んでいて見事。託児所で働いていて美雪の元で働くことにした博美は今後大丈夫かとラストで心配になってしまいました。
     同じような展開で進んで行き、各短編のラストが中途半端に感じてしまいあまり好きになれませんでした。地方の公務員は本当にまだこんな感じなのでしょうか。。。美雪の時折見せる姉御的な行動は素敵でした。

  • 2013.6

  • 男性に好かれる女性は何かと、あることないこと噂されるが、根も葉もないことなのだという事を期待して読んでしまったので、余計に後味の悪いおはなし。

  • うーん。面白くないわけじゃないんだけど。

  • 美人というわけではないが、世の男をとりこにしてしまう美幸。
    自身の魅力を武器に、男をだまし、場合によっては女もだまし、
    金銭を奪い、場合によっては命までも奪い、
    羽振りのよい生活を送る。


    男に媚をうる様、
    計算づくの美幸の言動のくりかえしや、
    また美幸のまわりにいる人間の浅ましい言動に嫌気がさしてしまい、
    途中で読むのをやめようと思ったのだが、
    他人の人生を踏み台にしていく生き方が破綻しないわけがなく、
    どんな終わりがくるのだろうと、美幸の行く末が気になってがんばって読み進めた。


    現実にも、いますよこんな女。

  • 今までの奥田作品と違って、読んだ後の爽快な感じがあまりしなかった。。。なんていうのか林真理子みたいなアッコちゃんの時代というか悪女について書かれているんだけれど、途中どんどん出世しているのかと思いきや、愛人になって殺人して・・・。それを追う警察もなんだか中途半端で・・・あんま好きじゃない話の展開だったなぁ~・・・。

  • 「噂の女」糸井美雪にまつわる短編集。

    それぞれ主人公は違うが、美雪が深いところで絡んでおり、各主人公の行く末が気になる。

    最終話では、議員の愛人になるが裏金を横領して消える。一番すっきりした終わりかただった。

    ただ、もっと毒のある話を読みたかった。

著者プロフィール

おくだ・ひでお
1959年岐阜県生まれ。プランナー、コピーライターなどを経て1997年『ウランバーナの森』でデビュー。2002年『邪魔』で大藪春彦賞受賞。2004年『空中ブランコ』で直木賞、2007年『家日和』で柴田錬三郎賞、2009年『オリンピックの身代金』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『最悪』、『イン・ザ・プール』、『マドンナ』、『ガール』、『サウスバウンド』、『無理』、『噂の女』、『我が家のヒミツ』、『ナオミとカナコ』、『向田理髪店』など。映像化作品も多数あり、コミカルな短篇から社会派長編までさまざまな作風で人気を博している。近著に『罪の轍』。

「2021年 『邪魔(下) 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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