流れ星が消えないうちに

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103007517

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  • 2012.12.15読了。
    大学生の奈緒子、亡くなった恋人加地君と今の恋人巧君との話。

    高校2年の文化祭に作ったプラネタリウムで6年もの想いを加地君は告げる。その情景がすごく素敵。大学生になって貧乏旅行に明け暮れた加地君はバス事故で亡くなる。そのことから奈緒子は自室で寝れなくなり1人暮らしのただっぴろい実家の玄関で眠る生活を送っていた。そこへ現れたのが家出をした父。のんきな生活になっていたところに妹もやってきた。そうしたなか、奈緒子も加地君の親友の巧君も徐々に立ち直っていく。


    とにかく、きれいな高2の文化祭の情景、
    私も牡羊座だからドキドキした。
    加地君のきれいな低い声で
    地味な星座だけど美しいのを僕は知ってる
    なんて言われたら素敵だ。

    亡き恋人の加地君の芯の強さ、凛とした格好よさ
    巧君の底抜けの明るさ、もういないからこそかもしれないけど
    親友を大切にするあたたかさ
    パワフルな星座の牡羊座なのに大人しい奈緒子
    そういうものに癒される。

    別れた恋人のことは忘れなくていいこと
    動かなくちゃ見えあい景色があること

    教えてくれる本だった。


    以下は印象的な言葉。

    「人間って、川嶋が言うように誰かに頼らないと生きていけないんだよな。
    だけど一人で生きていけるようにならなきゃいけないとも思ってる。
    でないとただ、もたれ合うだけになっちまう。それじゃダメなんだ。
    ちゃんと1人で立てる人間同士がそれをわかった上でもたれ合うからこそ、
    意味が生まれるんだ」

    「だから川嶋みたいに動けないんだけどな。それが俺の欠点だ。
    本当はもっと動くべきなんだ。動くことよってしか見えてこないものが
    あるんだからさ。でも俺、わかってても動く前に考えちまうんだよな。」

    加地君、悪いけど、君のことを忘れるよ。それでいいよね、ううん、違う。
    そうじゃない。忘れたりなんかしない。むしろしっかり覚えておいて
    消し去らないで利用するんだ。加地君が死んだことをいつか
    懐かしく語れるような薄汚い人間になるよ。
    歩きながらそんなできないことばかり考えていた。
    だけど、いつかできるようになるだろう。
    そのことがわかる程度には、わたしは大人だった。

  • 出会えて良かったな、って思える本です。

  • 個人的にきれいで大好きなお話です

    2011/08/08 読了

  • 人は生きているうちにいろいろ抱えていく。
    簡単に忘れられること、たぶん一生忘れられないこと。
    それでも終わりが来るその時までは、そういったものを抱えて生きていかなくてはならない。
    主人公を始め、登場人物たちもそれぞれ、その人なりにいろいろなものを抱えている。忘れたくても忘れられない思い出を抱えている人もいる。耐え切れずに逃げちゃう人もいる。
    そういったものを全て受け入れて、それでも前を向いて歩いて行ける強さを持ちたいと思える作品でした。

  • 忘れる必要なんてないんだ
    どうせ忘れられないんだから。




    心に住み着く人って誰にでも1人はいるものだけれど
    必ずしもその一番の人と結ばれるわけじゃない。
    でもそれを受け止めてまた前に進まなきゃいけない。


    そんな強さと弱さと愛しさに溢れた一冊。
    どうしても忘れられない人がいる人におすすめ。

  • 旅先でなくなってしまった加地君
    その想いが断ちきれられないままの奈緒子
    奈緒子の今の彼氏であり、加持君の親友でもあった巧
    夢を追うのに妻と喧嘩をし家を出てきた奈緒子の父

    皆加持君によって救われている。

    空気は重々しくなくって
    星が点々と流れていくようなリズム感を感じた。

    切ない恋愛ながらも前に進もうとしている。

  • さらっと読めた。

    むしろ重松清の解説がなかなかよかった。

  • 読み終わった

  • そういえば昔読んだことあった本。玄関で寝る主人公と死んだ彼と新しい彼。スッキリ読み終わった記憶がある。

  • 奈礼子が大好きだった加地くん、死んじゃった。
    加地くんの親友だった巧くん。
    そんな巧くんが、今の奈礼子の彼氏。

    加地くんをお互いが大切にする。

    そんな2人の物語。星に願いを込めて。


    奈礼子、巧くんの想いがヒシヒシと伝わってきます。
    重いんじゃない、溶け込んでくる感じ。

    「めぞん一刻」が好きな人は、ぜひどうぞ。

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