(霊媒の話より)題未定―安部公房初期短編集

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著者 : 安部公房
  • 新潮社 (2013年1月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (294ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103008118

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(霊媒の話より)題未定―安部公房初期短編集の感想・レビュー・書評

  • 凝縮された安部公房。久々にがっつりときめきました。
    何周もしてるのにずっと飽きない安部公房。
    「天使」は新潮でも読んだけど一番安部公房っぽいな。
    「終わりし道の~」とかも読んでる人には意外性はあまりないかもしれないけど、安部公房の二面性(あとがきによると。私は二面性とは思わないが)が楽しめる作品集。
    「第一の手紙~第四の手紙」が一番よかったな。

  • 発売当初に購入したものの長らく積読になっていたものをようやく読了した。これを読むにいたるまでに新潮文庫で出ている安部作品はあらかた読み終えたので、満を持して。(『夢の逃亡』『ユープケッチャ・カーブの向こう』『けものたちは故郷を目指す』『死に急ぐ鯨たち』を積読、『未必の故意・緑色のストッキング』『幽霊はここにいる・どれい狩り』、『石の眼』、『飛ぶ男』はまだ手に入れていない)私が安部公房を読み始めたころにはとっくに亡くなっており、これ以上彼の作品は読むことは出来ないのだな、と思っていただけにこの未発表作品集は一安部公房ファンとしては嬉しい。しかしながら安部本人の心証を考えると未発表作品が死後世に送り出されるということは墓を暴かれることに近いのであろうと思ってしまう。未完作品だったり序盤や終盤が失われていたりする作品も収録されておりこれは本意ではないんだろうなぁと思ってしまう。第一絶筆でもなければ生前世に出回らなかったということはなんらかの瑕疵があると安部本人がかんじていたからではないのだろうか。「第一の手紙~第四の手紙」は続きが読みたかった。「悪魔ドゥベモォ」はこのなかでは一番好きだ。『他人の顔』や『壁』につながる部分が見受けられこの短編集は習作に近いものであるのでマニア向けだろう。「キンドル氏とねこ」あたりでだいぶ方向性が定まってきておりこれを昇華させたのが『壁』であろう。この話は好きだった。安部公房のまだ作家としてこなれていない若き日が知れる貴重な資料だが小説として発表するには至らない作品でもある、と感じる。

  • 安部公房初期の短篇集ということもあって、やはりまだ安定していない部分も多い。未発表だった『天使』という作品には、どこかしら惹きつけられるような魅力がある。のちのちの安部公房作品らしさの片鱗みたいなものが楽しめて、ところどころはおもしろかった。

  • 未発表作品が見つかったというニュースを新聞で読んで以来、いつか読まねばと思っていた一冊。
    「燃え尽きた地図」「人間そっくり」「笑う月」あたりの作品を十代の頃に貪った自分としては、久し振りに著者に会えた気持ちでして、ページを繰る手も勿体無いとか思いながらも止まりませんでした。
    未完成や冒頭が不明だったり途中が不明だったりしている作品もありましたが、若き日の安倍公房の足跡を辿るには結構な御馳走でした。圧し掛かってくる自意識だとか、気恥ずかしくなるようなセリフ回しや詩、ちょこちょことした漢字の使い方。ああ、大好きだったなあ…。
    タイトル作品の他には「天使」「白い蛾」あたりは優しさが有り、「タブー」「虚妄」あたりは、らしい作品だなと思いました。

  • クロッキーでもない、荒く描いたデッサンでもない。
    安部公房であり、安部公房でない。
    観察される側から観察する側へ、外側の世界から内側に、安部公房らしくなさが安部公房に、いつの間にか、薄皮一枚でべろりと、あっという間に反転する様は以降の作品に同じ。
    この時代はまだ小脳レベルで書くには至っていなかったのかな、それでも、彼にとっては。

  • 若き安部公房は、すでに安部公房そのものだった! 没後二十年記念出版――。昨年、新たに発見された幻の短編「天使」をはじめ、十九歳の処女作「(霊媒の話より)題未定」など、戦中から戦後にかけて執筆されながら、作家生前は発表されなかった十編に加え、敗戦で混乱する奉天を舞台にした稀少な一編「鴉沼」を収録。やがて世界に名を馳せる安部文学の、まさに生成期の息吹きを鮮烈に伝える短編集。

  • 安部公房のプロデビュー前短編集。
    表題作が面白いという噂だったので、とりあえずこれだけ読もーと思って借りたのだが、一気に全部読んでしまったー。
    若くしてデビューした作家の(24歳)更に若書きの作品集なので、荒いし一部散逸しているものもあったりするのだが、それでも読ませる迸るパワーと才能。そして過剰な自意識。

  • 難しくて半分ぐらいしか意味を咀嚼して読めなかった。

  • 和図書 913.6/A12
    資料ID 2013100482

  • 久々の安部公房。発売直後に購入も、とても読める状況・心情になく、本日やっと読了。
    まず、全体を通して、安部公房の人間に対する優しい部分が随分前面に出た作品が多い、と感じた。アイロニカルな部分が他の作品はもっと目立っているように思うが(もちろん、今回も充分にあるが)、それを覆うほど優しさが溢れている作品が多いように感じた。あと、自分と同じような年齢でこんなものを書けるのか、との単純な驚嘆。
    個人的には、表題作『(霊媒の話より)題未定』、『悪魔ドゥベモオ』、『タブー』が特に好きで、また比較的消化しやすかった。
    『題未定』は一般的な話の逆流だな、と思って読んでいたら、巻末解説の加藤弘一氏が同じようなことを書いていた。最後の夫婦の会話が一瞬希望を掻き立てるが、逆に哀しさと一緒に一気に話を締める。
    『悪魔〜』は、何度か身震いするところがあった。小説内小説の神話的な話の“手”についての記述には若干恐怖を覚え、また主人公から妻への手紙や思いの矛盾が(私の場合、相手は違うが)、自分に重なる気がして、息苦しかった。
    『タブー』は、《一体一番大事なものなんていうものが此の世に在り得るでしょうか。在ると思うのはいつも小っぽけな妄想に過ぎませんよ。要するに人間は一番大事なものの存在を信じなければならぬといった具合に地上に縛られている、唯それだけの話なんです。》以上。

    この本はまた何度も読み返すことになるだろう。まずは、これらが元になったと考えられる『壁ーS・カルマ氏の犯罪』を久しぶりに読み返してみるか。

  • 安部公房らしさとは何だろうなと思いながら読み終えた。
    未完の作品も収録されているため、純粋な評価といったものはしにくいが、安部公房作品が未読の人にはあまりおすすめできない……たぶん退屈して、ページをめくる手がなかなか進まない状態に陥ってしまうのではないかと思われるので(苦笑)。ということで、これから安部公房を読む人には、これではなく有名どころから手に取ることをすすめたい。
    数冊既読であれば、「ああ、なんだか安部公房のにおいがする」と感じるかもしれない(笑)。必ずしも面白いとすぐに食いつけるものばかりではなかったが、その根底に流れるものにやっぱり魅力を感じてしまうということを、再認識させてくれる本だった。

  • 恥ずかしながら初めてちゃんと読んだ安部公房。
    ギャフン。
    「タバコをやめる方法」読みたい。
    「死に急ぐ鯨たち」に入ってるのか。ふむ。

  • ごく初期の短編を集めたもの。
    安部公房の印象が変わるのかとも思ったけどそうでもなくて、逆に初期から一貫した何かがあったのでは、と感じられた。
    『新潮』掲載の『天使』以外では『鴉沼』、『キンドル氏とねこ』が良かった。
    それにしても、未完の作品が完結していたらどうなったのか、とても気になる。

  • もう20年かぁ、、、

    新潮社のPR
    「公房は、すでに公房そのものだった! 新発見の「天使」はじめ、安部文学生成期の息吹きを鮮かに伝える11篇。没後20年記念出版。 」

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(霊媒の話より)題未定―安部公房初期短編集の作品紹介

2012年、新たに発見された幻の短編「天使」をはじめ、19歳の処女作「(霊媒の話より)題未定」を収録。戦中から戦後にかけて、作家デビューの時期に執筆されながら、生前未発表のまま残された10編と、敗戦で混乱する奉天を舞台にした「鴉沼」を採録。やがて世界に名を馳せる安部文学の生成期の息吹を鮮烈に伝える初期短編集。

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