満願

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  • 785レビュー
著者 : 米澤穂信
  • 新潮社 (2014年3月20日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (330ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103014744

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満願の感想・レビュー・書評

  • 彼らは何を願い何を守ろうとしているのか…米澤穂信が描く奇妙な6つの物語。
    一番面白かったのは「柘榴」。内容はアレだけど。
    美しい母、美しい姉妹、ダメな父。そこには美しい家族愛があった…。父と母が離婚となり姉妹に選択の時が迫る。その時美しい姉妹が夜の学校でとった奇妙な行動の意味は…?
    このダークさは好きだ。本当の目的を知った時はゾッとした。
    あとは「関守」「満願」がよかった。女の闇は深い。
    楽しかったけど、『儚い羊たちの祝宴』の方が好きかな。

  • 「このミステリがすごい!2015年版」1位など、各賞総嘗めの短編集。
    いろいろ傾向が違う話を書いて来た米澤さんらしい、バラエティに富んで充実した内容です。

    「夜警」
    警官には向いていないのではないかと案じていた部下が、思わぬ事件で殉職。
    事の次第を知ろうとする警察官のためらいは‥

    「死人宿」
    別れた妻が営む人里離れた旅館。
    宿泊客の中から、自殺志願者を見つけ出そうと‥

    「柘榴」
    無責任な夫との離婚を決めた妻は、娘達が父親と暮らすことを選んだと知って驚く。姉妹の理由とは‥

    「万灯」
    商社マンが慣れないバングラデシュで天然ガス採掘のために奮闘する。
    思いも寄らない決断を迫られ‥

    「関守」
    題材に困ったライターが都市伝説を聞きつけ、峠道のドライブインに。
    事故が多発する場所とは‥

    「満願」
    弁護士がかって下宿した家の夫人が起こした事件を弁護したが‥
    真相に気づく?

    ややホラー寄りで、多かれ少なかれ不安な感じが漂い、背筋が寒くなるような終わり方が多い。
    夏向きですね☆
    長いこと読んできたので、ここまできた力量に敬意を表して★5つ。
    好みからすると‥怖いのばかりってのは、ちょっとね。なんだけど。

    第27回山本周五郎賞受賞
    「このミステリーがすごい! 」第1位
    「週刊文春ミステリーベスト10」第1位
    「ミステリが読みたい! 」第1位
    練り上げた文章で、実力を感じさせる展開。
    短編それぞれ、まったく違う状況を取り上げてあり、評価が高いのも頷けます。

  • 【満願】
    読みたいと思いつつ、1年以上もたって、その願いがかないました。
    ある意味、満願成就ということですね!

    読みたいと思う本は多いけれど、この【満願】はかなり思いの強い本でした。
    その理由は…

    2014年。
    年末恒例のミステリランキング。
    早川書房「ミステリが読みたい!」で2位以下に大差をつけての1位。
    文藝春秋「週刊文春ミステリーベスト10」で、2位とはほぼダブルスコアに近い得点で1位。
    宝島社「このミステリーがすごい!」で第1位。
    「ミステリが読みたい!」がスタートした2008年以降、二冠を制した作品(東野圭吾『新参者』、横山秀夫『64』など)はあるけれど、三冠制覇は『満願』が初めてだそう。
    さらには第27回山本周五郎賞受賞、第151回直木賞候補。
    (新潮社HPより抜粋)

    6編の短編が収められているのですが、かなり好き!と思う物から、いまいち好みではないと思うものもあり…
    最終的に☆3つの評価になってしまいました。

  • やっと順番がまわってきた。
    このミス1位という箔がつきましたが、ミステリーだけどむしろ読後感はホラーな短編集です。

    銃発砲の末、殉職した新人警官「夜警」
    自殺の名所の温泉宿「死人宿」
    鬼子母神とペルセポネ、親権を巡る母と娘の心情「柘榴」
    バングラデシュでの開発をめぐる攻防「万灯」
    峠の茶屋にまつわる都市伝説「関守」
    下塾先の奥さんが起こした殺人事件「満願」


    タイトルになってる「満願」より他のがいいな。
    どれもぞっとする感じがなかなかいいです。

    こういう黒いのもいいけど、古典部と小市民の続きが読みたいなー。
    ずっと待ってるんだけどな。

  • 私は少し短編集が苦手なのだが、この本は1つ1つの物語が、短くてもどっしりと重たく読み応えがあって満足。
    どの作品も、凄くひねってあって、「万灯」なんかは海外で我武者羅に働いてきて、ある事件が起こり、まさかの最後・・・どんな終わり方なんだろうって夢中で読みました。
    最初の「夜警」も良かった。そうくるのか~って。
    本当に面白い本でした。

  • 久しぶりの米沢穂信さん。
    お友達の本棚でお見かけして、ずっと読みたかった作品。

    #夜警・#死人宿・#柘榴・#万灯・#関守・# 満願
    6編からなる短編集。

    特に面白かったのは、
    #夜警・殉職して英雄扱いされた警官の本当の顔。
    #万灯・最後のお裁きが印象的。
    #関守・ホラーっぽいのは苦手なのに、これは良かった。

    どれも、ひんやりとした心の闇が感じられ、
    ゾクリと薄ら寒い世界に、ぐいぐい引き込まれ一気読みでした。

  • 山本周五郎賞や本屋大賞にノミネートなど数々の賞を取った作品。
    短編集だが、ひとつひとつの作品が十分に話が練られている。この人のすごいところは登場人物や舞台が多様であること。そしてリアリティがあるところ。
    またミステリーでは珍しい日常の謎という地味さが特徴。ただ事件が地味なだけ細部へのこだわりがあるように思える。人物を描く純文学的な面を出せるのが作者の素晴らしいところだと思う。
    直木賞の選評だったか、「ストーリーテラーとして才能は疑いようがない。十分な筆力」とあった気がするがまさにその通り。
    『夜警』では警察官。『死人宿』では自殺の名所の旅館の仲居。『柘榴』では誰もを魅了する男と妻と子。『万灯』では地下資源を開拓しに行く商社マン。『関守』はライター。『満願』は弁護士。
    全て満足できる作品でした。
    個人的には『万灯』が好きです。オチにびっくりしたので。エンターテイメント小説としては素晴らしいと思うので、普段本を読まない人にこの中の一つでも読んでもらいたいと思う本です。

  • 2014年末ミステリーランキング 堂々の3冠作品。
    バラエティに富んだ短編集は、ミステリーの楽しみが詰まっている。
    “今どこで誰が何をしたか/するのか"がサクサクと提示され、その過程で物語のバックグラウンドや情景が描かれて、サクサクと落ちに向かって行く。
    さんざん読まされた挙げ句、あれ?これってミステリーだったの?ということは起こらない。
    面白いか、つまんないか、即席くじのようにわかっちゃう。
    この作品集は、それぞれに設定も漂う空気も全然違うのが美味しい。

    交番が舞台の、夜警
    鄙びてはいるが品のある宿を舞台にした、死人宿
    桜庭一樹のアレを思い出させる、柘榴
    バングラで商社マンがガスを掘る、万灯
    峠の茶屋と老婆の怖い話組み合わせ、関守
    昭和中期の武蔵野の美しい婦人が登場する、満願

    すごく意外!というのは無いけれども、なるほどな今年の一冊、でした。

  • 2014年のミステリー各賞を、まさしく総なめした短編集。6編それぞれが非常に流麗な文体で綴られていて、物語の世界にすっと入っていける感覚を強く感じた。
    何かの事件や犯行を引き起こす動機やこだわりは、100人いれば100通りある。「そんな理由で……!?」と驚くような動機も、けっして突飛だとは感じずに深く納得させられるものばかり。人間の持つ執念の深さのようなものが、丹念に描かれている。
    受賞の前評判に惑わされず読もうと試みたが、読み終わったあと、数々の受賞に心からうなずかされた。

  • 6つそれぞれ異なる短編でありながら、どれもに共通するのは日常に起こりうるであろう不気味さ。もちろん起こっては困る出来事ばかりだが、それぞれの主人公の心情にはゾッとさせられるほど、似たようなものが自分の中にあることを認識させられる。人生はままならない。願いは必ずしも叶うことが幸せとは限らない。満願の時を迎えたその時、人は何を思うのだろうか。この小説の登場人物たちはそれぞれ何を思ったのだろうか。バラバラなはずの6作品が一つの場所に収まった。上手い!としか言いようがない一冊だ。

  • ミステリー短編集
    メディアでの評判が良く、期待しすぎて読んだので若干物足りなさはあるが、ゆっくりと底なし沼に堕ちていくような感覚がいい
    正義とは、何のためにあるのかな

  • なかなかのミステリー

    柘榴

    万灯 備後国風土記 蘇民将来
    異邦の神 疫病を司る神

    あならかな

  • 「ボトルネック」のように淡々と進んで、登場人物の心情に割かれた多くの部分に特別共感することも無く終わって、少しばかりの空虚さがお土産の小説で勝手に期待して読んだだけに落胆が大きくて寂しい。

  • 短編ということで、一つひとつの話が気楽に、なおかつ一気に読めるから話の全体が頭にスッと入ってきます。
    「満願」には6つの話が収録。
    みんなティストが違っていて、今更ながら米澤穂信さんって、いろんな作風が書けるんだと感心。
    個人的には「柘榴」の淫微な雰囲気や、「関守」の独特の怖さ、最後の「満願」の人が最後に拠り所とする矜持などが好きです。
    人間がもつ「ややこしい」いやらしさ、
    つまり、
    出世欲だったり、性欲だったり、名誉だったり、
    とかとか、
    そんな欲を、仄暗い穴蔵に押し込めて静かに棲息している小動物のように捉え、
    普段は、その己の小動物をなんとか押さえ込んでいるのだが、
    だが、
    あるきっかけで、それはプツンと箍がはずれ瓦解していく様を米沢は一気に書き込んでいます。
    読者である私は、読み出したら、次のページを開けずにはいられない。
    開けなかったら不安でしょうがない。
    そんなドキドキ感が押し寄せて来る短編集でした。

    お薦めです!!!

  • 2014このミス大賞。
    気になる本はハードカバーでも買ってしまうのが悪い癖。

    元々後味の悪さには定評のある米澤穂信だが、ライトノベル出身ということもあり、少年少女を主人公に立ててその読後感の悪さを青春小説の苦さというオブラートに包んできた感があるが(知らない人はボトルネックを読むと良い)、本作では遠慮なく炸裂。そういうのが苦手な人は読まないほうがいい。

    人間が誰でも持っている感情や行動を極端にデフォルメして悲劇の引き鉄を引く、というのがこの人の基本的な手法だと思う。もちろん犯罪には手を染めないけど、こういうのわかるな、自分の嫌なところだな、っていうのをまざまざと見せつけられるので読むのがしんどいのかも。
    そういう意味だと最初の2つが読んでてきつかった。

    平時なら星4つですが、今あんまり重い話を求めてないので3つ。。

  • 夜警・死人宿・柘榴・万灯・ 関守・ 満願の6篇からなる短篇は、全作秀作。
    伏線は張られ完璧なオチもついている。ミステリ、サイコ、不条理。しかし、読後は、後味が悪くどんより引きずる、最低だ。湊さんの『告白』に次ぐ。
    私は、死人宿が好きだ。

  • 図書館にて。
    どの作品もじんわりと怖くて楽しめた。
    現代の怪談といった感じ。

    でも、「柘榴」だけは納得いかない。
    父親をそんな風に愛することがあるのだろうか。
    しかも、その父親のせいで経済的に困窮し、働き詰めの母を見てきたはずなのに、そんな相手をただの男としてだけ娘は愛することはないと思うのだが。
    父親につけば明日からどうやって食べていくか生きていくか不安定なのがわかっていて、今までだって父親のせいでずっとそんな生活にさらされてきたのに。
    どれだけ愛していたとしても、何不自由なく生きてきた若い娘がダメ男の深みにはまるならともかく、貧乏を知っている女は現実が見えると思うのだ。
    逆ならあったかもしれない?
    でも、息子がダメな母親を愛する、そのために自分たちを育ててくれた父親を陥れるという逆の展開の小説は、米沢さん自身が男性だからリアリティがないのもわかっているだろうし、描けないし描きたくないだろう。
    だから結局、こう書いてしまうそこが男性の作家の描く小説だなと思う。
    若くて美しい娘がダメな父親を残酷なまでに愛する、これまた美しい母親を陥れて、という所詮ファンタジー。
    申し訳ないけど胸糞悪。
    表題作もダメな夫のせいで殺人まで犯すできた奥さんの話だったし。
    どうせ殺すなら夫のほうだろうと思うのだが・・・

  • 2017.09.警察の拳銃マニアの話,誰の遺書かを探す死人宿の話,女性の心を掴む男の話,仕事のために殺人を犯してしまう話,何故か死亡事故がおきてしまう峠の話,家宝の掛軸を守るために殺人を犯す話のホラー,ミステリーの6つの短編集.今一つだったかな.

  • 上質なミステリーが6編詰まった短編集。
    それぞれの物語が予想外のオチを用意しており、楽しく読み進めることができた。特に「万灯」は、私は裁かれているという意味深な冒頭から始まり、過酷な海外の資源開発の話をしていると思ったら、意外な結末に驚かされた。
    折れた竜骨を読んだときにも思ったが、米澤穂信はロジカルな展開を構成することが巧みで、ミステリーの面白さが丁寧に凝縮されているように思う。
    それもあって、短く読みやすいにもかかわらず、6編とも余韻に浸れるほど深く味わえる内容になっており、1編ずつじっくりと読むことができた。

  • 重苦しい空気の話が多い。

    常識や、法で縛ることのできない人間たちの強い意志、欲望。

    バレなければいい?
    罰を恐れなければ何でもできる?
    裁かれるべきはそこではないのではないか。
    罪状が違うのではないか。

    人の心や思惑といったものは、本当に複雑で、他人には推し量ることができない。

    『夜警』
    川籐浩志巡査の死。
    彼は銃をいじるのが好きだった。
    警官に向かない人間というのは居る。

    『死人宿』
    火山ガスが低地に溜まりやすく、時々人死にがある宿。
    二年前から行方不明になっていた佐和子は、そこで中居をしていた。
    脱衣所から遺書が見つかる。
    持ち主を救うことはできるのか?

    『柘榴』
    美しい母子。
    生活力のない男。
    黄泉のくだもの。禁断の実。

    『万灯』
    これ一編で一冊でもいい。
    そのガスで一灯を灯すとして…
    それは希望の灯なのか、弔いの灯なのか。

    『関守』
    ある峠のカーブでは、車が崖下に落ちて何度か人が死んだ。
    都市伝説系の記事にしようと現場に向かったライターは、
    雨の日も風の日も、客の少ないドライブインを開ける老女から話を聞く。

    『満願』
    弁護士の藤井が初めて担当した殺人事件の裁判は、かつて彼が下宿していた家の女主人だった。
    一緒に達磨市で達磨を買った。
    彼女はいつ、達磨に目を入れるのだろう。

  • 贅沢な短編集
    作者の力量が思う存分注がれている。
    一遍として凡作は無い。

  • ミステリー仕立ての短編集。やや読後感の良くない作品が多いかな。表題作の「満願」は、金貸しの男を殺した昔の恩人を弁護する主人公を描いたもので、事件の裏にある被告の思いがうっすらと怖い。全編そんな感じ。

  • このミステリーがすごい!2015年度国内第1位作品、ランキングの常連作家であったが短編集での受賞となった。氏の作品はほとんどを読了しており、大のお気に入りさんである。しかしながら短編集での受賞になんとなく収まらない「何か」を感じていた。

    やっと図書館でも余裕をもって貸し出してくれるよになったため読了した。

    それぞれの短編にリンク等なく完全に独立した小作品であった、ここには米澤氏の作家としての意気込み、腕試し、挑戦、のようなものを感じた。短編においてミステリーを完成させ、読者の心に強く残る作品を上梓することは至難の技であろう。

    そのような艱難辛苦の果てに生み出された短編群をそれなりに読んできた。その一群に今作が仲間入りをしたのかどうか?その評価が第1位なのであろう、しかし個人的には収まらない「何か」を感じたまま、それが払拭されることはなかった。

    表題作「満願」が一番の出色なのであろう、ただなぜか薄く淡く感じてしまう。おそらく自分がもっと色濃く重い短編を読んでおり、そことの比較をしてしまうためである。このような読書癖はよくないのかも?米澤氏には長編で1位を獲って欲しかった。と思う…

  • 『夜警』
    殉職した部下が発砲した真の理由は何か話

    『死人宿』
    自殺志願者がよく泊まる宿の脱衣所で見つかった遺書はどの客のものか話

    『柘榴』
    浮気症の夫がいる家庭で離婚後娘2人の親権はどちらになるか話

    『万灯』
    海外僻地のガス資源確保のため殺人を犯したサラリーマンが逃げられない理由は話

    『関守』
    超山奥ドライブイン近くの見通しの良いカーブで事故死が多発するのは呪いか話

    『満願』
    若い頃お世話になった下宿の奥さんが犯した殺人は計画的だったのかどうか話

  • 少し後味が悪い短編集。
    表題作である「満願」よりも、「関守」の方が印象に残った。
    小心者の恐ろしさがわかる「夜警」
    どうにもできないことがあると知らされる「死人宿」
    女が怖い「柘榴」
    自業自得の「万灯」
    ホンモノが恐ろしくなる「関守」
    大事にするものは人それぞれだと思わせる「満願」
    人間の暗い部分がよく出ているお話。

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満願の作品紹介

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