生きてるだけで、愛

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著者 : 本谷有希子
  • 新潮社 (2006年7月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (144ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103017714

生きてるだけで、愛の感想・レビュー・書評

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  • 初・本谷さん作品。

    『生きてるだけで、愛。』なんといい題名でしょう。
    帯には『過眠、メンヘル、二十五歳』

    過眠ではないけどメンヘルと
    生きているだけで疲れる…という部分に共感しました。

    冒頭は毛という毛をを全部剃った過激なエピソード…があり
    あとは直感で借りました。

    私は行動に出せないけど自分とかぶる部分があって
    主人公の寧子にとても共感できました。
    脳内展開が似すぎて笑ってしまったシーンも度々。
    主人公寧子のように実際に行動出来たら、どんなにかどんなにか
    この心のもやもやが晴れることだろう…。
    全部ぶちまけてしまいたくなる。


    面倒くさい女で、暴力的で不器用で、でも一生懸命で
    読んでいたら
    綿矢さん、絲山さんや金原さん、島本さんの作品に
    出てくる様々な人物を思い出してしまいました。


    最後の方で彼氏の津奈木と屋上で会うシーンの言葉が
    お見事で、本谷さんの作品をもっと読んでみたいと感じた。
    (私って結局こういう過激な作品が好きなんだよね…)

    彼氏は主人公と別れられるけど、主人公は…

    『あたしはさ、あたしと別れられないんだよね一生。』
    『こんなふうに生まれちゃったんだから死ぬまでずっとこんな感じで、
    それはもうあきらめるしかないんだよね?』
    『いいなあ津奈木。あたしと別れられて、いいなあ』=110ページ=

    もう痛いほど気持ちが分かるので、このセリフで私の
    心が鷲掴みされてしまって、泣きそうになってしまいました。

    私も自分と別れておさらばしたいもん。

    でも読み終えると爽快感が。。。最近こういう作品に多く
    当たるのが、また不思議です。

    「あの明け方の」も面白かった。
    道路が毛細血管、タクシーが赤血球でトラックが白血球
    内回りが動脈で外回りが静脈…
    という例えがたまらない。

  • 生きてるだけで「疲れる」主人公の、つまりそれは「愛」なんだなと思った。

    すごく、感情移入できた。

  • 本谷好きになったきっかけの一冊。何度も読み返した一冊。

  • 過眠症でメンヘル、25歳の寧子の話。

    芥川賞の受賞を聞いて知った作家さん。

    なんじゃこりゃと、ぶっ飛んだ主人公に面食らい
    ながらも、気がつけば一気読み。
    最後まで不思議な感覚が抜けなかったけれど、嫌いじゃないです。

    寧子がバイトする事になったイタリアンレストラン、ラティーナのみんなが魅力的だったのに、あんな形で終わってしまったのは残念。

    私には分からない世界ではあるけれど、津奈木と寧子は、このまま上手くいくのかもしれないですね。

    もう一つの短編「あの明け方の」の方が好みでした。

  • 躁鬱病主人公寧子と同居人の津奈木。過眠に苦しむ鬱状態の彼女の前に津奈木の元カノが現れ追い詰められる。いきてるだけで、愛。
    それと短編、あの明け方の。
    喧嘩してひたすら都道14号線を歩く。

    なんにでもいらつく、暴力的になる、というのは働いていた頃はあったけど、今はもっと穏やかになったなあと感じたから、その時よりは共感できてないと思うけど、なんだかそういう女性の精神的な不安定さ生きづらさは非常に共感できる。

  • タイトルに惹かれて読んでみたらおもしろかった。
    自分からは逃げられないんだよね。
    生きてるだけで疲れるよね。
    でも私はまだこの主人公のようにまでおかしくなってないから少しほっとした。

  • 本谷作品で最も好きな一冊です。
    帯に記された「過眠、メンヘル、二十五歳。」この言葉に少しでも惹かれた方ならば必ずどこかに共感できる部分があると思います。そうじゃない人は、理解できないか、嫌悪感を抱くのかも。

    冒頭の一文から、主人公の歯止めの利かない感情への対症方法が描かれている。
    美人だけど感情の起伏が物凄くて、それに応えるための行動もいちいち振り切れていて、他人も自分も振り回して生きているだけで疲れちゃう主人公。
    遺伝だったり、環境要因によるものなのかもしれない、生きてく中で獲得してきてしまったこういう部分は自分から切り離すことは難しく、世の中にうまく組み込める生き方が見つからなければ、それははみ出した人間として「過眠」「メンヘル」のようなレッテルのもと隅へ追いやられてしまうものなのだと思う。絶対に人と自分が完全に分かりあえるなんてまずないんだと諦めてしまう。主人公の語りの文章も、どこか諦めのような投げやり感が漂っている。
    けれども、たった一瞬だけでも自分の心の姿が人の脳裏に伝わったなら、それを頼りに生きていけるかもしれない。富嶽三十六景にそれを見出せるのがすごいと思う。


    わたしが本谷さんの作風で好きなのが、所々に盛り込まれる小さなエピソードや、日常の中で感じた不快感やツッコミの類の描写です。ひとつひとつは特筆すべきような大したことないかもしれないけど、リアルで共感できるからこそ面白い。コップの表面に浮く脂ぎったリップの残骸を見て真冬の海に飛び込みたくなるほど気が滅入るとことか・・・
    素揚げ女の嫌がらせの件など現実味はないけどもやたら人間味があり濃く感じるエピソードがいくつかあると思いますが、本谷有希子さんのブログあるいは劇団の各演目のHPを細かく読んでみるとそれらが実際に本谷さんが経験したエピソードを元に描かれていることが分かります。仕事への熱意に温度差のあるバイト先のミーティングとかも。どうりで、やけにおもしろいわけだ。

    自身の日記で「私はよくノイローゼの人、それも女子に絡まれる。」と語られているように、本谷さん自身もこの主人公と同じように巻き込まれ体質なのでしょうね。

  • どうしても輪の中に入っていけず空回りしてしまう自分。
    それをどうする事も出来ずに、鬱状態になる。
    そこから抜け出そうと行動すると、
    また思ってるように物事が進まず、悲しくなる。
    その繰り返し。

    でもそんな自分でも誰かが分かってあげたいと思えば、
    愛になるのだ。

    本題より、「あの明け方の」の方が普通で好き。

  • 真っ暗な部屋の中を手探りで進もうとしてはあちこちぶつかってもがいているようなメンヘラの女の子が主人公。

    自分は彼氏の津名木くんと性格が近いと思うので
    「あたしと同じだけあたしに疲れてほしい」なんて言う恋人は
    1番めんどくさいタイプだなと思ってしまう。

    それでもラストの屋上でのシーンは痛快。
    寧子の言葉がぐさぐさ心に刺さってくる。
    誰だって自分とは一生別れられない。

    今まで意識した事なかった葛飾北斎の富士山に波がざっぱーんの絵が
    とてつもなくロマンチックなものに思えてくる。

  • 主人公を自分に置き換えて読みました。それほど似てる。うつになる人はみんな優しいのかもしれない。

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