- Amazon.co.jp ・本 (133ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103017745
感想・レビュー・書評
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人間の自意識が存分にえぐられていて、読んでいて居心地が悪い。でもそれがヒトの本当の姿なのだと思う。
主人公の女の完全に独りよがりな目線で語られるがゆえ、多くの解釈の仕方がある。それを読み手に委ねる余裕を持たせた作品。
真実は分からないし気分が悪くなる作品なので好き嫌いが大きくわかれそうだけれど、わたしは好き。ページ数は薄いけど、その分量とは思えない読後感。
「悪いひと」として描かれた男が語り手だったら、と違うストーリーを妄想するのも一興かと。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
傑作!!これこそ本谷さんって感じ。
なんか読み終わった後に「うわぁー」って言いたくなる感じ。
やられてしまった、ぬるい毒 -
向伊を好きになってしまって、でも向伊は自分を好きになってはくれなくて。ずるい。考えて考えて、いろいろやってみても、根本的に感じ方がちがうから効かないっていう。
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「ずるい。」
そう思うと痛いよね、、、
【紀伊國屋ホール】 劇団、本谷有希子(番外公演)「ぬるい毒」(2013年9月13日~26日)観に行け...「ずるい。」
そう思うと痛いよね、、、
【紀伊國屋ホール】 劇団、本谷有希子(番外公演)「ぬるい毒」(2013年9月13日~26日)観に行けたら観に行きたい。。。
http://www.kinokuniya.co.jp/contents/pc/label/20130716141000.html2013/08/07
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最後の方で、主人公の口から「ぬるい」という言葉がでました。
ああ、なるほど、そういうことか、と感じたときに、
読んでいた自分は、すさまじいショックを受けました。
タイトルが、作品世界そのものということです。
「ぬるい」が故の本当の恐ろしさは、すごいとしか
言いようがありませんよね。
芥川賞3度目のノミネート作です。
本谷さんの描く世界観が審査員にどこまで理解
されるかと思いますが、素晴らしい出来です。
受賞の有無とは関係なく多くの人に、
読んでほしい作品です。 -
いままでの本谷有希子さんの小説のなかでも、小説らしいはなしだった。
一気に読んでしまった。
人間の憎悪と狂気に満ちた物語。
とにかく向伊がいやなやつ。
だけどそれも主人公の被害妄想なのかもしれないってところが狂気。
あと味悪いよ、なかなか
芥川賞受賞するかなぁ、どうかな。前作に比べると可能性高そうだけど。 -
人にとって毒というのは不要な様で実は求めているもの。エロスに対してタナトスも本能であり、快感である。女性というのはイケメンにボロボロにされるのも本望なのでしょうか。
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11/23
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まぎれもなく傑作。
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初めの1ページを読んで、これは面白そうと思って、最後まで一気読み。読んでる間も読後も、決して気分のいいものではないのだけれど、作者の毒に魅入られてしまったよう。若い時こういう虚栄心や残酷さってあったなぁ。痛々しすぎる。。