- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103021711
作品紹介・あらすじ
2005年冬、倉津圭太という重度の難聴のラグビー少年が東海大翔洋高校のスクラムハーフとして全国大会で活躍。花園の観客を驚かせた。彼の背景には「デフラグビー」があった。デフラグビーとは、「聴覚障害者ラグビー」のこと。ニュージーランドで行われていたその紹介記事を一人の写真家が雑誌に寄せたのをきっかけに、日本全国から聾者・難聴者が集った。だが試合が出来ず、運営に行き詰まり、活動は崩壊の危機に。そこである男が頑張り、世界大会参加が決定。ふたたび「聞こえないラガーマン」たちが結集する。そして-疎外感に苛まれていた聾者・難聴者たちの生きる姿勢を、ラグビーが根底から変えていく。彼らの不思議な交錯の軌跡を自らも難聴ラガーマンである著者が追うノンフィクション。
感想・レビュー・書評
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チームメイトから紹介された『静かなるホイッスル』を目頭を熱くしながら読み終えました。 (TwT。)
自らもデフラグビープレイヤーである「柴谷晋」が、日本のデフラグビーの軌跡について綴ったノンフィクション作品です。
デフラグビーとは「聴覚障害者ラグビー」のこと。
名前は以前から知っていたのですが、活動状況などについては一切知りませんでした。
所属しているクラブチームにデフラグビーの選手が入部してきたことをきっかけに興味を持ち、色々と調べてみると、2002年にはニュージーランドで世界大会も開かれ、日本代表は7人制の部で準優勝という輝かしい成績を残していることも分かりました。
(チームメイトもその代表のひとりです… )
ラグビーって、声でのコミュニケーションが非常に重要なスポーツです。
パスが後にしか放れないルールなので、必然的に味方プレーヤーは後からサポートします。
ボールを持っているプレーヤーが次にすべきプレーやパスをするタイミングを指示するのは、後からサポートするプレーヤーです。
当然、声でコミュニケーションを図るのですが、彼らにはそれができない。
レフリーの笛だって聞こえません。
彼らのことをもっと知りたくなって、この本を読みました。
試合中にどうやって意思疎通をしているのかについて第8章にヒントがありました。
「~前略~ 次々と選手が声をあげる。難聴の選手ばかりではない。まったく聞こえない聾の選手も、叫び声に呼応して大声を出した。その声は震えていた。それは体の中に響いた。
選手たちは耳ではなく、体で気持ちを通じ合わせていた。 ~後略~」
そう、人間って、言葉だけで通じ合っているんじゃないんですよね。
この本を読んで、まだまだ人間として、ラグビープレーヤーとして未熟なことに気付かされました。
そして、ラグビーのことが、さらに好きになった気がします。
まだまだやめれないなぁ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
やりたいことを諦めなければ道は開ける。難聴者がするには危険すぎると言われたラグビー、同志が集まりチームが出来、桜を背負って世界へ。「聞こえない」のは「聞こうとしない」とは全く違うもんな。ウィルチェアラグビーは知ってたけどデフの存在は初めて知った。
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耳が聞こえない人たちのラグビー