- Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103022510
感想・レビュー・書評
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フラココ屋という古道具屋の二階に商品と一緒のスペースに住まう事になったバイトの僕(若者から中年という年齢)と店長や大家さん一家、常連客などとの半年くらいの交流を描く。誰もが何かを強烈に目指したりしてないこの温度感が好き。
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アンティーク店フラココ屋の二階で、一人居候暮らしをはじめた「僕」の周りにいる人たちの日常生活を描く。
のんきでしたたかな店長、大家の八木さん、その二人の孫娘、朝子さんとタ子ちゃん、初代居候の瑞枝さん、相撲好きのフランソワーズと言うのが主な登場人物。
月日が経つごとに、繋がりが深まってゆくが、決して深入りなどしない。
7つの短篇の最後では、全員がパリに集まり、それぞれの道を歩んでいることが分かる。
良く言えば、ほのぼのと安心しきって読める内容だが、抑揚がなく期待が空振りに終わると感じる人もいるだろうな。 -
日々のちょっとした気付きや、ふとアレとコレが繋がったように思えたときの感じが共感できて心地よかった。
他のひと目線バージョンも読みたくなる。 -
夕子ちゃん、朝子さん、瑞枝さん、店長、八木さん、フランソワーヌ、バイク屋の店員、みんな愛想がいいわけじゃなくて、だけど離れてなくて、やっぱりこの距離感好きだなあ。ずっとこういう感じに書いててください。
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面白かったです。
大きな事件は、ないこともないですが、穏やかに過ぎていく日々でした。空気感が好きです。
嫌で仕方ない!という人が全く居ないのも穏やかでいいなぁと思います。
お相撲の描写が一番詳細だった気がしました。
この空気感どこかで…と思ったら、川上弘美さんの「古道具 中野商店」だ。どちらも心地好くて良いです。
カギ括弧でなく会話のやりとりがあるのが、独特のテンポでした。 -
古道具店のフラココ屋の2階に住む主人公と、近所の人たちの日常。
期待せずに手にした本でしたが、思いの外好みでした。
世界観がとても好きでした。
実際に身近にいたらどうかなとは思いますが、物語の主人公としては好きなタイプ。
彼の名前や、何故そこで暮らしているのか、どこに帰るのかなど、主人公については何もわからないまま。
でも、彼のことはとても良くわかった気がしています。
周りの人たちもとても魅力的。いい出逢いでした。 -
2017/02/17
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なかなか読み進められないし、続きが気になって夢中で読むという事もないのだけれど、なんだかとても好き。
長嶋さんの小説はいつも、いつまでもこの人達の会話を聞いていたいな、と思う。
みんなそれぞれに生きていて、でも確かに繋がっている。それが心地よくて、羨ましい。