氷壁

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (520ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103025122

感想・レビュー・書評

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  • 読みたいリストに入れておきながら、今更ようやく読み終えました。”ザイルがなぜ切れたのか?”。これを巡っていろんな推測がされる中の主人公の葛藤やその周りの人間関係がずーっと絡み続け、読んでいても真相が知りたくてワクワクする。古い本ではあるが、今見ても十分に楽しめる。ラストがあーなんとなくとは思っていたけど、やっぱり支社長があのときにいった言葉通りになっちゃったかーって感じで締めくくられていた。ページ数も結構なボリュームだけど読み応えはあった。

  • デュブラの詩で涙。

    単なる登山家の愛と友情の物語ではなく、当時、本当にザイルが切れる事件があり、製造者責任の法整備に繋がる社会問題を扱った小説と知り、感動も倍増。

  • ミステリーなんだけど、人間ドラマ。

    ナイロンザイルが切れたのは事件なのか自殺なのか…

    山に関して無知なので、冬山登山に関する描写は「へぇ〜」と思う事が多く面白かった。

    時代背景は古い。

  • ナイロンザイル事件、松濤明の遭難など複数のモチーフがある小説。ナイロンザイル事件のことは知らなかったが、20年近くも危険性が黙殺され続けた上に今のPL法成立につながったこと、小説からそれほど間を開けず公開された映画のメガホンを取ったのが故・新藤兼人監督だったということに感じるものがあった。
    山の話は最初と最後だけなので山岳小説という趣ではないし、松濤明という登山家の人生に触れるには「風雪のビヴァーク」のほうがいいけど、主人公とその上司「常盤大作」との関係性が魅力的で惹きつけられた。この時代の「カイシャ」全般がそうだったのか、小説のための脚色なのか。時代が違う、と言ってしまえばそれまでなのかもしれないけど、羨ましくもある。

  • 山岳小説としてとても面白かった。穂高岳の地図を片手に読んでしまった。是非訪れてみたい。
    ストーリーは冬山登攀と、その冬山登攀で起こった事件、その山男たちのを取り巻く人間模様。
    グイグイと引き込まれていったが、登場人物の心理などとても昭和感じがした。昭和30年代?が舞台なんだから当たり前だが、少し理解できない部分もありそのような時代だったんだなと感じた。
    山への憧れ畏怖は今も昔も変わらないもののように心に響いた。

  • おもしろい。すぐに引き込まれて、すいすい読めた。本を読んで寝不足になるのも久しぶり。もっと井上作品を読みたくなった。

  • 2006年10月 読了

    山にまつわる話

  • 神々の山嶺に続き山岳モノを勢いで借りて読んでしまいました。再読とは言えかなり前に読んでいたので、もうほとんど忘れていました。NHKでドラマ化されてましたねそういえば。そうか、そういうラストだったか。本当に忘れていました。時代設定としてはかなり好みの昭和30年代だし、山岳モノだし、その上恋愛小説なのかどうかは私にはわかりませんが、山に生きた若者たちの姿ってことでしょうかねえ。孤高の人、氷壁、神々の山嶺、これ以外にオススメの山岳小説ってありますか。

  • 一日が終わって床に着く前の読書は自分に戻れる瞬間。いったん熟睡したにも関らず続きが気になり夢にまで出てきて再び深夜に読書再開した程の内容。時代が変わっても機材が進化しても山の危険は同じですよね。

  • 玉木宏さん主演でドラマ化されると知り、読んでみました。

著者プロフィール

井上 靖 (1907~1991)
北海道旭川生まれ。京都帝国大学を卒業後、大阪毎日新聞社に入社。1949(昭和24)年、小説『闘牛』で第22回芥川賞受賞、文壇へは1950(昭和25)年43歳デビュー。1951年に退社して以降、「天平の甍」で芸術選奨(1957年)、「おろしや国酔夢譚」で日本文学大賞(1969年)、「孔子」で野間文芸賞(1989年)など受賞作多数。1976年文化勲章を受章。現代小説、歴史小説、随筆、紀行、詩集など、創作は多岐に及び、次々と名作を産み出す。1971(昭和46)年から、約1年間にわたり、朝日新聞紙面上で連載された『星と祭』の舞台となった滋賀県湖北地域には、連載終了後も度々訪れ、仏像を守る人たちと交流を深めた。長浜市立高月図書館には「井上靖記念室」が設けられ、今も多くの人が訪れている。

「2019年 『星と祭』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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