- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103027522
作品紹介・あらすじ
「左翼は嫌い。けれど、今の保守はもっと支持できない」と嘆くあなたへ――。保守の概念が揺らいでいる。「憲法改正」を叫ぶだけが、「あの戦争」を肯定するだけが、保守なのか――。否。それは「反左翼の“俗流保守”」に過ぎない。真の保守思想は、自由を積極的に擁護し、その源流にはリベラルなマインドが宿る。「リベラル保守」という新たな立場から、この国のあるべき「思想のかたち」を探る意欲的論考。
感想・レビュー・書評
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自分は現場で葛藤しながらやってきて、中島さんが言う、リベラル保守に近づいているのだなと思った。だいぶ楽になった。
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元々はNTT出版で出す予定が、橋下徹批判の章を削除するかどうかでもめたため、別の出版社になったようだ。
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本書は、保守思想の解説を交えながら、原発問題や橋下・維新の会など、具体的なテーマについて筆者の意見を述べている。以下に詳しい感想が有ります。http://takeshi3017.chu.jp/file6/naiyou23201.html
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なぜ「保守」を自認する安倍政権が「改憲」を目指すのか。不思議で仕方なかったが、要するに彼らは真の意味で「保守」ではないということか。「保守と「リベラル」が対立する概念ではないようです。本書は「保守」のあるべき姿とはなにかに多くの紙幅が割かれていますが、「リベラル」とは何かについての言及にまでは至っていません。タイトルにある「リベラル保守」とは何か、消化不良でした。
(以下引用)
「リベラル(liberal)という単語を辞書で調べると、「自由」以外に「寛容」という意味が出てきます。「自由」は常に「寛容」とてもに存在します。(P.20)
保守は特定の人間によって構想されたイデオロギーよりも、歴史の風雪に耐えた制度や良識に依拠し、理性を超えた宗教的価値を重視します。(P.33)
保守にとって重要な能力は、ユートピアを設計する能力ではなく「経験の神秘と不確実性とを従容として受け入れる能力(マイケル・オークショット)です。このような人間の不完全性を謙虚に受け止める「冷静さ」と「懸命さ」こそが、まずは保守に要求される基礎的な能力です。(P.35)
日米安保の強化を唱える自称保守は、リアリズムという観点から、左翼陣営の平和論を批判してきました。曰く、「絶対平和論は空想的な理想主義で、現実政治のリアリティの中では意味をなさない」と。周辺諸国の脅威がある以上、それに対処するには日米安保を強化することこそが現実的な選択であるというのが彼らの主張でした。その結果。「理想主義の左派」vs「現実主義の保守」という対立構造ができあがり、多くの人びとがこの構図を自明視する状況が続いています。保守は日米安保というリアリズムを選択をするのが当然という感覚が浸透しているようです。しかし、この構図は正しい対立図式なのでしょうか。(P.90)
チェスタトンの言うように、同質な者ばかりとの関係性に安住していると、価値の葛藤に耐えられない自閉的存在になってしまいます。(P.141)
この日本型雇用・福祉システムを破壊し、新自由主義的な政策を導入したのは、他ならない自民党です。家族の基盤を破壊した上で、なおかつ「家族に頼れ」というのは無理な話でしょう。(P.144) -
今の日本は右傾化しているという指摘がよくなされているが、果たしてそうなのか。どうやらちがうのかもしれないということがわかった。思想に基づいて思考することが正しいのかどうかは置いておくが、目先の利益の優先、もしくはいわゆる「仮想敵」をつくりあげてただ難癖をつけたい、誰かを罵倒したいというだけで、保守という思想のもとに思考している人は皆無に等しいようだ。でも、そういう自覚のない言論が何の躊躇もなく流布していることがいちばん恐ろしいことなのだと思う。
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保守の思想を「人間の理性によって理想的な社会を作ることなど不可能である」と断言している.この発想は左翼のそれの反対をなぞったもので、泥臭い人間の本生から出てくるものと理解した.となると、今保守と呼ばれている連中が本当に保守思想を持っているのかと、あらためて考えてみると疑問点が多い.原発や橋下維新、大東亜戦争、徴兵制などのトピックで定義した保守思想を検証している.ただ、断言出来にくい問題だかも知れないが、論点がややボケている感じがした.
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学術論文だから良いとかエッセイだから悪いとかそういう議論は抜きにして、大変読みやすく戦後「保守」とは何か考えさせられる内容だった。そして、おそらく自分は保守ではないだろうと悟った....。
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13/11/09読了。