累犯障害者

  • 424人登録
  • 3.88評価
    • (65)
    • (67)
    • (82)
    • (3)
    • (1)
  • 84レビュー
著者 : 山本譲司
  • 新潮社 (2006年9月14日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103029311

累犯障害者の感想・レビュー・書評

並び替え:

表示形式:

表示件数:

  • 再読
    2012年5月31日レビュー

    強烈なのは、第三章・・・ 売春する知的障害女性の箇所だろう。知的障害の80%以上が軽度の知的障害者であり、一見見た目では判断できないのだとか。その子が同じ知的障害者と結婚し出産すると、軽度をはじめ中度または重度の知的障害者児童を産むことになる。そして負の連鎖がはじまる。彼らに周囲の助けがなければ職にもつけず犯罪に巻き込まれ、最後には刑務所が安住の地となるのである。刑務所にいる受刑者の3割の人が、知的障害者なのだという現実が哀しすぎる。
    ________________________

     聾学校の高等部を卒業しても9歳レベルの学力しか身につかないとある(P245参照)小学4年生程度の学力って・・・さらに驚くのは彼らは、健常者との関わりが希薄なため社会常識が著しく欠如してしまうことらしい。聾社会だけの独特の文化を彼らだけで共有している。聾者との意思疎通をはかる手話とは健常者のためのものであって、聾者同士の会話は手以外の動作が大きな役割をはたす。手話が出来る人でも聾者同士の会話の半分も理解できないという。再読して更に関心がます。

  • どうしようもなく気分が落ち込んでしまう
    目をそらせてはいけない事実だとはわかっているのですが…
    でも この現代という時代に生きている私たちこそ
    知っておかなくてはいけない事実でもある

    全てが「善」であるものは この世に存在しない
    全てが「悪」であるものも この世に存在しない

    私たちが 今 考えなくてはならないこと
    私たちが 今 意識しておかなくてはならないこと
    私たちは 今 こんな時代に生きているのだということを

  • 山本譲司氏(菅直人の元公設秘書・元衆議院議員)

    内容が重々しく、読書中も読破後もやり切れない思いで
    いっぱいになった。

    軽度の知的障害者には療育手帳はメリットが少なく
    むしろレッテルや不利になりやすい。貧困と障害の関連性と
    子供の親も実は障害を持っているという事も多く判明された。

    下関駅放火事件・レッサーパンダ事件
    宇都宮誤認逮捕事件・売春する知的障害者たち
    浜松ろうあ者不倫事件・ろうあ者暴力団
    福祉、刑務所、裁判所の問題点

    内容すべてが衝撃的だった。
    不自然な内容の報道、あんなに大騒ぎしていたのに
    突然沈静化する報道はこういうことが背後にあるから
    なのか…とあらためて知った。

    高齢者や知的障害者、ろうあ者の犯罪者に福祉の
    手は差し伸べられないし、服役中も矯正プログラムなどは
    皆無に近い状態で、出所後も家族からも見放され
    行き場がなく、結局また犯罪を起こして刑務所に戻ってくる。

    障害者は品行方正を求められる、犯罪に手を染めた
    障害者はタブー視され、福祉関係者から背を向けられる。
    ホームレスか暴力団か閉鎖病棟か自殺しているか…。

    PFI(プライベート・ファイナンス・イニシアティブ)方式の
    刑務所=福祉スキルを持った専門家による生活訓練を
    受けることができる刑務所

    これが増えても現実的には難しい事がたくさん待ち受けて
    いることだろう…。

    追いつめられて事件を起こし、刑務所に入る前に
    社会的弱者に手が差し伸べられますように願わずにいられない。

  • 五体不満足だのリアルだの読む前に
    こっちを読んだ方が100倍いい。

    福祉というセーフティネットから漏れた
    障害者たちの行き着く先。

    ヤクザに飼われるろうあ者(耳と口が不自由な人)、
    売春にしか生きがいを感じられない知的障害者、
    障害者だけの暴力団、ろうあ者同士の不倫殺人…

    マスコミが絶対報道しない、日本社会の暗部。
    障害者とは、人権とは、そもそも人間とは。

    作者の視点には異論と疑問が残るものの、
    歴史に残る屈指のノンフィクションルポ。

    知らずに生きるか、知って悩むか。
    見つめて進む勇気はあるか。

  • 文章がうまい。毎晩寝る前に読み進めていたが、寝る前に読むにはあまりに合わない本だった。障害者の起こした事件は報道されない。

  • よかった。次のネタか?
    @@@
     この国の司法はいま、彼ら知的障害者の内面を伺う術(すべ)を持ち合わせていない。結果的に彼らは、反省なき人間として社会から排除され、行き着く果てが刑務所となる。こうした現実に、社会はどう向き合えばいいのだろうか。山口被告のような人間は、社会の中でどう生きればいいのか。また社会は、彼のような存在をどう受け入れればいいのか。
    @@@

  • 無知は罪である。
    レッサーパンダ帽の男、
    確かに捕まるまでのメディアの過熱ぶりは覚えてるけど
    犯人がどんな人でどうして捕まったから知らなかった。
    難しい。
    私の元彼のお兄さんも後天的知的障害者、
    身近にもダウンの子がいる。
    わからないだけで、道筋が変わってしまうのはとても辛い。
    服役中に母親が亡くなって、
    それがわからずに元家に入って住居侵入罪に問われた四十代男性、
    おかーたーん
    という泣き声が辛い。

  • 参考文献として

  • 非常に考えさせられる。

  • これは衝撃的な作品だった。世の中知らないことが多かったが、これは自分だけではなくいろんな人に知ってもらいたい事実だ、軽度の障害者が行き着く先が福祉の代わりに、刑務所、やくざ、風俗という日本の実態が5つの事件をテーマとして描かれている。山本譲二さんいい仕事したよ!

全84件中 1 - 10件を表示

山本譲司の作品

累犯障害者を本棚に「いま読んでる」で登録しているひと

累犯障害者を本棚に「読み終わった」で登録しているひと

累犯障害者を本棚に「積読」で登録しているひと

累犯障害者の作品紹介

「これまで生きてきたなかで、ここが一番暮らしやすかった…」逮捕された元国会議員は、刑務所でそうつぶやく障害者の姿に衝撃を受けた。獄中での経験を胸に、「障害者が起こした事件」の現場を訪ね歩く著者は、「ろうあ者だけの暴力団」「親子で売春婦の知的障害者」「障害者一家による障害者の監禁致死事件」など、驚くべき事実を次々とあぶり出す。現代日本の「究極の不条理」を描く問題作。

累犯障害者の文庫

ツイートする