僕僕先生

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 1037
感想 : 247
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  • Amazon.co.jp ・本 (266ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103030515

作品紹介・あらすじ

時は唐代。若き王弁は父の財産に寄りかかり、学ばず、働かず、娶らず、ひたすら安逸を貪っていた。そんなある日、父の命で黄土山へと出かけた王弁は、そこでひとりの美少女と出会う。自らを僕僕と名乗るその少女、なんと何千何万年も生き続ける仙人で…不老不死にも飽きた辛辣な美少女仙人と、まだ生きる意味を知らない弱気な道楽青年が、五色の雲と駿馬を走らせ天地陰陽を大冒険。第18回日本ファンタジーノベル大賞大賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • ライトノベルか?
    軽快に読めてしまうので、とても良い。
    仙人は、興味のある題材である。
    錬金術、中国では不老長寿として、仙丹を作ることと、道教の神仙思想が結びついた。ギリシアでは、万能薬(パナケイア)である。
    旅に出るという行程のスピード感が良い。極楽浄土への旅と思ったが、どうやらそうではなさそう。旅の途中で様々な人に会うにアイテムをゲット!ゲーム感覚はとても楽しい。(古来より用いられた方法なのだ)。仙人が多く登場するが、どれも人間くさい。道を究めているはずだが。
    僕僕はどうして少女の姿なのか?理由がわからない。青い服は道服ではないらしい。王芳とのラブストーリーになっていきそうな雰囲気があり。終章では、黄土山に庵で、病人を癒すが、薬(仙丹ではないようだ)を用いる。漢方薬の処方のようだが、どうしてこの様になったのか?
    登場人物のキャラ立ちがいまいちであると思うのだが。

  • すごく有名な本なのに、なんか読んだつもりで読んでいなかった。ファンタジー系は後宮小説でとどめを刺された気分だったからだろうか?


    最初の出だしやら組み立てはたいへん面白くて、もともとこういった感じの小説は大好きなので、もりもり読み進む。すごくさくさく、軽く読めるのもとてもよい。後宮小説や十二カ国物語を読んでいる体で。ただ、途中からが今ひとつ、ん?となっていくのが、主人公が僕僕先生(不老不死?の仙人なのだが見た目は涼やかな少女である)に対してまっとうな愛情を感じ始めるあたりから。

    おやおや?

    そうして僕僕先生もほんのり、いや後半はかなり、目一杯主人公に対して気持ちをみせちゃうのね。そのあたりでなんとなく、あたしの気持ちが下降線。うーん、そこはあまりそういった流れによらない方が。

    聞く所によるとたいへん好評につき、シリーズになっているそうです。この二人があまりにラブラブになったら多分読めなくなるので、多分続きには手を出さないと思うけど、この小説単体としては楽しめました。ちゃんちゃん。

  • ファンタジーというには正史の影響が色濃く出ているし、かといって歴史モノではない。
    最近読んだものとしては天地明察あたりがこの作品と似たような雰囲気を放っている(ただし向こう側は実在の人物が主人公であるが)。

    とりあえず、続きは読みたいと思える作品ではある。
    世界史を勉強してたら、☆4つだったかもしれない。

  • 「こういうことは本当に自分がやろうと思わなければ身につかないものだ。多くの人間がそうありたいと望む事ですら、志は結構簡単に曲がってしまうものだからね。キミがどう考えているにせよ、強制しようとは思わない」(212ページ)

    僕僕という呼び名の仙人に弟子入りすることになった主人公。
    人生のほとんどを、酒を飲んでは眠ることに費やしていた彼が、驚くような世界を旅する中で、少しずつ成長する物語り。

  • 中国は唐時代の県の役人であった父親をもつお金持ちのいわゆるニートの若者王弁が美少女だったり、老女だったりする仙人と旅をする。
    シリーズ第1作。

  • 父親が元官僚でお金持ち。親が蓄えた財産で充分生きていけるのだから、働かなくったって…。王弁は日々庭を散歩し、のほほんと暮らしておりました。
    そんなある日、近くのお山に仙人が住んでいるという噂を父親が聞きつけてきます。元々仙人に憧れていた父親は、仙人と近付きになろうと、息子王弁に貢物を託し仙人の元へ向かわせます。日頃父親からは「自分のような官僚になってしっかり働け」と言われている王弁は、「しかたがない。これくらいの使いならやってやるか」と仙人を訪ねます。そして、仙人と出会った王弁は…。

    少女の姿をした仙人“僕僕”と、いつまでたってもやる気のない王弁。そんな王弁が僕僕と接するうちに少しずつ変わってきます。
    仙人と人間が交わす友情・愛情。
    最後は涙がポロポロとこぼれてきます。

  • 王弁の純粋さがたまらない

  • シリーズものの第一作品。
    日本の時代物ファンタジーは数々読んだが中国ものは初めて。
    仙人という考え方が中国らしく背景も新鮮な感じがした。
    日本の発想からはない仙人の姿や術、それに僕僕先生との恋愛話も楽しく、この先が楽しみ。

  • 最初は面白そうだなーと思って読み始めたものの…夢を叶えるゾウのような緩やかな設定と物語推移に不思議な魅力があって、グググっと引き込まれたのも束の間、似て非なるものだとすぐ分かる。これこそ平明簡易な教訓本で、それを司るストーリーが小刻みに展開されていくことを読者としては期待してたのになぁ…。舞台を中国に設定するのであれば、師弟関係にある僕僕と王弁ならばこそ論語なりを題材にしてもよかったかな?そのへんは自分が疎いからさくっと分かりやすく読ませてほしいだけなのだが。まあ、とにかく空想癖が強すぎるんじゃないかなー。俺には合わなかった。

  • 装画・挿画/三木謙次 装幀/新潮社装幀室

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著者プロフィール

1973年大阪府生まれ。信州大学人文学部に入学後、北京に留学、2年間を海外で過ごす。2006年『夕陽の梨─五代英雄伝』で第12回歴史群像大賞最優秀賞、同年『僕僕先生』で第18回日本ファンタジーノベル大賞を受賞。「僕僕先生」シリーズは読者の圧倒的支持を集め、ベストセラーとなる。著書に「千里伝」シリーズ、「くるすの残光」シリーズ、「黄泉坂案内人」シリーズ、「立川忍びより」シリーズ、『撲撲少年』『真田を云て、毛利を云わず 大坂将星伝』『三舟、奔る!』など多数。

「2022年 『モノノ怪 執』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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