使命と魂のリミット

著者 :
  • 新潮社
3.57
  • (178)
  • (419)
  • (546)
  • (66)
  • (10)
本棚登録 : 2688
感想 : 425
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (376ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103031710

作品紹介・あらすじ

心臓外科医を目指す夕紀は、誰にも言えないある目的を胸に秘めていた。その目的を果たすべき日に、手術室を前代未聞の危機が襲う。心の限界に挑む医学サスペンス。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 主人公の氷室夕紀(ひむろ ゆうき)は、父が心臓の手術中に
    亡くなったことに疑問を抱き、
    自分自身が心臓外科医になろうと志す。
    夕紀の父の死について、病院に脅迫状を送る男性について、
    脅迫状を追う刑事について…
    いろいろな視点で様々な物事が進んで行くけど、
    最後は、いー感じに終わるー笑

    停電が起きた中、必死に患者を助けようとしている
    医者や看護師などの医療従事者に、なんだか感動!!
    停電が起きるなんて、よっぽどのことだろうけど、
    現実にも、こうやって助けようとしてくれてるんだなぁー
    と思ったら、本当に有難い気持ちになったよー。

  • 本棚から何気に選んでの14年ぶりの再読であるが、ストーリーには少しも古さを感じさせない。
    手術で父を亡くした主人公氷室夕紀は、その手術に医療ミスを疑い、担当した医師の元で研修医を務め、その疑念を晴らそうとする。
    その目的を果たすべき手術日に、病院を爆破するという脅迫事件が襲う。
    迫り来る病院の危機は防げるのか。
    彼女の疑念は解消し、目的を果たせるのか。
    主人公の秘めた目的にテロ事件を絡ませたサスペンスフルな展開に、ベストセラー作家の巧みさを感じる。
    題名に使用される「使命」は、夕紀に対する父の言葉として、たびたび語られる。
    「人間というのは、その人にしか果たせない使命というものを持っているものなのだ」
    事件を担当する刑事も、かつての先輩刑事=夕紀の父の言葉を反芻する。
    「人間は生まれながらにして使命を与えられている」
    さらに、犯人の動機としてもこの言葉が用いられる。
    「救命士も医師も最善を尽くそうとした。自分の使命を果たそうとした。彼らにそれをさせなかったのは、じつはたった一人の老人が自分の使命を忘れたからなのだ」
    エンターテイメントの形式で、人間の使命というものを、その意味を問いかける医療ミステリー。

  • 読了日2010/05
    やっぱり東野圭吾氏の作品は面白い!次から次にテレビドラマ化されるわけだ。
    医療系のお話は個人的に苦手だけど、専門用語がたくさん出てきても、わかりやすく、さくさく進みました。

    人の使命って。
    「人は生まれながらにして何かしら使命を持って生まれてくる」
    医者の使命。警官の使命・・・
    この本の中に出てくる登場人物は、みんな、ちゃんと使命を持って生きている。間違った方向の使命だとしても。
    そんな立派な使命じゃないにしても、私にも何かあるのかな~
    毎日、なんとなく生きている自分。これでいいのかと考えさせられる本でした。 。

  • 2015年7月27日読了。
    病院には電気が重要だということが、再認識できた。


    ●2023年9月9日、追記。

    本作を読んでから、8年ですか。早いものです。
    レビューが簡単すぎるので、本作の内容を追加します。

    ---引用開始

    心臓外科医を目指す夕紀は、誰にも言えないある目的を胸に秘めていた。その目的を果たすべき日に、手術室を前代未聞の危機が襲う。心の限界に挑む医学サスペンス。

    ---引用終了

  • 医療系サスペンス。

    「医療ミスとはその能力の不足から生じる。能力のあるものがわざとそれを発揮しない、ということはありえない」その通りだと思った。勉強不足、知識不足な自分。医療ミスしませんように。

    しかし西園先生、医者としてはすごいけど、どうやって遺族の妻とそういう関係になったのか甚だ疑問。

  • 心臓外科医を目指す研修医の夕紀は、元警察官の父を心臓手術中に亡くしていた。ある日、医療ミスの公表を求める脅迫状が帝都大学病院届く。大病院を襲う危機と医療ミステリ。

  • 東野圭吾さんの作品にしては、大きな展開がなかったような…。西園先生が夕紀の父を故意に死なせたのでは、と疑いながら読んでいたけど、最後には、その疑いも晴れ、東野圭吾作品には珍しいハッピーエンド。手術シーンの描写も、とても良かったし、最後はうるうるしちゃいました。「使命を全うする」…いい言葉だなぁ。

  • 入院している患者を狙う犯人と、

    父親を殺されたかもという疑惑を持ちながら研修する医師と、

    刑事の視点が入り混じるミステリー



    最後の2割くらいから面白くなって来たけれど、
    全体的に作品のトーンが硬質でなかなか読み進められなかった。

    が、最後は胸熱でなかなか良い終わり方でした

  • みんながハッピーになってよかった

  • じーんときて。
    あ~…東野圭吾ってこうだよなーって感じる作品。

    この人って最後の最後まで種明かししないよね(笑)
    なんとなくはわかってたけど、ちゃんと言葉になったの見た瞬間、
    ぶわーって涙が出てきました。


    P.361(P.376中)の58章からが最高に好きです☆

    胸がぐっと締めつけられて、涙があふれて…

    どんなトラブルが起ころうとも、自分の全てを懸けて命を救おうとする、
    また、その行動で長年の誤解を解こうとする西園先生に心を打たれました。

    まさに“使命と魂”!!

    “リミット”がよくわかんなかったけど…
    全てをかけて手術に臨んだ西園先生が、それを終えた後に精魂尽きた辺り?

    これも、母親と娘の間で些細な誤解がある話。
    娘ってどこまでいっても勝手なんだなぁ~(笑)
    親の話はきちんと信じてあげましょう!( ´艸`)



    東野さん自身も、大変な時期に書かれたそうで…
    (作家生活25周年特別企画“東野圭吾公式ガイド”にありました)

    とてもとても深い思いが込められた作品だったことがわかりました。

    読後感がとても良く、心があったまるこの作品。
    東野さんのこんな気持ちが背景にあったからなんですね。

    • s_suzukaさん
      突然のフォローすみません。東野圭吾作品ランキングで見つけました。(東野圭吾好きや文庫好き、それに、新刊⇒図書館で借りる⇒文庫が出たら購入、の...
      突然のフォローすみません。東野圭吾作品ランキングで見つけました。(東野圭吾好きや文庫好き、それに、新刊⇒図書館で借りる⇒文庫が出たら購入、の流れが一緒です!)
      2013/02/04
    • ay_anotherさん
      >anotherskyjpさん
      フォローありがとうございます。
      おかげで、「注目のまとめ」に晒されていることを知りました(笑)
      >anotherskyjpさん
      フォローありがとうございます。
      おかげで、「注目のまとめ」に晒されていることを知りました(笑)
      2013/02/06
全425件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1958年、大阪府生まれ。大阪府立大学電気工学科卒業後、生産技術エンジニアとして会社勤めの傍ら、ミステリーを執筆。1985年『放課後』(講談社文庫)で第31回江戸川乱歩賞を受賞、専業作家に。1999年『秘密』(文春文庫)で第52回日本推理作家協会賞、2006年『容疑者χの献身』(文春文庫)で第134回直木賞、第6回本格ミステリ大賞、2012年『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(角川書店)で第7回中央公論文芸賞、2013年『夢幻花』(PHP研究所)で第26回柴田錬三郎賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞を受賞。

東野圭吾の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×