文学の淵を渡る

  • 新潮社
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103036203

作品紹介・あらすじ

小説の最前線を走り続けてきた二人の作家が、文学の過去・現在・未来を語る。互いに深い敬意を抱く二人が、この22年間に交わした文学的対話を集成。ギリシア悲劇から日本の古典、百年にわたる日本の短篇小説、国内外の近現代文学、外国語詩を読み、それぞれの小説作法や翻訳のはたらき、八十歳を目前に書きたいと夢みる小説について語りあう。誰もが引き込まれる文学的トピックが満載の対話集!

感想・レビュー・書評

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  • この対談は、文学うんぬんだけではなくて、最高の叡智をそなえた二人の老人の証言でもある。と同時に、反復をよしとせず、つねに+1を作品に付け加えるべく今なお試行錯誤しつづける作家の証言でもある。だから、深くて、広くて、新しい。

  • すばらしい。勉強家はいいなあ・・・感謝

  •  1935年生まれの大江健三郎、1937年生まれの古井由吉のこれまでの対談集。

    ・「明快にして難解な言葉」(「群像」1993年1月号「小説・死と再生」)
    ・「百年の短編小説を読む」(「新潮」1996年7月臨時増刊「新潮名作選百年の文学」)
    ・「詩を読む、時を眺める」(「新潮」2010年1月号)
    ・「言葉の宙に迷い、カオスを渡る」(「新潮」2014年6月号)
    ・「文学の伝承」(「新潮」2015年3月号)

     質の高い実作者同士のやりとりなので理解できない部分も多かった。「晩年性」も加わるのでますます。

     それでも深い(と思う)言葉があちこちにある。

     カオスの深淵を、自らの破滅を意識しながら渡る業深き二人。

     それを遠くから眺めている私は、それはそれで幸せなのかもしれないと感じた次第。

  • 対談集

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著者プロフィール

大江健三郎(おおえけんざぶろう)
1935年1月、愛媛県喜多郡内子町(旧大瀬村)に生まれる。東京大学フランス文学科在学中の1957年に「奇妙な仕事」で東大五月祭賞を受賞する。さらに在学中の58年、当時最年少の23歳で「飼育」にて芥川賞、64年『個人的な体験』で新潮文学賞、67年『万延元年のフットボール』で谷崎賞、73年『洪水はわが魂におよび』で野間文芸賞、83年『「雨の木」(レイン・ツリー)を聴く女たち』で読売文学賞、『新しい人よ眼ざめよ』で大佛賞、84年「河馬に噛まれる」で川端賞、90年『人生の親戚』で伊藤整文学賞をそれぞれ受賞。94年には、「詩的な力によって想像的な世界を創りだした。そこでは人生と神話が渾然一体となり、現代の人間の窮状を描いて読者の心をかき乱すような情景が形作られている」という理由でノーベル文学賞を受賞した。

「2019年 『大江健三郎全小説 第13巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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