花宵道中

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著者 : 宮木あや子
  • 新潮社 (2007年2月21日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (251ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103038313

花宵道中の感想・レビュー・書評

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  • 江戸末期、吉原の小見世「山田屋」の遊女たちの恋と生き様。
    「花宵道中」の朝霧、「薄羽蜉蝣」の茜、「青花牡丹」の霧里、「十六夜時雨」の八津、「雪紐観音」の緑…。
    年代が違えど、それぞれ少しずつ繋がっていて、姉女郎だったり妹女郎だったりする。

    宮木さん、もっと年配の作家さんかと思っていたらそんなことなく、
    かなり最近(というか2007年のこの作品で)デビューした方だったのね。
    籠の中の鳥として生きるしかないと諦めを抱きながらも
    一瞬の恋の揺らめきに翻弄され刹那的に生きる遊女たち。
    どのお話も余韻に浸ってしまいました。
    艶っぽく耽美的。だいぶ18禁ではあるけれど、いやらしさがない。
    このあたり女流作家だなぁ。

    一番最初の話で一番よかったのが「花宵道中」。
    これは他の話の核ともなる話だった。
    霧里の妹女郎であり、八津や三津の姉女郎である朝霧。
    売れっ妓とまではいかないまでも、そこそこにお客もついて、もうすぐ年季が
    明けることになっているのに、あるお祭りで出会った男と恋に落ちる。
    一人きりの道中の場面が色鮮やかで美しく、青色牡丹のように夢幻だとしても、
    いつまでも続いてほしいと思った。

  • 第5回R15&R18文学賞ダブル受賞・デビュー作

    これがデビュー作なの…と驚くぐらい、流れる繋がる美しい文章。
    儚くて切なくて激しくて、不器用な女たち。
    そしてその女を男は買う。

    なによりすごいのが練りこまれた相関図
    伏線って言っていいのか分からないけど、伏線が見事で
    圧巻。ド肝を抜かれました。
    親子の因果?血の呪縛っていうのかな…
    人って儚い。儚いから美しいってこともありなんだな…。


    霧里、朝霧、八津、三津、緑、茜、水連、宇津木、桂山、椿山
    玉蔓…
    吉田屋、東雲…

    「花宵道中」と「青葉牡丹」の霧里、朝霧、東雲が炎のように燃えて
    桜のように散ってゆく…切ない。切ないけど好き。

    久しぶりに時間をかけてゆっくりと読書しました。
    R15とかR18とかジャンルを越えて満足できる一冊でした。
    (もちろん子供には読ませることはできませんが)

  •  時代小説は苦手で、ほとんど読んだことがない。この作品ははじめて心に残る時代小説になった。
     とにかく切ない。
     自分の存在しなかった時代のことをこうも見てきたように描けるものかと思う。
     これが彼女のデビュー作。うますぎる。

  • 最近のマイブームが時代小説で色々読みあさっているが、これはまた今まで読んでた時代物とは色の違うもの。
    R18文学ってものがあるんですね。
    官能的と書いてある通り性描写はかなり容赦ない。
    でもそれがイヤラシイかって言うとイヤラシクない。

    哀しくて切なくて美しい遊女達の素敵な作品でした。

  • はわわわ…!大満足でした。
    緑ちゃんの章まで一気読み。
    くすぶる熱に溢れる想い。
    足枷となる己の身分…。
    み、満たされました。
    幸せな結末でない。そこに思いっきり揺さぶられました。
    みんな幸せにしたげたい…。



    ↓以下ネタバレ

    朝霧・半次郎夫婦
    ラブストーリーは突然に。的展開で熱が一気に沸き立ったと思ったら不穏な流れに一気に熱が冷めて胸中でやめてやめてやめたげてよおお!!!連呼。
    初っ端から大きな恋(クライマックス)が終わってしまって次章から(自分が読み切れるか)不安になる。(勿論いらぬ心配だった)

    霧里東雲姉弟
    遠く生き別れた二人を繋ぎとめた朝霧の中に生きる霧里の魂。自分の手で好いた女の笑顔を守ってみせると決意した半次郎。
    『数年後に訪れるであろう細々と幸せな日々』に泣いた半次郎に私が泣いた。見たかった。
    あんたたちの幸せを…。
    嗚呼純愛。悶絶。ぱたり


    八津三弥吉夫婦
    三弥吉のイケメンぷりに翻弄(私が)。普段それほどまでの激情を内に秘めていたんか…。な本番にジタンバタン。まぢやってくれるなカリスマ髪結師。この調子でどうか八津ちゃんの年季明けまでお見合いスルーしまくって下さい。


    桂山さん
    一生ついてイキヤッス!


    三津緑
    まさかの緑ちゃん登場の百合展開…。抜かりない…。


    弥吉
    ロリコン疑惑が最後まで拭えないまま迷宮入り。多分純粋にいい人……なのだろうか。(悶々)

    はぁ素敵だった。

    渡辺多恵子さんの風光る(特に山南さんと明里さん辺り)を読んでから花魁のお話読みたいなぁと思ってたら、ダ・ヴィンチの女性向け官能小説で紹介されててこれだと思い借りてきました。(そうか…官能小説なのか…)

    多分何回読んでもときめきは失せないだろう作品。漫画も宮木さんの他作品も読んでみたいです。

  • 図書館より。
    マンガが気になって先に原作を読んでしまった。
    もの哀しい。
    本当は☆☆☆☆でもいいんだが、やっぱり哀しい読了感。
    最近、この手の哀しい本は避けていたからか。
    なんだか切なくなる。

  • どんな男に抱かれても、心が疼いたことはない。誰かに惚れる弱さなど、とっくに捨てた筈だった。あの日、あんたに逢うまでは――。
    初めて愛した男の前で客に抱かれる朝霧、思い人を胸に初見世の夜を過ごす茜、弟へ禁忌の恋心を秘める霧里、美貌を持てあまし姉女郎に欲情する緑…儚く残酷な宿命の中で、自分の道に花咲かせ散っていった遊女たち。
    江戸末期の新吉原を舞台に綴られる、官能純愛絵巻。R‐18文学賞受賞作。

    艶っぽく、丁寧で情緒に溢れた美しい文章。そしてこの何とも粋な相関関係。
    うっとりとため息をついてしまう程こんなにも雅やかな小説は初めてです。気付けばいつの間にか、華やかで物悲しい江戸吉原の世界にぐいぐいと引き込まれていました。
    遊廓という場所で遊女としてありながら、叶わぬ恋をしてしまう女たち。淫靡で、繊細で、無常で……豪華絢爛な衣で隠した心は何を叫ぶのか。
    過酷な人生を必死に生き抜こうとする彼女たちの強さと、淡く切ない恋心に胸が締め付けられます。

    とにかく素敵。読み終えてしまうのがもったいなく、「ずっとこの世界に浸っていたい」と思わせてくれる麻薬的な魅力がありました。
    一つ一つの言葉を噛み締めながら、何度もじっくり楽しみたい小説です。

  • 「女による女のためのR18文学賞」なるものをとっている本作品。
    確かにそういう場面はふんだんにあるけれど、時代小説で舞台が遊郭という日常とかけ離れたものであるせいなのか、耽美的な描写のせいなのか、みだらな感じはしなかった。
    普通の恋愛モノとして読めてしまいました。
    もちろん大人女子向けですけどね。
    確かに、この話をリアルに捉えるより悲恋な物語として読むほうが女として楽しめると思います。

  • 読み終わってしばらく惚けた。花魁ものは物悲しい。でも自分の肉体のみで生きるその姿は凛とした美しさを放ってる。永遠につづく愛だけをしあわせとよぶわけじゃないと私は思うし、そうであってほしいと願う。

  • ホラ・・・、今、花街ネタってちょっと、興味がありますやん・・・(某乙女ゲームの影響で)。

    そもそもは、この本を原作にした映画を安 達 祐 実氏が主演するっていうのを聞いて、
    「あ、ちょっと観たいかも」
    と、思ったのよね・・・。もう数年前の話やけれども。

    安 達 祐 実氏はわりと好きで(演技が)、テレビ版の「大奥」に(和宮役で)出てたときなんか、
    「あんな童顔なのに、あんな芯のしっかりして、なおかつ可憐な感じになるのか・・・」
    と、かなり惹かれたのよね・・・。

    あの幼い感じが、いかのも箱入りな和宮にピッタリやったのかもしれへんけど、そのときの大奥は二部構成で、その前は菅 野 美 穂氏がやっていたのけど(篤子役のほう・・・。綱吉ではなくて・・・)、あの菅 野 美 穂氏との差もすごかったんだよねえ~。

    さすが、北島マヤを演じた人・・・(笑)!

    おっとそれまくり。
    で、そんな安 達 祐 実氏が、今度は太夫あたりを演じるのかーと、若干興味をひかれたんやけど、いかんせんR15。
    R15の映画なんて、ごめん、よう見れない。@40才

    ちゅうことでしばらく忘れていたんやけど、さらに数年前、数年ぶりに古本屋へ行ったらこの本が売られていて
    「あっ」
    と、手にしてんけどねー・・・。

    ぱらぱらっと見て、
    「イヤイヤ、たぶんまだ私には早い」@40才
    と、また棚に戻したわけやけど、今回、図書館で借りて読むハコビとなりました・・・。

    (長っ)


    きっかけは、ツイッターかブログでお友だちの会話を目撃してやと思う。笑
    (なんせ、本を読む話にはものすごいいきおいでくいつくので・・・)

    おふたりがこの本について話してられたのを見て、
    「うお、私も読んでみたい」
    と、思ったのでした。前々から気になってる本やし、きっと読むなら今なんやろうな! とか。


    元々私は官能小説というのはほぼ手にせえへんねんね・・・。

    まあ、見ての通り基本ライトノベルばっかり読むし、作中でちょっとしたイチャイチャに
    「うわあああ―――!!」
    と、もえたりもするんやけど、私がもえマックスなレベルって、最近なら「いい加減な夜食」程度。

    (どこにイチャイチャがありました? 程度の)

    だからこそ、この本を読むのに数年かかってるんやけど、官能小説というのは(あ、男性向けはハナから視野に入れてませんスイマセン)、コトに至る過程どころかコト最中の描写をするという「官能」よりも、コトに至るほどむき出しになる「本能」を描写するものやと思うのね・・・。

    (わかりにくい・・・)

    ようは、コトに至るなんて本能のみで成り立ってるでしょう。
    そこを堂々とさらけ出せるほどの、なんやろう、勇気というか吹っ切れ具合というか、私にはそういうのが皆無なんだよね。

    こんなけアレコレ文章に書きたがるくせに、本能をさらけ出せるかというと、それがなかなか出せない。
    それってきっと、スキーでスピードを出せるとか、大きな声で歌を歌うとか、なにか自分の一面を切り崩す代わりに新しい世界を見る、みたいな、そういうスリルと向き合えるかどうかっちゅうかなんちゅうか誰か助けてまとまらんわ(笑)。

    まあそういうわけで、もっとこう、キレイゴトだけを並べたような作風が好きなのでライトノベルばっかり読むわけやね。
    官能小説というのは、(特に女性の)一番芯の部分を掘り起こすものなんやと思うわ。


    たまには、いい・・・。
    たまには、よかった・・・。
    さすが、「本能」だけあって、読み始めたらとにかく先へ先へとページをくっていっちゃって、イッキ読み。
    ほんで、たくさんの女性が登場したうちで一番グッときたのが八津でした(一番、「本能」に従えない子やと思う)。

    著者の別タイトルも読んでみようかなあ・・・。

    (2016.07.09)

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花宵道中の作品紹介

吉原の遊女・朝霧は、特別に美しくはないけれど、持ち前の愛嬌と身体の"ある特徴"のおかげでそこそこの人気者。決して幸せではないがさしたる不幸もなく、あと数年で年季を終えて吉原を出て行くはずだった。その男に出会うまでは…生まれて初めて男を愛した朝霧の悲恋を描く受賞作ほか、遊女たちの叶わぬ恋を綴った官能純愛絵巻。第5回R‐18文学賞大賞&読者賞ダブル受賞の大型新人が放つ、驚愕のデビュー作。

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