日本語ほど面白いものはない―邑智小学校六年一組特別授業

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著者 : 柳瀬尚紀
  • 新潮社 (2010年11月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (191ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103039525

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日本語ほど面白いものはない―邑智小学校六年一組特別授業の感想・レビュー・書評

  • ちょっと休憩。島根県を柳瀬先生が気に入ってくれて嬉しいです。小学校の授業がこれだと本当に面白いだろうなあ。

  • 昨年のお盆休み、パートナーの実家に帰省した際、島根県美郷町にある山の中にあるプールを訪れた。そのすぐとなりにあったのが邑智小学校だ。本書は、翻訳者であるところの著者が、その邑智小学校で日本語についての授業をされた記録と子どもたちからの感想文(お礼の手紙)から成っている。抜群におもしろい。一気に読んだ。これまで著者のことは名前しか知らなかった。読んだことがなかった。「チョコレート工場の秘密」ぜひ読んでみたいと思った。美郷町にもまた訪れたいと思う。そこで暮らしてみたいとさえ思う。パートナーはいやというだろうが。さて、私たちはそのプールに忘れ物をした。仕方がないので、次の日、再びプールまで往復した。車で片道30分ほどの道のりだ。実はそのとき大きな拾い物をした。道中で、柿本人麿と斉藤茂吉の名を冠した資料館を見つけたのだ。しかもたまたまその日は開館日。ほかに見学者がいない中、ゆっくりと資料を見せていただくことができた。その後、梅原猛氏の人麿論(水底の歌)を読もうと、古本屋で上下巻購入するも、未だ手を付けられていない。

  • 言葉を自在にあやつる翻訳者が小学生に授業をしたときの実践記録。子どもはよいものを得れば驚くほど伸びる、ということがよくわかります。楽しんで学ぶ、という日本の教育で忘れられがちなことが、見事に実践されています。読んでいると自分も参加したくなります。

    図書館の所蔵箇所:本館3階東閲覧室 

    請求記号:810.4||Ya

  • ホント日本語は面白くて天才だと思った!読みやすく、自分が使っている日本語だけれども知らないことがいっぱいあり、もっと知りたいと思う本でした

  • 言葉の大切さがしみじみと分かる本だと思う。「日本語は天才である」という筆者の言葉にもあるように、漢字の由来や日本語の言葉遊びなどに触れるうちに、どんどん言葉の世界が広がっていくことが実感できる。子どもたちがいろは歌を応用した言葉遊びに引き込まれていく様子が印象的であった。自国の言葉に対する理解や尊敬の念を持つことが、相手を大切にする関係性のあり方、そして利他的な心を養うことに繋がっていくのではないだろうか。教師という仕事のあり方について考えさせられた一冊。子どもって、本当にすごいな。

  • 著者の柳瀬尚紀さんは、映画「チャーリーとチョコレート工場」の原作「チョコレート工場の秘密」やジェイムズ・ジョイス「フィネガンズ・ウェイク」などの翻訳者。島根の「子どもの本屋さん」の働きかけで、”田舎”の邑智小学校で特別授業を行うことになった、そのときの記録である。

    「先生」が教えることの価値、というのを改めて感じた。

    本を読んでも知識は得られる。

    でも、先生が教えてくれれば、その人から教えられる知識を、有機的なつながりをもった「構造」として理解することができる。

    10個の新しい事柄を覚えた時、それぞれを無関係の個別の事柄として覚えれば、それはいつまでも10個の知識。

    でも、その10個をそれぞれ網の目のように関連するものとして理解できたとき、それは、ただの10個の知識ではなく、他に派生したり応用したりできる、自分で考えて別の知恵を生み出すことのできる知識になりうる。

    「先生」というのは教師の免許をもった人、という意味ではない。あふれるほどの知識を持ち、自分がもっている知識を後進の人間に、惜しみなく楽しく教えることのできる人だと思う。

    この日、子どもたちの「先生」となった柳瀬尚紀さんは、子どもたちがどんな質問をしても、 次々とそして思いもよらない答えをくれる大人だった。子どもたちは、びっくり箱みたいに思ったに違いない。自分を「天才」と呼ぶ大人を見たのもきっとはじめてだろう。そして、そんな大人が「どんどん間違えていい」「必ず大変なことに遭うけれど、でも、だいたい大丈夫」なんていうのだから、子どもたちはびっくりして、そしてすごく安心したに違いない。小学校6年、という「子ども」と「おとな」の端境期に、こんな授業を受けられたことは、すごく幸せなことだと思った。

    これまで子どもと接したことのなかった柳瀬尚紀さんが、はじめて接した子どもたちが”田舎”の子どもたちだった、ということも幸せなことだったと思う。この本にでてくる子どもたちは、今私が暮らす地区の子どもたちの姿に極めて近い。自然に囲まれ、ゆっくり丁寧に育つ。子どもたちの伸びていく姿がすがすがしかった。

    .

  • 著者は、翻訳不可能と言われた20世紀最大の小説『フィガネンズ・
    ウェイク』の翻訳で有名ですが、最近は、ロアルド・ダールの子ど
    も向けの一連の小説の翻訳に注力していたのだそうです。

    このロアルド・ダールの翻訳が縁になって呼ばれたのが島根県の過
    疎の村にある邑智(おおち)小学校でした。そこで16名の小学六年
    生を相手に二回の特別授業と、一回の空想授業(手紙の形式をとっ
    た紙上授業)を行うことになります。

    子供を持ったことがなく、学校で教えたこともなく、子供と関わる
    ことのなかった著者が初めて引き受けた小学校の授業ですが、この
    授業における著者と子供達との交流の様子がとにかく素晴らしい。

     生徒:今までで一番楽しかったことは何ですか?
     柳瀬:今までで一番楽しかったことは今ですね。

     生徒:今一番大事にしているものは何ですか。
     柳瀬:きみらに対して、ちゃんと誠実に答えられているかどうか
        が今一番大事。

    ここにあるのは、目の前にいる人とちゃんと関わり合おうとしてい
    る一人の大人の誠実な態度です。著者は子供を子供扱いせず、一人
    の人間としてきちんと向き合い、関わり合おうとしています。

    そうやって真剣に向き合い、関わり合う中で著者が子供達に伝えよ
    うとしたのは、言葉というものの持つ力であり、日本語の持つ可能
    性でした。『日本語ほど面白いものはない』というタイトルどおり、
    日本語ではこんなことができるんだと手を替え品を替え紹介しなが
    ら、言葉がいかに奇蹟的な存在であるか、中でも日本語がどれほど
    天才的な存在であるかを繰り返し語ってゆくのです。

    同時に、「間違えて、覚えて、また間違えて、覚える。どんどん間
    違えてください」と著者は子供達の背中を押します。「いいんだよ。
    まちがえて、まちがえて、生きてゆくのだから」と。

    言葉の力に触れ、間違えていいんだと解き放たれた子供達は、たっ
    た二回の授業で、驚くほど書く文章が変わります。例えば、二回の
    授業を終えた後に、岡山怜美(おかやまれみ)という子がつくった
    以下の文章。

    おおきなゆめをもちお
    かをのぼっていこうか
    やまにそびえるきぎや
    まちにともるあかりま
    れにみるかぜのながれ
    みなみらいのたのしみ

    文頭をつなぐと「おかやまれみ」となっています。授業で紹介され
    た言葉遊びを自分でも試してみたというものですが、小六の少女が
    こんなにも美しい文章を作れてしまう。この子だけではありません。
    他の子達の文章もどれも言葉が生き生きとしていて、素晴らしい。

    言葉が持つ力を教え、間違えてもいいんだと背中を押してやるだけ
    で、子供はこんなにも言葉の世界に開かれていくのですね。何か教
    育の本質を教えられた気がしました。

    著者の言葉遣いはとても誠実です。聞き手や読み手に対して誠実な
    のは勿論、言葉そのものに対してもとても誠実です。人間にとって
    最大の奇蹟である言葉の可能性をとことんまで追求する。それが言
    葉に対する最大限の賛辞であり、敬意の表し方なのでしょう。

    著者と子供達との交流に暖かな気分をもらえると同時に、言葉を大
    切にしよう、目の前にいる人を大切にしよう、という気持にもさせ
    られる一冊です。是非、読んでみてください。

    =====================================================

    ▽ 心に残った文章達(本書からの引用文)

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    一連のロアルド・ダール翻訳を世に出してみて、「子供」というも
    のは決して... 続きを読む

  • 「子どもの本屋さん」からの依頼をきっかけに、「チョコレート工場の秘密」の訳者が、島根県の山奥の小学校で特別授業を行った。日本語の素晴らしさを教わった子どもたちは、やがて…。感動の教育ドキュメント。との書評を見て読んでみたが……

  • とある小学校の特別授業を引き受けたというので、その顛末で本が一冊できてしまうという見本のようなもの。
    話題豊富な筆者ならではのネタがある。

  • いまどき、こんなに素直な子どもたちがいるのかと思うような学級である。柳瀬先生が出前授業をおこなう様子のレポート。小学校高学年になって、自分の意見をのびのび言い合える、人の意見を馬鹿にしない、すれていないというのは稀有なことだと思う。特に、この漢字のこういうところがおもしろいとか、頭語だけ決めて詩を書くとか、確かにおもしろいんだけれど、授業でやられるとこっぱずかしかったり、自分にはできないとはじめから思ったり、まじめにやっている生徒を皮肉ったりというようなことが起こりがちだ。やっぱり環境なのかなあ。

  • 『チョコレート工場の秘密』の翻訳者、柳瀬尚紀氏が
    島根県のいわゆる「僻地」に出向いて、小学生に出張授業をする。
    本書は、著者が授業をするまでの経緯と、
    実際の授業を文章で実況中継したもの、
    そしてかつて授業に参加したこどもたちが中学生になってから
    行った「空想授業」について書かれている。

    書店網の充実がむずかしい僻地で、移動する本屋を経営している
    女性の熱意が実を結び、著者が島根県へやってくる。
    著者は無類の僻地好き。
    都市部にはもういないのではないだろうか、素直なこどもたちの存在に
    いたく感動を覚える著者。
    土地と著者が相思相愛になる。


    日本人が外国語を学ぶには、まず日本語を学ぶことが必要だという。
    とはいえ、なにも日本語を研究せよといっているわけではなくて、
    身近なものに興味をもち、興味をもったらさらに次のステップに進んで
    自分の世界を広げていこう、と教える。
    そのきっかけが、自分たちが普段使っている日本語であるということ。
    外国語の翻訳者がいうことだけに、説得力がある。


    ~本文抜粋~
    『きみたちとぼくは初めて会ったのに、しゃべれば通じ合える。
    実際に約束したわけじゃないのに、言葉は通じ合えるっていう約束を
    もともと交わしていたんですね。』



    そう、話せばわかる、のだ。
    メールでコミュニケーションをはかる都市部の若者たちの存在を考える。

  • 「チョコレート工場の秘密」の訳者である柳瀬尚紀氏。「子どもの本屋さん」からの依頼を受けて、島根の小学校で特別授業のドキュメントが記載されている。柳瀬氏の授業は無論、生徒や担任の先生とのやり取りが面白い。教育者や子どもを持つ保護者、学生にも読んでほしい本だと思った。「日本語」に興味が涌く!

  • (2011.2.11)
    読了。
    本の感想から少しズレるんですが、翻訳やる人って、よく「ヒマだったから辞書を読んだ」みたいな話をされますよね。やっぱり言葉に対する意識が鋭いんですね。
    まあ、例外なく活字中毒ってのもあるでしょうけど。(笑)

    全体通しても、前回の感想が全てです。
    子供の柔軟な発想力は、すごい。

    ただ、コンセプトがいまいちはっきりしません。
    少しでも教育に携わっている方が授業の参考になさるには、条件も状況も特殊に過ぎると思いますし、読み物としては、このテの特別授業モノは既に巷に溢れていますので、非常に今更感が漂います。

    前回の感想に書いてますが、地方の過疎化が文化に及ぼす影響や、地方都市の出版・書店の現状などの部分を膨らませて、というか、その辺りを中心に新書ぐらいで出してほしかったです。


    (2011.2.8)
    鬼才・柳瀬尚紀氏と島根の小学生という取り合わせが、まず面白い。氏の日本語は突飛で縦横無尽で、確かに、あれこれ考えて予測して凝り固まってしまう大人より、柔軟な脳みそと発想を持った子供の方が余程合うのかもしれません。子供、あまりお好きでないようにお見受けしてましたので、意外は、意外ですが。氏がこの「特別授業」のために島根を訪れるに至った理由や、地方の過疎化が文化に及ぼす影響の考察のくだりは、非常に興味深いです。

    今、半分ぐらい。続きは、後日。

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日本語ほど面白いものはない―邑智小学校六年一組特別授業の作品紹介

天才の柳瀬先生、すばらしい時間をありがとう-『チョコレート工場の秘密』の訳者が島根県の山奥・美郷町で学ぶ十六名の前で教壇に立った。さて、事の顛末は…。子供たちの可能性は無限大!感動の教育ドキュメント。

日本語ほど面白いものはない―邑智小学校六年一組特別授業はこんな本です

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