- Amazon.co.jp ・本 (137ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103045311
感想・レビュー・書評
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なかなか深いなぁとうならせられますが、うーんどういうコトなんだこれはと消化しきれないうちに、終わってしまった感じ。
自己の存在価値のための病的な依存癖。それを認識していながら、抜け出せない。やっはり理解出来ない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
青山の外れにある高層マンションの一室。入った瞬間、嫌らしい高級志向のインテリアに思わず愛想笑いが固まる。
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カメラマンと同棲する被写体の女の子が主人公の話。
恋愛とかよりも摂食障害の描写が痛い。
けしてきれいな話ではなかったし、最後も希望がない。
でもそこがリアルなのかもしれないと思った。
希望の光が見えるその松木の手を取ること、今のこの日常を変えるのは想像以上に勇気のいることで難しい。
今のままの自分でいられる場所に留まることの方が結局は楽なのだ。
だからやっぱり新崎の元へ早希は帰ってきた。
それも彼は見越していたのだろう。
この男の欲求と自分の制限に彼女はこのまま捕らわれ続けるのだろうか。
松木との将来を選べなかった早希には明るい未来が見えない。 -
松木さんが主人公のことをすきすぎて切ない。でもどうなっても、主人公の新崎さんへの気持ちは変わらないんだと思った。結局しあわせかふしあわせなのかはわからない。終わりがわたしには苦しかった。
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迫ってくる体温を感じながら感じた、世界が変わっていくのを―。堕ちてゆく痛み、翳りない愛への恐れ。自身に注がれる冷徹なまなざし。クールさと瑞々しさをともに湛えた最新恋愛長篇(amazonより抜粋)
拒食とモデルがテーマでした。
ページ数も少ないので30分くらいで読めちゃいますが、僅かなページで衝撃がある、・・・というわけでもなく。
こう淡々と終わっていってしまいました。
理解し難いような展開のなかに、何となくの通じるものを覚えましたが、きっと数年後この小説を思い返しても何も感じないと思う。
金原さんの小説は好きです。
独特の感性から描かれる「女」の視点がつい読んでしまうんですが、イコール好きな小説にはいつも何故だかなってくれません。
面白いと思えるには足らない、今回もそんな一冊でした。 -
『蛇にピアス』と『アッシュベイビー』を読んで
自分好みの作家じゃないと一線引いていたけれど
この作品はエロくもなくエグくもなく
ましてやグロテスクな要素も見当たらず
普通の純文学として楽しむことが出来た -
金原ひとみさん初読。うーん、崩れているようで、しっかりした大人びた文章。底知れない才能感じます。
このお話はねぇ…えーと、漫画みたい。ちょと大人めな女性向け漫画雑誌に連載されて人気だったのをノベライズしました的印象。だめな恋愛に嵌まっちゃう、チームいばら話です。(チームいばらって、大好きなブログ“広野ゆうなのフーテンひぐらし” 内でカテゴライズされている、“わかっちゃいるけどダメ男とばっか付き合って自分の価値を下げちゃってる症候群な女子たち”のこと)。モデルとして自分を見出してくれた新進気鋭のカメラマンとつきあっている、というか『飼われてる』ような状態のサキ。大量の食料を買っては租借して飲まずに吐き出す拒食症の描写はなんか怖かった。でも“太ったら嫌われる、捨てられる”と思い込んだらここまでなるのかもしれないなぁ。ものすごく愛を与えてくれる出会いがあるのに、最後は“飼い主”のもとに戻ってしまう展開には、恋愛に溺れる体質ではない私としては唖然。女は使われたらダメですよ。惚れさせてナンボですよ (#゜Д゜)屮。最後の1行が、含みを持たせてるけれど…。この後どうなったのか、読後にいろいろ想像させてくれる、アフターを味わう小説ってかんじかな。若いときほど、飢えて乾いてるよね。歳を重ねるごとに、潤っていきたいよ、つくづく。 -
モデルで噛み吐きばかりしている早希と同棲しているカメラマンの新崎とミュージシャンの松木の話。理想と現実ではやはり現実を取らざるを得ないっていう話。