青年のための読書クラブ

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著者 : 桜庭一樹
  • 新潮社 (2007年6月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (231ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103049517

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青年のための読書クラブの感想・レビュー・書評

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  • 親に捨てられ親戚中をたらい回しにされ施設に入った僕が
    のちに音楽や文学や拳闘に出会い
    耽溺していったのは
    ごくごく自然で必然的な流れでした。
    どこにいても必ず自分は黒い羊だと感じたし、
    改めて何かから逸脱する必要もないくらい(笑)、
    初めから逸脱した存在でした。
    そんなバックボーンがあるからか、
    とにかくアウトローやはみ出し者たちの話に僕は滅法弱い(笑)

    本書はシスターのいるお嬢様学校が舞台なだけに
    今ハマってるクドカンのドラマ「ごめんね青春!」を嫌でも思い出してしまう内容ではあるけど(笑)、
    タイトルどうり
    本好きにはたまらない宝石のような魅力に満ちた作品です。


    東京は山の手にある伝統あるお嬢様学校「聖マリアナ学園」に晴れて入学した
    長身でノーブルな美貌を持つ
    高校一年の転校生、烏丸紅子(からすま・べにこ)。

    コテコテの大阪出身で庶民中の庶民である紅子の出現によって、
    ざわめきたつ良家の子女たち。
    気弱な紅子は美しい容姿を持つものの、隠しきれない庶民臭によって
    どこのクラブに行っても相手にしてもらえない。

    サムワンな友達を求め彼女が最後にたどり着いたのは
    旧校舎裏の崩れかけた赤煉瓦ビルに居を構える
    異形の少女たちの部屋、
    すなわち「読書クラブ」であった。
    やがて部長である妹尾アザミを参謀とした読書クラブ部員たちによる
    「紅子王子化計画」の幕が切って落とされる…。


    本書は学園の創設(1919年)から消滅(2019年)までの100年にかけて続いた、
    読書クラブの歴史と
    様々な時代のクラブ員たちの活躍を綴った
    壮大なる連作短編集です。

    学園の正史に残らない珍事件を
    読書クラブの面々が綴った暗黒のノートをもとに物語は進んでいくけど、
    “校内の異端者だけが集う「読書クラブ」”という設定だけで
    同じく異端者だった僕は俄然惹かれました。

    まるでダウンタウンの薄汚れたパブのようにブルーカラーの気配を漂わせ、
    生徒たちから忌み嫌われている読書クラブの逆襲が胸をすく。

    ある時は学園の王子に君臨し、
    ある時はロックスターに成り上がり、
    ある時は亡命者を匿い、
    ある時は「ブーゲンビリアの君」となり、
    少女たちを助ける姿なき英雄と化す、
    それぞれの時代に生きた
    そんな異形の者たちの痛みや活躍を
    時にシリアスに時にコミカルに
    時には感傷的に
    少女たちの冒険譚を見せてくれるのだから
    はみ出し者であった人ほど
    より共感できるストーリーなのです。


    中でも秀逸だったのは冒頭にあらすじを書いた
    第一章の「烏丸紅子恋愛事件」。

    この女子ばかりの学園では、
    恋愛はしたいが現実の男性には強い嫌悪感を抱くお嬢様な生徒たちのために 
    安全で華やかなスター、
    つまり毎年学園に一人、投票によ
    って 「ニセの男」を作り
    王子と呼んでいる制度があって、
    それを利用し、紅子は成り上がっていきます。

    髪を短くし、夜な夜なディスコやバーに出かけては
    不良少年の仕草をリサーチし、
    完成に近づいていく
    「青年・烏丸紅子」のサクセスストーリーは拍手喝采もの。

    しかしなんと言っても特筆すべきは
    学園一の才媛だけど、
    ゲスな親父がそのまま乙女の制服を着たような(笑)
    小太りの醜い女生徒で
    読書クラブ部長の高校二年生、
    妹尾アザミ(せのお)のニヒリストキャラ!


    自分の容姿にコンプレックスを抱き、
    紅子をスターダムにのし上げることに全精力を注ぎ込む姿は哀切きわまりないし、
    恋は人の容姿にするものか、
    それとも、詩情にするものなのか?
    というフランスの戯曲『シラノ・ド・ベルジュラック』をモチーフにしたテーマが
    深く深く胸に突き刺さります( >_<)


    他にもシェイクスピアの「マクベス」、
    ホーソンの「緋文字」、
    バロネス・オルツィの「紅はこべ」など様々な古典文学のストーリーをモチーフとして各話が構成されているのも巧みだし、
    読書家にはたまらない仕掛けなんじゃないかな。
    (読めば必ず元ネタが読みたくなります笑)

    それにしてもどんなに孤独であっても
    孤独を楽しみ、
    読書を通じてかけがえのない仲間と老後を過ごす
    読書クラブ員が本当にうらやましい。

    たおやかで
    か弱いだけではない 、
    少女たちが持つ悪意の魅力と
    内包する強さを描ききる桜庭さんのポテンシャルの高さにも
    毎回脱帽します。


    行儀のいい小説なんて
    面白くない。

    乙女よ(そして青年よ!)、永遠であれ。
    どんな時も反骨精神を持って
    常に逸脱した存在であれ。

    世がどれだけ変わろうとも、
    どぶ鼠の如く、走り続けよ。
    いつか砂塵となって消えるその日まで…。


    なおこの作品は全国の大学文芸サークルが
    「この1年に最も輝いていた本」を決める2012年度の「大学読書人大賞」にも選出されています。

  • 女子ばかりの学園。
    影の薄い生徒で形成されていている読書クラブ。
    学園ができるまでのお話、読書クラブが今まで歩んできた道のり、日常生活の中で繰り広げられる読書クラブ員が仕掛けた罠。

    漫画にしたら、さぞかし面白い作品なのではと思えるほど面白く、このまま本を読み終えてしまうのかと思うと残念すぎて、続編はないものかと思ってしまうほどはまってしまいました。

    でも好き嫌いが極端に別れてしまう本だと思います・・・。

  • 成立から数々の正史には残らぬ珍事件を記録し続けた読書倶楽部の物語

  • これは面白かった!
    登場人物の少女たちも魅力的だし、物語の構成も好き。
    読み終わってすがすがしい気持ちになる。

  • 由緒正しいお嬢様学校の栄枯盛衰100年を「読書倶楽部」という、異端の集団から見たおはなし。
    青春って、女子ってイタイね!(笑)一応女子校出なもんで、ひとしお。
    でもしんみりもできるし、最後にはしっとりした感動が待ってるお!
    『GOSICK』シリーズより好きかも。

  • 東京にある聖マリアナ学園は、伝統ある歴史と由緒正しき女学校で、弱い立場でありながらも地道に活動し続けた読書クラブが記述した学校の珍事件。

    毎年学園祭で決まる王子、の地位を、誰もが嫌悪していたはずの読書クラブの部員が勝ち取った理由。
    創設者マリアナにまつわる兄妹愛と真実。

    バブル時代に乗って奇抜な生徒が革命を起こし、廃れ読書クラブに流れ着いた経緯。
    己の内に潜む野心を目覚めさせた結果、おとなしかった読書クラブ部員がバンドを組み絶大な熱狂を受けたひと時。

    姿のない英雄になったものの、容姿があまりにもそれとはかけ離れていたぬいぐるみキャラの苦悩と、
    かつての読書クラブだった少女たちが大人になってもその気持ちを忘れない居場所。

    おお、歴史が深いね。
    乙女の密告、のような雰囲気だった。
    ただ少女たちが自分のことをぼくとか男口調なのはなんだろう??
    女子学校って独特だろうね)^o^(

  • 惹かれたキーワード
    ・読書クラブ
    ・山の手のミッション系お嬢様学園

    独特な文体で描かれた連作短編集。

    この本の存在は知っていたけれど、
    なかなか手を出せなかった。

    予想に反して、かなり面白い。
    というかこの世界にどっぷり浸かった。
    最終章の疾走感と華麗な収束感が特に良かった。

    読んだ時期も良かったのかもしれない。
    次に読む時も、どっぷりハマりたい。
    装丁も個人的にとても好みだった。

  • 聖マリアナ学園の裏に隠された歴史の話。
    女子校独特の何とも言えない儚さや反面、女のしたたかさや、住み分けのあるいわゆる特権階級と言われるその世界がすごくよく表現されていて、面白い反面、ゲッソリもした。それくらいよく描かれていると思う。
    設定なども面白かった。
    けれど、私には苦手な世界だった。

  • 聖マリアナ学園という女子校に存在した、「読書倶楽部」と呼ばれる場末のサークルが引き起こす問題の数々の面白さときたら!!

    読書好き×女子×内気なわたしにはどんぴしゃ~な内容でした。

    何より桜庭一樹さんの本が大好きなのです。

  • 第一章
    この話では紅子の王子様になり、その後が少し書かれています。
    よくも悪くも、淡々と年月がたっていきます。
    なぜかわかりませんが、わたしの脳内変換では「紅子=天上ウテナ」になっています。
    ただ、最後の紅子の終わらせ方が雑かな?と思いますね。
    一応主人公?なんだからあまり汚してほしくなかった…
    これだと、ただの不良だし…
    まだまだ、お話はあるので評価はそれを全てみてからですかね…
    もし、こういう話ばっかだと桜庭さんの作品は私にはあわないかも。

    第二章
    マリアナについて。
    この話は好きでしたね。マリアナもかわいいし、兄さんもいい!
    最後のオチの感じもすきですね。彼女は兄か妹か…
    再読の価値ありです!

    第三章

    バブルという古い時代のマリアナ学園と読書クラブを題材にしたお話。正直、バブルという設定は微妙でした。庶民=バブルはちょっと…
    まあ、私がバブルのこと何もわかってないからだからかもしれませんが。
    桃色扇子ちゃん、かわいすぎっ!≧~≦ノ

    第四章
    比較的重めのお話。あるいみ、十五夜はヤンデレですね。ヤンデレは大好物なので、十五夜好きです!ヤンデレ×バンド×百合とは、最高すぎます!!
    男子校の子たちと出合った場面もなんだかよかったです。
    この話を読んで、緋文字読んでみようと思いました。

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