青年のための読書クラブ

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (231ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103049517

感想・レビュー・書評

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    ・読書クラブ
    ・山の手のミッション系お嬢様学園

    独特な文体で描かれた連作短編集。

    この本の存在は知っていたけれど、
    なかなか手を出せなかった。

    予想に反して、かなり面白い。
    というかこの世界にどっぷり浸かった。
    最終章の疾走感と華麗な収束感が特に良かった。

    読んだ時期も良かったのかもしれない。
    次に読む時も、どっぷりハマりたい。
    装丁も個人的にとても好みだった。

  • 聖マリアナ学園の裏に隠された歴史の話。
    女子校独特の何とも言えない儚さや反面、女のしたたかさや、住み分けのあるいわゆる特権階級と言われるその世界がすごくよく表現されていて、面白い反面、ゲッソリもした。それくらいよく描かれていると思う。
    設定なども面白かった。
    けれど、私には苦手な世界だった。

    • kuroayameさん
      私も先日読んだ本でしたので、拝見させていただきとても嬉しかったです(^○^)。
      女子校の香りがぷんぷんしていていましたね( ̄^ ̄)ゞ。
      私も先日読んだ本でしたので、拝見させていただきとても嬉しかったです(^○^)。
      女子校の香りがぷんぷんしていていましたね( ̄^ ̄)ゞ。
      2013/01/29
  • 聖マリアナ学園という女子校に存在した、「読書倶楽部」と呼ばれる場末のサークルが引き起こす問題の数々の面白さときたら!!

    読書好き×女子×内気なわたしにはどんぴしゃ~な内容でした。

    何より桜庭一樹さんの本が大好きなのです。

  • 都心で広大な土地に建つ聖マリアナ学園の南のおんぼろクラブハウスで異形の少女たちは集い、埃舞うなか、壊れかけのブリキの人形や演劇のロミオ、ジュリエットのドレス、地球儀などに囲まれた部室でアンティークカップで薄い紅茶を啜りながら各々に本のページをめくる。
    少女だけの薔薇色の楽園の腐臭にさらされながらの毎日。読書クラブの面々はその時々で学園で起こった正史には決して残されない暗黒史をクラブ誌として残していく。楽園の誕生から、百年の後の崩壊までの珍事件集。
    少女たちが「ぼく」と「君」で呼び合うラノベ調の文体に慣れるのに少し戸惑った。

  • 第一章
    この話では紅子の王子様になり、その後が少し書かれています。
    よくも悪くも、淡々と年月がたっていきます。
    なぜかわかりませんが、わたしの脳内変換では「紅子=天上ウテナ」になっています。
    ただ、最後の紅子の終わらせ方が雑かな?と思いますね。
    一応主人公?なんだからあまり汚してほしくなかった…
    これだと、ただの不良だし…
    まだまだ、お話はあるので評価はそれを全てみてからですかね…
    もし、こういう話ばっかだと桜庭さんの作品は私にはあわないかも。

    第二章
    マリアナについて。
    この話は好きでしたね。マリアナもかわいいし、兄さんもいい!
    最後のオチの感じもすきですね。彼女は兄か妹か…
    再読の価値ありです!

    第三章

    バブルという古い時代のマリアナ学園と読書クラブを題材にしたお話。正直、バブルという設定は微妙でした。庶民=バブルはちょっと…
    まあ、私がバブルのこと何もわかってないからだからかもしれませんが。
    桃色扇子ちゃん、かわいすぎっ!≧~≦ノ

    第四章
    比較的重めのお話。あるいみ、十五夜はヤンデレですね。ヤンデレは大好物なので、十五夜好きです!ヤンデレ×バンド×百合とは、最高すぎます!!
    男子校の子たちと出合った場面もなんだかよかったです。
    この話を読んで、緋文字読んでみようと思いました。

  • 「青年のための」というタイトルなんですが、完全なる女子高校の中の話。
    女子校!
    私自身も女子校だったので(小学校から大学まで!)、女子校の独特の世界を知っています。
    この本の中の女子校は基本的にはお嬢様学校で、由緒正しい家柄の乙女たちの集団といった感じです。
    そんなお嬢様系の女子校で起こった珍事件を「読書クラブ」の部員がまとめたもの…という形式のストーリーでした。
    私の通っていた女子校は、家柄は由緒正しい人たちも多かったですが、けして「お嬢様系」の学校ではなく、私を代表するような活発なタイプの多い学校だったので、この本の中の学校と共通することなどなにもない? と思って読み進めていたのですが、女子校ならではのエピソードがたくさん出てきてニヤニヤしっぱなしでした。
    特に乙女ばかりの女子校に男勝りの子がいると「王子様」のような扱いになって、多くの乙女が目をハートにさせて追いかける様子とか(笑)(笑)
    アルアルアルーー
    (ちなみに私自身は男勝りだったのかは謎ですが、身長も高いし髪もずっと短いし、割と後輩にハートの目で追いかけられるタイプでした)

    第一話の、家柄の正しくない、途中から入ったちょっと臭くて皆に嫌われている女子を読書クラブの一員がみんなの「王子様」に仕立て上げていく話がツボでした。
    裏工作と、それにひっかかっていく乙女たちがおっかしいのなんの。

    一方、第二話ではその女子校を創立したフランス人の創立時のエピソードが綴られています。
    この話にはポロッと涙がこぼれました。
    なんと切ないのでしょう。

    三話、四話は乙女ばかりの学校に新しい時代の波が少しずつ入ってきて、不良っぽい子が巻き起こす事件と、乙女が豹変してロックスターになる事件について。

    そして五話では、第一話で登場した醜い容姿だけれど頭はとてもいい乙女が大人になった後の話が出てきていて考えさせられました。
    学生時代は容姿ばかりがもてはやされ、容姿の優れないものは目立ちもしなかったけれど、結局大人の世界に出たらやっぱり中身で勝負するべきなのでしょうね。


    一環して、「読書クラブ」のクラブ員は男言葉で話をしているので「青年のための」というタイトルになっています。
    乙女ばかりの女子校の中のはみ出し者たちの集団が男言葉を使って語っている様子は、女子校育ちの私にはとても納得するものがありました。

    アッパレ! 女子校!!

  • 乙女だらけの学園で、“異形”の少女たちが正史には残らない裏の学園史を書き綴る物語。
    物語は時系列順に並び、過去から少し未来へと繋がっていきます。

    幼等部からのエスカレーター式女学園ということがあり、女の子同士の友情や、いわゆるエスと呼ばれる関係が数多く出てきますが、女に囲まれて女に友情以上の感情を持つようになっても、所詮はひとりの小さな女の子なんだなぁと思いました。
    その小さな女の子が学園にもたらす数々の闇の歴史は、とてつもないものだったりもしましたが。
    変わらないものはないけれど、いつまでも夢を見ていたいのは、きっと誰もが同じだと思います。

  • 色々意外性もあり、やっぱりぶっ飛びもあり。
    描写が容赦ないんだよね

    読書倶楽部にまつわる歴史

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「描写が容赦ないんだよね」
      伝説とか神話と同じですからね。。。
      「描写が容赦ないんだよね」
      伝説とか神話と同じですからね。。。
      2013/02/25
  • 最終章に出てきた女性議員が、俺の中で完全に井脇ノブ子だった

  • 桜庭一樹に傾倒しております。おもしろすぎる!なにが?
    展開が!キャラが!語彙の使い方が!
    舞台はとある都内の女子校。時代を隔てて起こる名事件珍事件の数々。「カトリック系の一貫女子校」のイメージを膨らませて、作者が遊びに遊んだ小説なのかと。

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著者プロフィール

1971年島根県生まれ。99年、ファミ通エンタテインメント大賞小説部門佳作を受賞しデビュー。2007年『赤朽葉家の伝説』で日本推理作家協会賞、08年『私の男』で直木賞を受賞。著書『少女を埋める』他多数

「2023年 『彼女が言わなかったすべてのこと』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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