サクリファイス

著者 :
  • 新潮社
4.06
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本棚登録 : 2711
感想 : 640
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  • Amazon.co.jp ・本 (245ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103052517

感想・レビュー・書評

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  • タイトルの意味が最後にわかります。ロードレースはチームスポーツなんだということを今回初めて知りました。帯にもありましたが、題材となるものに興味が湧くのはその小説に力があるからなんだと思う。

  • それで犠牲になるにはあまりにも……と思ったのですが、選手にとっては命をかけるに値することだったのでしょうか。

    しかし、主人公の元恋人の女性が憐れ。
    利用されたことも知らず、あんなことが出来る男と最終的に結婚してしまったんですから。

  •  スポーツの世界って、いろいろあるんだなあって思った。

     何で自転車競技の話なのに、タイトルが犠牲を表す「サクリファイス」なのかなって思っていたら、ロードレースという競技の特殊性にひとつ、そして話の伏線にひとつ、意味が隠されていた。

     ミステリー要素無しで、純粋にロードレースの話として読みたかった。

    • nico314さん
      私もこれ読みました!第2弾も読みましたが、こちらの方が好みでした。

      近藤さんは好きで何冊か読んでいます。「タルトタタンをあなたに」など...
      私もこれ読みました!第2弾も読みましたが、こちらの方が好みでした。

      近藤さんは好きで何冊か読んでいます。「タルトタタンをあなたに」など寡黙なシェフが主人公の話、いいですよ。よろしければ手に取ってみてください。
      2012/10/31
  •  自転車競技、ロードレースと言うスポーツに馴染みがないので、新鮮な気持ちで読むことができた。
     タイトルの『サクリファイス』が表すように、自分を犠牲にして成り立つ競技で、心に湧きあがる感情が人それぞれ違う、と言うところが面白かった。
     主人公がいい人すぎる気がしないでもないが、楽しく読めた。

  • スポーツもの、ましてや、自転車ロードレースなんて、知識も興味も全くない私が、スポーツものの小説を楽しめるか少々不安だったけれど、さわりからすごく読みやすかった。
    私の知らない世界がこんなにもあるのだと、いつも教えられる。

    自転車ロードレースは、勝者は一人であるにも関わらず、エースとアシストのチームプレーで成り立っているスポーツ。

    エースのために走るアシストの支えがあって、エースは勝つことができる。

    自分が勝つことよりも、誰かのために身を粉にして走ることが向いている人はアシストとなり、そのアシストの貢献や犠牲を全て一人で背負って勝ちに挑むエース。
    その深い関係性の中で起きた事件のミステリー。

    鍵は、「自分の担う役割」

    近藤史恵さんって、本当に博識で持ってる引き出しがすごい。
    ここまで偏りなく多彩な方面の小説が描けてしまう人ってなかなかいない。
    外国の料理だったり、ジビエ料理に詳しいかと思えば、今回のように自転車ロードレースだったり。
    私の知らない、いろんな世界を小説を通して見せてくれる。

  • 陸上競技から自転車のロードレースに転向した青年を主人公にした小説。青年の一人称で語られているが、あまり感情の起伏がないようで淡々とした印象だ。恋人との関係もそうだし、勝利に対してもそうだ。個人戦でありながら実はチーム戦であるというロードレースの特殊さから、タイトルの“サクリファイス”はチームの勝利のために自分の勝利を犠牲にする彼の行為を指すと思っていた。が、冒頭に描かれた誰かの死がクライマックスで明かされると、それまでの印象がまったく変わってくる。おもしろかったけれど、やはりあっさりしすぎかなあ……。

  • ミステリー仕立てで、謎解きもありますが、なんと言っても、心理描写が絶妙な近藤史恵さんの一押し小説。
    日本ではあまり馴染みのない自転車ロードレースのプロ選手たちの物語。高校陸上では有望だった白石は、チームのエースとアシストの役割、勝利というものの尊さ、相手への賞賛、誇りに魅入られ、自転車ロードレースを志す。
    チームのエース石尾、才能豊かな同期の伊庭と共に、白石は、ツールドジャポンに参加することになる。チームのエース石尾は、数年前に才能豊かな若手を潰したのか?
    面白い!一気に読んでしまいました。

  • 56

  • まだまだ日本ではマイナーな
    自転車ロードレースのお話。
    選手の駆け引きがうまく描写されています。
    競技を知らなくても面白く読めました。

  • 自己犠牲は楽か

著者プロフィール

1969年大阪府生まれ。大阪芸術大学文芸学科卒業。1993年『凍える島』で「鮎川哲也賞」を受賞し、デビュー。2008年『サクリファイス』で、「大藪春彦賞」を受賞。「ビストロ・パ・マル」シリーズをはじめ、『おはようおかえり』『たまごの旅人』『夜の向こうの蛹たち』『ときどき旅に出るカフェ』『スーツケースの半分は』『岩窟姫』『三つの名を持つ犬』『ホテル・カイザリン』等、多数発表する。

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